必然は偶然、偶然は必然 第二話

「ん・・・確かこんなふうに空を窓から眺めてたよな、あん時も・・・」
・・・ルークにとっての始まりの日、すなわち屋敷からティアと共に飛ばされた日・・・もう何十年も前になったあの日に戻ったルークは、あの日を思い出しながらボーッとする。
『・・・ルーク、ルークよ・・・聞こえるか?』
「・・・ん、ローレライなのか?」
すると唐突に自身の頭の中に響いてきた声に、ルークは眉間にシワを寄せる。
「同調フォンスロットを開いて会話してるのになんで頭が痛くならないんだ・・・?」
『我が頭痛がしないようにしておいた。それくらいはしておいたのだが、まずかったか?』
「いや、全然いいよ。寧ろなくなってよかったくらいだ」
同調フォンスロットを開かれた時の頭痛が存在しない。それにルークは笑みを浮かべる。
「それよっか、何か用か?昔と違って解放を願ってる訳じゃねーんだから、特に俺に用があるわけじゃないだろ?」
『・・・そなた達の旅の供を連れて来たのだが・・・少しトラブルが起こってな、それを伝えておくべきだと思って連絡したのだ』
「え、トラブル?何があったんだよ?」
そこからルークは気楽に返しローレライにどういった用なのかを聞くが、返された返事にルークは心配そうな声を上げる。
『・・・我が言葉で説明するより、ラジエイトゲートでヴァン達の映像を見せた時のようにその場面を見せた方が早い。少し意識は飛ぶがいいか、ルーク?』
「・・・そう出来るなら頼む」
何が起こったのか、複雑な様子を思わせるローレライの語りにルークも覚悟しながらその案通りにすると頷く。するとルークの意識は一気に光に包まれ、気付いた時にはある場所へと飛んでいた・・・









・・・エンゲーブより少し離れた平野にて、大きな光が形を成して唐突に現れる。そしてそこから光が収束し、消えた場所にいたのはローレライの近くにいたウッドロウにイクティノス、そこから少し離れてハロルドにディムロス、更に二つのグループとは別に離れた位置にいるクラトスとセネルだった。
『・・・これは、想像以上の事態だな・・・これも、我がオールドラントに無理矢理に引き付けたせいか・・・』
「・・・これが問題だと言うのか・・・私の知らない顔ばかりだ・・・」
『っ!・・・あれは、ハロルドにディムロス・・・!?』
「何?イクティノスだと?だがイクティノスを持っているのは、あれは誰だ・・・?」
「え?あれって確かソーディアンマスターって呼ばれてた時のウッドロウじゃないの?」
「・・・なんだここは?一体何が起こったというのだ?」
「・・・あんたも、事情を理解出来てないのか?」
・・・ローレライを始めとして各々混乱した様子を見せる一同。特にクラトスにセネルの二人は知った顔がいないこともあり、警戒心をあらわにしている。
「・・・ふむ、すまないが少し話し合いの場を設けないか?色々互いの事情を知ってから、この状況をどうするかを検討するべきだと思うのだが・・・」
「・・・確かにな。それに貴方が何故イクティノスを持っているのか、そのことにも興味がある」
「どちらにせよ今の状況は私にとっては不本意な物に変わりはない。話し合いでどうにかなるというなら、私はそれでいい」
そんな状況を見てウッドロウは穏やかな口調で話し合いを提案し、ディムロスにクラトスがそれに同意する。
「お二人もそれでいいかな?」
「私も別にいいわよー」
「俺もそれでこの状況がどうにかなるなら・・・」
二人の同意が取れた後ハロルドとセネルの意志をウッドロウが確認すると、二人からも同意が返る。
「ならば始めようか、互いの事を知るための話し合いを・・・」
自分達以外の意志を確認した事でウッドロウは開始を告げる、問題を解決する為の話し合いの開始を・・・









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