必然は偶然、偶然は必然 第九話

「まぁまず軽くタルタロスがある理由だけど、経緯は後でまた説明するけどそれはこっちについてくれるって言ったリグレットからここでタルタロスを乗り捨てるって情報をもらったんでな。それでイオンが事前にどうにかマルクト側から兵士を派遣出来ないかって出した手紙を受けて来てくれたグレン将軍協力のもと、タルタロスを奪還することを決めたんだよ」
「えっ・・・教官が・・・っ!?」
「何・・・!?」
それでまずはとタルタロス奪還の経緯を話すルークにティアはまた改めて驚きリグレットを見て、ジェイドはイオンの方に疑惑の声と目を向ける。ジェイドは察するに聞いてないと言いたいのだろう。
「イ、イオン様・・・なんで、いつそんなことを・・・!?」
「あぁ、アニス。それはマルクトに手紙を送るとカイツールの港で出した手紙にですよ」
そんなジェイドの心中まで代弁するかのようなアニスの信じられないと言った声に、イオンは顔だけ向けつつ全く悪ぶれずに平然と答える。
「なんで、と言われれば貴女とジェイドにそのような手紙を出すと言ったところで出す必要ないと言うのが想像出来たのであえてマルクト側に判断を委ねてみたんです・・・ただ時間がないので数多の経験をしてきてマルクトに貢献をしてきたマクガヴァン元帥に判断を委ねる形で手紙を出したのはその結果がコレ、という訳です」
「・・・元帥が・・・」
その上で何故かと言う声に関して経緯を答えると、マクガヴァン元帥の判断あっての事にジェイドが若干信じられないと言った声で呆然と呟く。



・・・最もこれが前のようにつつがない関係をジェイドと元帥が築いていたなら導師からの手紙は無視できないと堅いグレン将軍が説得しても首を縦に振ったか怪しいが、前にセントビナーに匿ってもらった時にルーク達は元帥に不審の種を撒いていた。その種が上手く発芽したが為にマクガヴァン元帥はジェイドを信用して一任するのではなく、兵士を派遣させる事を選んだのだ。



「じゃ、じゃあなんで俺達はこうやって捕らえられてるんだよ・・・!?それになんで俺達にそんな重要な事を教えてくれなかったんだ・・・!?」
「ん?あぁ、それか?」
すると今度はガイが裏切られたと言わんばかりに悲痛な声を上げるが、ルークはなんとも思っていないといった風に首を傾げる。
「簡単なことだよ。イオンも言ったけど俺にはお前らに対しての信用が全くない。だからこうやって何も言わず捕らえてもらった・・・そう言うことだ」
「っ!・・・なんで、なんでだよ!そんなに信用がないってなんで・・・!」
「・・・ふーん、それを聞くんだ」
「「「「っ・・・!?」」」」
そこから簡潔に信用がないと言えばガイは尚のこと何故だと理解しようともせず答えばかりを求めてくるが、ルークは冷めた声であるのにその瞳に怒りが存分に感じられる相反した物を同時に浮かべた事にガイだけでなく周りのティア達も驚愕・・・あるいは恐怖を覚え目を見開く。
「ならいいよ、全て答えてやる。けど今更拒否は受け付けねぇし、聞かねぇからな・・・逃がしゃしねぇぞ」
「「「「・・・っ!」」」」
そしてその声と瞳のままでルークは宣言する、逃走は許さないと・・・















超越すべき過去に残っていた想い



それは栄光への未来を踏みにじった英雄と呼ばれたかつての仲間達との決別



英雄となったかつての仲間に焔達は捧ぐ、二度と英雄などと呼ばれることのない地への招待状へと・・・









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