必然は偶然、偶然は必然 第八話

「・・・では話も終わった事だし、二人を呼ぼう」
「っ・・・うむ・・・そうだな・・・」
一通り話の流れも終わった所でウッドロウが少し離れた位置の二人を見て呼ぼうと言うと、リグレットは少し詰まりながらも同意する。
(そうだ、アリエッタは私と共にここに来たのだ・・・悪いことをすることになるな、アリエッタには・・・)



・・・リグレットにとってアリエッタは他の六神将と違い精神年齢が幼いのと同性という事があり、気にかけてあまり他の四人と同じように邪険に扱えなかった。その事から長い付き合いもあって情も芽生えてきており、ここで一方的に別れを告げなければならないことに気付いて心苦しさが今芽生えていた。



ウッドロウが手を上げ二人を呼び寄せる姿に、リグレットは苦虫を噛み締めるような表情にならないよう必死にこらえる。
「・・・おう、終わったのか?」
「うん、まぁね」
そして呼ばれた二人はウッドロウ達の前に来ると、ルークはウッドロウと話すがアリエッタが少し恥ずかしそうに頬を赤らめリグレットの前に立つ。
「あ、あの、リグレット・・・この人と、恋人に、なった、ですか・・・?」
「なっ!?何でそんなことを・・・!?」
「だってリグレット、この人と、抱き合ってた、です・・・」
「・・・っ!」
そこからいきなり恋人なのかと爆弾発言をされてリグレットは頬を染めあわあわとするが、端から見た状況をアリエッタに恥ずかしそうに言われハッとした。確かに遠目から見ればそう見えなくもない状況になっていたし、自分もそう見えることをしていたことを。
「あ、あれは・・・その・・・どう言えばいいのか・・・!」
「アリエッタ、無理に言わせない方がいいぞ。リグレット恥ずかしがってんだから、その辺はこの様子から察してやれ」
「はい、わかったです」
「おっ、お前・・・!」
それで慌てて弁明しようとするがそこに割って入ったルークはそう取れるような言い方を持ってアリエッタを納得させるが、リグレットは見た。ルークの口角がわずかに愉快げに上がっていることに。その事に非難をしたそうな声を上げかけるが、ルークはそんなリグレットに振り向く。
「まぁそれはともかくとしてだ・・・リグレット、お前は俺達に協力してくれるってことでいいんだよな?」
「っ!あ、あぁ・・・私はそうすることに決めた・・・」
その瞬間一気に真剣に自身を見据え質問するルークにリグレットは気圧され、少し言葉をどもらせながらも肯定する。
「そうか・・・ならちょっとウッドロウもだけど、俺の考えた事を聞いてくれ。二人が話し合ってる間に考えていた事があんだ、これからの流れをな」
「これからの流れを?」
「あぁ、ちょっとリグレットがこっちに来てくれるかもって考えたらこのまますんなり流れのままいかせ過ぎたらちょっとまずいと思ってな」
「成程、だからそれを聞いてほしいと言うのだね?」
「そう言うことだ」
「ならば話してくれ、ルーク君」
「あぁ」
その答えを聞きルークは自身の考えを聞いてほしいと言い、ウッドロウもその中身に真剣な様相で先を促す。



「                               」












想いは人により他人を害しうることもあり、他人を助ける事もあり得る



以前は成し得なかった事を英雄達はこれより成し遂げる



その手始めは女にある・・・












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