必然は偶然、偶然は必然 第八話
「君は今の話を聞いてどう思った?一つ一つでいい、答えてくれ」
「・・・・・・我々は理想がある。預言の世界を壊すという理想がな」
まずはと感じた事を話すように言えば、リグレットは重々しく口を開く。
「それが預言に浸りきった世界に望まれる事ではなく、敵がいるということも理解している・・・そして成功しなければ死あるのみ、そう思いながら私は活動していた・・・その上で私はそれを覚悟の上、閣下達と共に戦いお前達に敗れたのだろう・・・」
「厳密には私達と彼らは違うがね」
「何?」
「それは後で説明するよ、今は続きを」
「チッ・・・」
過去に起こった自身と照らし合わせた上での想像を膨らませるリグレットにウッドロウは訂正を入れるが、疑問の表情に対しまだだと言われ舌打ちをしながらも話を続ける。
「・・・まぁそこまでは百歩譲ってまだいい。私達が討ち果たされたとは言え預言と違う世界の流れが出来たのはな・・・だがその後の世界でティア達の頑迷さが元でまた世界に混乱を招いたと聞き私は何をやっているという憤りを覚えると同時に、やはり我々の計画通りにしたほうがまだよかったとも思った・・・」
「ふむ、そのような中途半端な事になるくらいならという訳か」
「あぁ・・・だが気になっていたが、貴様は何者だ?さっきから聞いていれば二人が過去に戻ってきた後で貴様は接触したように思えるが、貴様は以前はいなかったとでも言うのか?」
「あぁ、その通りだよ」
「何・・・?」
そこから自身の弟子の愚昧さを嘆くよう苦々しく語る様子にウッドロウは納得して頷くが、ここでリグレットはそのウッドロウの不自然な物言いについて指摘をすると、あっさり肯定で返され怪訝な顔になる。
「まずその事に関して結論から言おう」
「私は元々この世界の人間ではない、いわゆる異世界の人間だ」
「なっ・・・!?」
・・・そんなリグレットにウッドロウはまたあっさりと、自身が違う世界の人間であると微笑みながら明かした。当然脈絡もないその答えにリグレットは絶句する。
「まぁまずは我々の事を説明しようか・・・」
そんな様子にウッドロウはゆっくり噛み締めるよう語りだす、自分とハロルド達がどう言った訳でこの世界に来たかを理解してもらう為に・・・
「・・・という訳でね。私は元々だが、他の四人も二人に協力したいということでここにいるのだよ」
「そんなことが・・・」
・・・そしてそれらの経緯を語り終えて、リグレットは呆然としたよう呟く。
「・・・ただ者ではないと思っていたが、まさか元王だとはな・・・」
「ふ・・・とは言えもう昔の事だよ、今ここにいるのはウッドロウ=ケルヴィンというただの男だ」
「・・・随分とローレライも無茶なことをしたものだな。まさか元とは言え王を連れて来るなど・・・」
その呟きにウッドロウはまた余裕を持った笑みを浮かべ返せば、リグレットはイオンと似たような感想を口にする。
「理解したかい?私が彼らと共にいる理由が?」
「あぁ・・・確かにそのような理由であればローレライが動くのも納得だ。だが何故ローレライは今更そのようなことをする、そのようなことをするくらいなら初めから預言を変えるよう動けばよかったものを・・・」
そしてウッドロウからかけられた声に答えつつも、本来のリグレットなら出てこなかったであろうもっと前の過去を変えるべきだろうとの声が苦々しく出る・・・リグレットは亡くなった弟が預言により死んだ事により預言を憎んでいる、その悲劇がローレライの行動で無くせなかったのかと思っているのだろう。
・・・そんな無意識に出た悲しみを救うべく、ウッドロウはリグレットの前に足を進める。
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「・・・・・・我々は理想がある。預言の世界を壊すという理想がな」
まずはと感じた事を話すように言えば、リグレットは重々しく口を開く。
「それが預言に浸りきった世界に望まれる事ではなく、敵がいるということも理解している・・・そして成功しなければ死あるのみ、そう思いながら私は活動していた・・・その上で私はそれを覚悟の上、閣下達と共に戦いお前達に敗れたのだろう・・・」
「厳密には私達と彼らは違うがね」
「何?」
「それは後で説明するよ、今は続きを」
「チッ・・・」
過去に起こった自身と照らし合わせた上での想像を膨らませるリグレットにウッドロウは訂正を入れるが、疑問の表情に対しまだだと言われ舌打ちをしながらも話を続ける。
「・・・まぁそこまでは百歩譲ってまだいい。私達が討ち果たされたとは言え預言と違う世界の流れが出来たのはな・・・だがその後の世界でティア達の頑迷さが元でまた世界に混乱を招いたと聞き私は何をやっているという憤りを覚えると同時に、やはり我々の計画通りにしたほうがまだよかったとも思った・・・」
「ふむ、そのような中途半端な事になるくらいならという訳か」
「あぁ・・・だが気になっていたが、貴様は何者だ?さっきから聞いていれば二人が過去に戻ってきた後で貴様は接触したように思えるが、貴様は以前はいなかったとでも言うのか?」
「あぁ、その通りだよ」
「何・・・?」
そこから自身の弟子の愚昧さを嘆くよう苦々しく語る様子にウッドロウは納得して頷くが、ここでリグレットはそのウッドロウの不自然な物言いについて指摘をすると、あっさり肯定で返され怪訝な顔になる。
「まずその事に関して結論から言おう」
「私は元々この世界の人間ではない、いわゆる異世界の人間だ」
「なっ・・・!?」
・・・そんなリグレットにウッドロウはまたあっさりと、自身が違う世界の人間であると微笑みながら明かした。当然脈絡もないその答えにリグレットは絶句する。
「まぁまずは我々の事を説明しようか・・・」
そんな様子にウッドロウはゆっくり噛み締めるよう語りだす、自分とハロルド達がどう言った訳でこの世界に来たかを理解してもらう為に・・・
「・・・という訳でね。私は元々だが、他の四人も二人に協力したいということでここにいるのだよ」
「そんなことが・・・」
・・・そしてそれらの経緯を語り終えて、リグレットは呆然としたよう呟く。
「・・・ただ者ではないと思っていたが、まさか元王だとはな・・・」
「ふ・・・とは言えもう昔の事だよ、今ここにいるのはウッドロウ=ケルヴィンというただの男だ」
「・・・随分とローレライも無茶なことをしたものだな。まさか元とは言え王を連れて来るなど・・・」
その呟きにウッドロウはまた余裕を持った笑みを浮かべ返せば、リグレットはイオンと似たような感想を口にする。
「理解したかい?私が彼らと共にいる理由が?」
「あぁ・・・確かにそのような理由であればローレライが動くのも納得だ。だが何故ローレライは今更そのようなことをする、そのようなことをするくらいなら初めから預言を変えるよう動けばよかったものを・・・」
そしてウッドロウからかけられた声に答えつつも、本来のリグレットなら出てこなかったであろうもっと前の過去を変えるべきだろうとの声が苦々しく出る・・・リグレットは亡くなった弟が預言により死んだ事により預言を憎んでいる、その悲劇がローレライの行動で無くせなかったのかと思っているのだろう。
・・・そんな無意識に出た悲しみを救うべく、ウッドロウはリグレットの前に足を進める。
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