必然は偶然、偶然は必然 第八話

「ふふ、すまないね。わざわざ来てもらって」
「・・・よく言う、私が来ると確信しておいて」
早速と話を穏やかに始めるウッドロウにリグレットは吐き捨てるように返すが、素直に来る辺りやはり会いたかった気持ちは捨てられなかったのだろう。
「まぁいい・・・あまり長く時間をかける気はない。早速聞きたい事は聞かせてもらうぞ・・・まずだが、お前は全てを知っているような事を私に会ったときに言ったがお前は何を・・・どこまで知っている・・・?」
「・・・その件については又聞き話程度であるが、大体全てと言わせてもらうよ」
「又聞き話に、大体全て・・・?・・・貴様、馬鹿にしているのか・・・?」
そこからすぐに真剣な眼差しで何を知ると切り出したリグレットに、ウッドロウは正直に偽りない事実を話すがその答えに殺気を込めてリグレットは睨み付ける。
「馬鹿になどしていないよ、事実私はルーク君にイオン君・・・それにローレライから話を聞いて彼らに協力している訳だからね」
「ローレライだと・・・!?貴様、何を言って・・・!」
「君達のやろうとしているのはレプリカ大地計画であり、預言に浸かりきったこの世界を壊す事・・・そうだろう?」
「なっ、何故それを・・・!?」
しかし至って真剣にローレライ達の名を出された事にリグレットは何をと動揺するが、すかさず最終的な目標を言い当てられ更に動揺する。
「言っただろう、話はその三人を通じて聞いたと。私はその話を聞いて彼らに協力することを決めたのだよ」
「・・・答えろ、何故奴らはその事を知った?事と次第によっては・・・」
「私を殺す、かい?ムザムザ殺されるつもりなど私にはないが、全て正直に話す気でいる。邪魔をしなければ全て話すが、素直に聞く気はあるかい?」
「あぁ・・・元よりそのつもりだ、全てを話せ・・・」
その動揺のまま話を続けていったウッドロウの話の中身にリグレットは徐々に冷静さを取り戻し静かに脅しをかけるが、ウッドロウは怯える様子もなく普段通りに話をすると念を押せばリグレットも深く頷く。



・・・そしてそこからウッドロウの口より静かに語られていった、以前のルーク達の旅の中でのルーク達の話にリグレット達の末路、その上でのティア達が起こした愚行の上でルークとイオンがローレライの勧めで過去に戻ってきた事を・・・















「・・・という訳だよ」
「・・・色々言いたいことがありすぎて、何と言えばいいのかわからんな・・・」
・・・そして一区切りと言った様子でルーク達が過去に戻る事を決めた時までを話終えると、リグレットは複雑極まりない表情でウッドロウから顔を背ける。
「・・・我々の計画が失敗に終わり、我々がディストを除き死んだ・・・それはまだいい・・・だがそれで残った後の世界が我々を倒した者達、それもティアによって混乱の渦中に落とされたなどと・・・」
「私の話を否定しないのかい?」
「・・・否定出来る物ならしたい。だがそうでもなければつじつまが合わん事が多すぎる、あのルークのようにな・・・」
そのリグレットから呆然としながらも過去という未来に起こった出来事を受け入れるような呟きが聞こえた、その事にウッドロウが確認を取ると少し離れた位置にいるルークを見て力なく認めざるを得ないと言う。やはりルークの以前にない経験からの行動はリグレットにとっても疑問の種であったのだろう。



・・・だがまだ話は終えていない、ウッドロウはそんなリグレットの顔を見ながらまた口を開く。







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