必然は偶然、偶然は必然 第八話
・・・そして先を行く二人。
「すまないね、ルーク君。気を使ってもらって」
「ディムロスが隙を作った方がいいって言ったから俺も行った方がいいかなって思っただけだよ。それに1人で行かせるのも危ないと思っただけだし」
「正直それは助かるよ、リグレット以外に誰かいる可能性も有り得るしね」
先を歩きながらも会話を交わす二人だが、その表情には声程の気安さなどなく注意深く辺りを見渡している。その動作からいきなりの敵襲をどれだけ警戒しているかを伺える。
「つっても向こうを警戒させないために俺1人くらいでしか付いていけないのが痛かったけどな・・・」
「まぁそこは大丈夫だろう。謡将はアクゼリュスで君を待ち構えているからここで君を通す為にも下手に戦力を削ぐような真似は向こうもしないはず・・・そう考えればリグレットと精々アッシュ以外の六神将が1人来ればいいくらいだ。君がいれば十分に心強い」
「ならいいけど・・・そろそろ来てもいい頃のはず・・・と思ったら・・・」
『来た、な』
その空気のまま会話を繰り広げていると壊れた小屋の前に来たところでルークはある姿を見つけ、イクティノスも同じように呟く。
「・・・少し意外だね、まさかアリエッタとともに来るとは・・・」
だがその姿はアリエッタとともに横並びでグリフィンに捕まって飛んで来る姿であり、ウッドロウは意外だと呟く。
‘トッ’
「・・・どうやらここで私が来ると予想をしていたようだな。それもわざわざ二人でとは・・・」
「まぁ、来るとしたらそろそろだろうと思ってね・・・君に会いたかったからこうやって来させてもらったよ」
そのウッドロウの前にグリフィンから降り立ったリグレットはお膳立てされた状況に険しい顔をし、ウッドロウは余裕を持って対応した後アリエッタを見る。
「彼女は?」
「あ、あの、アリエッタ、イオン様に会えるかもって思ったからこっちに来るって言ったリグレットに付いてきた、です。イオン様にママ達の事うまくいったって、言いたくて・・・」
「・・・成程な・・・うん・・・」
アリエッタまで来た訳を問うウッドロウにアリエッタ自身がしどろもどろに答える様子を見て、ルークが納得した様子を浮かべる。そういう訳ならアリエッタが来る訳もわかる、そして1人で行くつもりがアリエッタも付いてきてしまったのだと。と、ウッドロウを見てルークは一つ頷きアリエッタへと無造作に歩き出す。
「なぁ、アリエッタ。ちょっといいか?」
「なん、ですか?」
「ちょっとウッドロウはリグレットと色々話がしてーらしいんだけど、あんまり人にその中身を聞かれたくねぇらしいんだ。だから俺と一緒に話が聞こえない位置にまでいかねーか?二人の声が聞こえなくて姿が見える位置まででいいから、な?」
「え?この人がリグレットに話、ですか・・・?」
そこから前に立たれなんの威圧感も無しにかけられた気楽な声と中身を受け、アリエッタはリグレットとウッドロウを交互に見やる。どうすればいいのか分からないのだろう、そんなおろおろとした様子に仕方なくリグレットがタメ息を吐きそうな様子で口を開く。
「・・・アリエッタ、そいつと一緒にしばらく待っていてくれ。何かあればすぐに助ける」
「リグレット・・・はい、わかったです」
「心配しなくてもいいよ、彼は手を出しはしない。それは私が保証する」
・・・ウッドロウと会うまでのリグレットだったならルークとアリエッタを二人きりになどする以前に馬鹿な事だと一蹴していただろう。だがわざわざ気を利かせたルークの申し出を断れないくらいにリグレットは既に迷いが生じていた、ウッドロウの事を天秤にかけて迷うくらいに。
そんな葛藤とらしくなさがこもった想いがこもった答えにアリエッタも素直に頷き、ウッドロウの声を受けてからルークとともに下へと移動していく・・・
・・・そして遠くで二人が見守る構図になった、ウッドロウとリグレットは改めて対峙する・・・
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「すまないね、ルーク君。気を使ってもらって」
「ディムロスが隙を作った方がいいって言ったから俺も行った方がいいかなって思っただけだよ。それに1人で行かせるのも危ないと思っただけだし」
「正直それは助かるよ、リグレット以外に誰かいる可能性も有り得るしね」
先を歩きながらも会話を交わす二人だが、その表情には声程の気安さなどなく注意深く辺りを見渡している。その動作からいきなりの敵襲をどれだけ警戒しているかを伺える。
「つっても向こうを警戒させないために俺1人くらいでしか付いていけないのが痛かったけどな・・・」
「まぁそこは大丈夫だろう。謡将はアクゼリュスで君を待ち構えているからここで君を通す為にも下手に戦力を削ぐような真似は向こうもしないはず・・・そう考えればリグレットと精々アッシュ以外の六神将が1人来ればいいくらいだ。君がいれば十分に心強い」
「ならいいけど・・・そろそろ来てもいい頃のはず・・・と思ったら・・・」
『来た、な』
その空気のまま会話を繰り広げていると壊れた小屋の前に来たところでルークはある姿を見つけ、イクティノスも同じように呟く。
「・・・少し意外だね、まさかアリエッタとともに来るとは・・・」
だがその姿はアリエッタとともに横並びでグリフィンに捕まって飛んで来る姿であり、ウッドロウは意外だと呟く。
‘トッ’
「・・・どうやらここで私が来ると予想をしていたようだな。それもわざわざ二人でとは・・・」
「まぁ、来るとしたらそろそろだろうと思ってね・・・君に会いたかったからこうやって来させてもらったよ」
そのウッドロウの前にグリフィンから降り立ったリグレットはお膳立てされた状況に険しい顔をし、ウッドロウは余裕を持って対応した後アリエッタを見る。
「彼女は?」
「あ、あの、アリエッタ、イオン様に会えるかもって思ったからこっちに来るって言ったリグレットに付いてきた、です。イオン様にママ達の事うまくいったって、言いたくて・・・」
「・・・成程な・・・うん・・・」
アリエッタまで来た訳を問うウッドロウにアリエッタ自身がしどろもどろに答える様子を見て、ルークが納得した様子を浮かべる。そういう訳ならアリエッタが来る訳もわかる、そして1人で行くつもりがアリエッタも付いてきてしまったのだと。と、ウッドロウを見てルークは一つ頷きアリエッタへと無造作に歩き出す。
「なぁ、アリエッタ。ちょっといいか?」
「なん、ですか?」
「ちょっとウッドロウはリグレットと色々話がしてーらしいんだけど、あんまり人にその中身を聞かれたくねぇらしいんだ。だから俺と一緒に話が聞こえない位置にまでいかねーか?二人の声が聞こえなくて姿が見える位置まででいいから、な?」
「え?この人がリグレットに話、ですか・・・?」
そこから前に立たれなんの威圧感も無しにかけられた気楽な声と中身を受け、アリエッタはリグレットとウッドロウを交互に見やる。どうすればいいのか分からないのだろう、そんなおろおろとした様子に仕方なくリグレットがタメ息を吐きそうな様子で口を開く。
「・・・アリエッタ、そいつと一緒にしばらく待っていてくれ。何かあればすぐに助ける」
「リグレット・・・はい、わかったです」
「心配しなくてもいいよ、彼は手を出しはしない。それは私が保証する」
・・・ウッドロウと会うまでのリグレットだったならルークとアリエッタを二人きりになどする以前に馬鹿な事だと一蹴していただろう。だがわざわざ気を利かせたルークの申し出を断れないくらいにリグレットは既に迷いが生じていた、ウッドロウの事を天秤にかけて迷うくらいに。
そんな葛藤とらしくなさがこもった想いがこもった答えにアリエッタも素直に頷き、ウッドロウの声を受けてからルークとともに下へと移動していく・・・
・・・そして遠くで二人が見守る構図になった、ウッドロウとリグレットは改めて対峙する・・・
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