必然は偶然、偶然は必然 第八話

「・・・で、結局ナタリア対策って出来てるの?」
「あぁ、まぁ一応な」
一通りガキ大将で盛り上がった所でハロルドがどうするかと聞くと、ルークは自信を覗かせ答える。
「ただちょっと凝ったやり方でやるから普通に行動してくれ、これはウッドロウ達にも言ってねぇから二人は自然にやっていてほしいんだ」
「それはわかるけど・・・どういう風にやるのか、教えてもらっていいか?」
「ん・・・それはここで話すよ」
そしてそのやり方が大掛かりであると話すルークにセネルがなんなのかと聞くと、ルークはちょうど目の前に着いたキムラスカ領事館を指差し中で話すという・・・















・・・そして領事館で一通り話も手続きも終えた所で3人が領事館を出ると、ティア達にイオン達が合流した状態で待っていた。
「おう、契約はどうなった?」
「えぇ、無事に。詳しい条件面を書いた手紙はもうダアトに鳩を出しましたので、数日後にはつくと思います」
「そうか・・・んじゃ行くぜ」
ティア達は無視しさっさとやることはやったかとルークが聞くと、イオンは当たり障りのない内容で暗に成功だと返しそれにルークは大したリアクションを見せず出発を口にし一同はルークの後に付いていく。



・・・そして国境をまたいだマルクト側の領地にある港の入口前に来たルーク達は予想通り、ナタリアの姿を見つけた。
「・・・ルーク!」
「え・・・あれって、ナタリア様ぁ!?」
すると向こうもルーク達に気付いて嬉しそうに近づいて来て、アニスがぶりっ子しながら驚く。
「・・・どうしたんだよ、ナタリア?つーかなんでお前ここに来てんだよ?」
「どうもこうもありませんわ!私もアクゼリュスに行くためにここに来たのです!・・・ただお父様は私がアクゼリュスに行くことをお認めになりませんでしたが、そこはもうお手紙を置いて個人で行くとお伝えしましたので問題はありません!だからルーク、私も連れていってくださいまし!」
「「「「・・・」」」」
そんなナタリアにルークはあえてわかりやすく不機嫌そうにここに来た訳を聞いたが、イオン達はティア達を除き想定したままの答えが返って来たために辟易した表情を浮かべそうになるのを必死にこらえる。
「・・・その言葉に嘘はねぇんだな?叔父上の制止を振り切ってまでそれほどお前はアクゼリュスに行きたかったんだな?」
「その通りですわ!」
「・・・それでお前、ここで同行断ったら諦める気はあるか?」
「そんなことするわけありませんわ!」
「・・・ふぅ」
だがルークは1人つとめて冷静に意志の確認を投げ掛けると、ナタリアは迷いなく返す。そんな様子に顔を落とし1つタメ息をつくと、ルークは顔を上げる。
「・・・わかった、そこまで言うならお前に1つやってもらいたいことがある。ただそれをクリア出来なかったら俺はお前を連れていかないけど、やる気はあるか?」
「愚問ですわ!やるに決まってます!」
そのままルークは覚悟の程を試すがいいかと真剣に切り出すと、ナタリアはまた即答で返す。
「わかった・・・ならちょっと付いてこい。ここじゃなんだし場所変えてそこでやるから」
「わかりましたわ」
「セネルとハロルド、お前ら二人は付いてこい」
「かしこまりました」
「ちょっとルーク!そんな勝手に・・・!」
「ティア、落ち着きなさい。ルークも考えがあってのことなのです・・・」
その答えにルークは場所を変えると言うとナタリアにかしこまった様子のセネルとハロルドを引き連れ場を離れていき、そんな姿に即座に非難を向けるティアをイオンはなだめるように優しく声をかける。








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