必然は偶然、偶然は必然 第八話
「ただその場合は新たな契約を結ぶ事になりますので、出来れば今からその契約について話をしていただきたい。我々もルーク様及びにファブレ公爵との契約を結んだ時は契約の条件について話し合いをしております、前にその話し合いもせずに金を払わずに収めようとした輩もいましたのでこれは譲れません」
「そうですか、それは仕方ありませんね・・・」
そして条件面の話し合いを譲る気はないと傭兵として抜け目ない要求を口にしたクラトスにイオンは考え込むように手を口に当てるが、その手の下の口元は笑んで歪んでいる。
「んじゃ決まりだな・・・つってもんな街中で話をするってのもなんだし、どっか宿にでも入って話し合いしたらどうだ?」
「あっ、すみません。じゃあちょっと時間を取らせていただきます」
「おう。俺達は領事館に行って先遣隊の事とか聞いてくるから終わったら船の所まで来いよ。あ、それとディムロスとウッドロウは護衛としてクラトスといてやってくれ。また近くに神託の盾がいるかもしれないからな」
「「了解しました」」
「すみません、何から何まで・・・ではまた後でお会いしましょう」
その二人の会話を見てルークはポンポンと話を進めていき、イオンもその流れそのままでクラトス達3人を引き連れルークに一礼し宿へと向かう。
「さ、領事館に行くぜ」
「ちょっとルーク、貴方勝手にイオン様の同行を決めて・・・!」
その流れのまま領事館に早く行こうとするが、ティアが今更ながらにルークの判断にケチをつけてくる。
「だったらなんかお前いいアイデアあったのか?イオンが襲われないようにするようなヤツ」
「そ、それは・・・」
だがあくまでルークに対する反抗心だけだと理解しているので、一言返せばすぐさまティアは言葉を無くす。
「考えがねーんなら一々文句言ってんじゃねぇよ。そもそも文句あんならイオンに言えよ。同行をしたいって言い出したのはイオンなんだからよ」
「っ・・・!」
更に軽くじゃあるが本来だったら責めるべきである対象は自分じゃないだろうと言うと、今度は言い訳しようとする言葉すら出ずティアは悔しそうに黙る。
「・・・これ以上何もねーんなら先に行くぞ」
その様子に心底から説教したかったルークだったが、あくまで表情に険を増させて不機嫌そうに一言残し先を歩き出す。そんなルークにハロルドとセネルは迷うことなく一瞥すらせず付いていき、ガイとアニスはどうすればいいのかとジェイドを除きあたふたとした様子でティアの周りにとどまるばかりだった。
「あー、やっぱイラつく・・・」
「ま、わからないでもないわね。あんだけ馬鹿だったらよく我慢した方じゃない?」
そして領事館に向かう中で顔をしかめながら歩くルークに、ハロルドですらもがはっきりティアを馬鹿だと心底呆れたような声を上げて擁護する。
「ただ思ったんだけどアニスってあれ、導師守護役なんだよな?いくらクラトス達が付いてるからってイオンから離れるのはどうかと思うんだが・・・」
「それこそ今更だ、セネル。アイツに反省なんて殊勝な心掛けはねーよ」
そこにセネルがアニスの行動・・・導師守護役という役職であるのに導師を放っておくという事態に批難めいた声を上げるが、それでこそアニスなのだとルークは悪い意味で理解している為に疲れたようゆっくり首を横に振る。
「・・・ま、ちゃんとアニスがイオンに付いてたとしても話し合いって名目の場にはやんわりと断られてただろうな。イオンに」
「そりゃアニスじゃイオンの弁舌に丸め込まれるのがオチよ、その裏で何が起こってるのかなんて考える事もしないでしょうし」
だが反面でその行動すらも予期していたルーク達はイオン達と離れたその裏にある狙いをにじませながら自然に笑顔を浮かべる。
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「そうですか、それは仕方ありませんね・・・」
そして条件面の話し合いを譲る気はないと傭兵として抜け目ない要求を口にしたクラトスにイオンは考え込むように手を口に当てるが、その手の下の口元は笑んで歪んでいる。
「んじゃ決まりだな・・・つってもんな街中で話をするってのもなんだし、どっか宿にでも入って話し合いしたらどうだ?」
「あっ、すみません。じゃあちょっと時間を取らせていただきます」
「おう。俺達は領事館に行って先遣隊の事とか聞いてくるから終わったら船の所まで来いよ。あ、それとディムロスとウッドロウは護衛としてクラトスといてやってくれ。また近くに神託の盾がいるかもしれないからな」
「「了解しました」」
「すみません、何から何まで・・・ではまた後でお会いしましょう」
その二人の会話を見てルークはポンポンと話を進めていき、イオンもその流れそのままでクラトス達3人を引き連れルークに一礼し宿へと向かう。
「さ、領事館に行くぜ」
「ちょっとルーク、貴方勝手にイオン様の同行を決めて・・・!」
その流れのまま領事館に早く行こうとするが、ティアが今更ながらにルークの判断にケチをつけてくる。
「だったらなんかお前いいアイデアあったのか?イオンが襲われないようにするようなヤツ」
「そ、それは・・・」
だがあくまでルークに対する反抗心だけだと理解しているので、一言返せばすぐさまティアは言葉を無くす。
「考えがねーんなら一々文句言ってんじゃねぇよ。そもそも文句あんならイオンに言えよ。同行をしたいって言い出したのはイオンなんだからよ」
「っ・・・!」
更に軽くじゃあるが本来だったら責めるべきである対象は自分じゃないだろうと言うと、今度は言い訳しようとする言葉すら出ずティアは悔しそうに黙る。
「・・・これ以上何もねーんなら先に行くぞ」
その様子に心底から説教したかったルークだったが、あくまで表情に険を増させて不機嫌そうに一言残し先を歩き出す。そんなルークにハロルドとセネルは迷うことなく一瞥すらせず付いていき、ガイとアニスはどうすればいいのかとジェイドを除きあたふたとした様子でティアの周りにとどまるばかりだった。
「あー、やっぱイラつく・・・」
「ま、わからないでもないわね。あんだけ馬鹿だったらよく我慢した方じゃない?」
そして領事館に向かう中で顔をしかめながら歩くルークに、ハロルドですらもがはっきりティアを馬鹿だと心底呆れたような声を上げて擁護する。
「ただ思ったんだけどアニスってあれ、導師守護役なんだよな?いくらクラトス達が付いてるからってイオンから離れるのはどうかと思うんだが・・・」
「それこそ今更だ、セネル。アイツに反省なんて殊勝な心掛けはねーよ」
そこにセネルがアニスの行動・・・導師守護役という役職であるのに導師を放っておくという事態に批難めいた声を上げるが、それでこそアニスなのだとルークは悪い意味で理解している為に疲れたようゆっくり首を横に振る。
「・・・ま、ちゃんとアニスがイオンに付いてたとしても話し合いって名目の場にはやんわりと断られてただろうな。イオンに」
「そりゃアニスじゃイオンの弁舌に丸め込まれるのがオチよ、その裏で何が起こってるのかなんて考える事もしないでしょうし」
だが反面でその行動すらも予期していたルーク達はイオン達と離れたその裏にある狙いをにじませながら自然に笑顔を浮かべる。
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