必然は偶然、偶然は必然 第八話

六神将の分断襲来からルーク達は襲撃分の遅れを取り戻す為、行進速度を早めケセドニアに向かった。

しかし1人ルークはそこにある姿があることを予想出来ていた為、げんなりしながらもどう対応すべきかをルークは頭の中でシミュレートしていた・・・












「・・・ふぅ、着いたな・・・」
ケセドニアの入口に入り一息つきながらも辺りを見渡すルーク。一通り見渡し終えた所でイオンに振り返る。
「さて・・・ケセドニアに着いた訳だけど、イオンはどうするんだ?お前神託の盾に見つからないようダアトに帰るっつってたけど、見つかっちまったし・・・このままだとダアト行きの船かダアトで襲われる可能性も正直考えられるんじゃねーか、また?」
「「「「っ・・・!」」」」
まずはとイオンの表面上の状況のまずさをティア達に示し、反論をルークは潰しに出る。
「・・・それは確かに僕も考えていました。神託の盾に見つかった以上、また襲われる可能性は高いでしょう」
対するイオンも苦々しく同意しつつも、ルーク達への同行に繋ぐ論理を紡いでいく。
「ですがだからと言って仮にここでアスターに事情を話し込んでかくまってもらっても、彼らは追撃の手は緩めないでしょう。そうなればケセドニアの人々にもご迷惑をおかけします。本来ならダアトから誰かアニス以外の導師守護役などの護衛をお呼びして待ちたいところですが・・・いつ襲撃されるかわからない現状では手遅れになる可能性もあるので、それも出来ません」
「・・・そうですよね~、そう考えると危険ですしぃ・・・」
イオンは至って深刻そうに自身が取れる行動が危ないかを語りアニスも深刻そうに猫かぶり声で同意するが、アニスは全く気付いていない。その言葉はアニスを全く信用していないからこそ、アニスの護衛は意味がないものとして出ている事を。
「・・・・・・すいません、ルーク。このような事を言うのは望ましくないと言うのは分かっていますが、お願いします。僕も、アクゼリュスまで連れていってはいただけないでしょうか?」
「イオン様!?」
そこで大分考え込んだよう間を空けイオンが同行を切り出しティアが驚愕するが、反対することも織り込み済みなイオンは尚続けていく。
「落ち着いてください、ティア・・・僕がそう言ったのはアクゼリュスの方々の様子が気になるのもありますが、今の現状で神託の盾の追撃を避ける為の戦力が僕にはないからです。本当でしたらクラトスさん達から二人程護衛をいただけたらダアトに帰りたいと思う所ですが、このアクゼリュス行きはキムラスカとマルクトの和平を成功させるためには絶対失敗出来ない重要な事です・・・いくら僕が帰りたいからと言って、それでそんな重要な事を人数を減らしてしまったことで失敗させるようにはしたくありません」
「だから一緒に行って数を減らさないように、か。だけどそんなことすれば俺らもまた神託の盾に襲われる確率がアップするってこと、わからないわけじゃねーだろ?お前も」
「はい・・・」
ティアをなだめつつも自身の論理を語るイオンだったが、ここでルークは厳しい言葉で俺達も危険になると言いイオンの表情を曇らせる・・・一見仲間割れかにも見える言葉だったが、あくまでもそれは布石だ。
「・・・僕も、その危険に対して何の代価を払わないのは流石に気が引けます。それに貴殿方の護衛であるはずのクラトスさん達を僕が勝手に頼るというのは甘い事だと言うことも・・・ですので僕からもクラトスさん達にダアトから護衛の報酬をお支払いするよう、なんとかお手続きをさせていただきます。それにダアトの者がキムラスカとマルクトの和平を邪魔したことに対する慰謝料も払わせていただきますので、ですからどうか・・・」
「・・・成程、まぁ妥当っちゃ妥当なとこだな。報酬としちゃ・・・まぁ金を払ってくれるんなら俺はいいと思うけど、クラトス達はイオンの護衛までやりきれる余裕はあるのか?」
「はっ、報酬をいただけるのでしたら承れます」
そこからイオンは精一杯の現実的な意見を出してルークを納得させると同時に、話を振られたクラトスは傭兵として丁寧ながらも慇懃に答える。








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