時代と焔の守り手は龍の剣 第七話

「それは置いとこうじゃないか。今必要なのはどう行動するべきじゃないのかい?早ければ明日にはあの子達はここを出発するんだろ、センセイはまたあの子達に付いていくのかい?」
「・・・そうだな」
ノワールの話の転換に比古清十郎は怒りを納めてはいないが考え込むよう視線を上に向け、それを見て三人は緊張の抜けた息を聞こえない程度に同時にゆっくり吐く。
(話の流れ上必要だったとは言え、大詠師の話をしたのはまずかったねぇ・・・)
そんな中ノワールはもっと言いようがあったのではと思い、大詠師という存在を心底毛嫌いしている事を今更ながらに思い返し後悔する。
「・・・いや、ここでは俺は奴らとは一緒にはいかん」
「・・・え?どうしてだい?」
だが考え込んだ後の比古清十郎は意外な返答を返し、ノワールをたまらずキョトンとする。
「まず、アクゼリュスに行くにはケセドニアを経由しなければキムラスカからでは行くことは出来ん。それを踏まえジェイドにマルクトの対応を聞くだけならケセドニアで待てば十分出来る上、一緒に行くならそこからでも十分だ。それに何より奴らと一緒に行かなければいけない明確な理由が俺にはない」
「・・・まぁ確かにねぇ・・・そう言われれば一緒に行く理由はないね」
その表情を見てその訳を比古清十郎は説明し、ノワールも言われてから独り言らしく納得の様子を浮かべる。



・・・あえて一緒に行く理由などそれこそ比古清十郎からすればない、比古清十郎は文字通りアクゼリュスに行く頃には何もかもを切り捨てていく気でいるのだから・・・



「そういう訳だ」
「まぁそういう事ならね。ならマルクトの大佐殿に話をしに行ってからケセドニアに行くのかい?」
「そうだな、その後すぐに船に乗ってケセドニアに向かう・・・じゃあな、俺は行かせてもらう」
「私達も導師をさらい終わったらすぐにそっちに向かわせてもらうよ、何か手伝い出来る事があるかもしれないからね」
「・・・あぁ」
話を1つやり終え比古清十郎は早速と言わんばかりに、城に行ったジェイドを待って話に行こうと席を立ち上がり、宿を出ていく・・・












・・・始まりの時は影に隠れつつも近付きつつある



準備をかけてきた龍の剣に驕りはない



機は近く訪れつつある・・・






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