時代と焔の守り手は龍の剣 第七話

「・・・何故そんなことを聞く?」
「いやまぁ、なんつーか・・・セカンは俺に親身になってくれたし、もう一度会いてーなって思ってんだけど・・・近い内に来ないのか、こっちに?」
比古清十郎の目が厳しく光る一方でルークは幸か不幸かその視線に気付かず、セカンに会いたいという想いを隠しきれない様子で恥ずかしそうに話していく。
「・・・その予定はないな。アイツはしばらくは俺の小屋にいる、そして俺が向こうに戻れば俺もバチカルに来る事はしばらくはない。会いたいならお前からこっちに来ることだな」
「・・・そうかぁ・・・仕方ねぇな・・・」
その空気を一刀両断するよう比古清十郎は直にバチカルには来ないと告げ、ルークは残念そうに顔を下に向ける。
(もっとも・・・近い内にコイツはアクゼリュスに派遣されることになるだろうが・・・その時にセカンと会うことになるだろうが、どうなるかはまだわからんな・・・)
そんなルークを厳しい視線の中で比古清十郎はそう遠くない内に会えるだろうということを確信しつつ、そのどうなるかわからないルークの命運を考える。
‘ブォ~’
「ん・・・着いたか」
「着いたのか?あー、やっと帰れるぜ・・・」
と、二人の耳に目的地到着を告げる汽笛の音が届いてきた。
(・・・まぁいい。とりあえず今日はバチカルでゆっくり酒でも呑むか)
そこで比古清十郎はルークに対しての考えを捨て去り、バチカルでゆっくり酒を呑むかとしばしの休息を取ろうと思考をそちらに変更させる・・・









・・・そしてバチカルの港に着き、キムラスカ軍の出迎えを受けながらバチカルに上陸したルーク達。
(俺が言うような事ではないが、やはりこの娘の思考回路は理解が出来んな・・・)
見送りをされながらも比古清十郎は先程のやり取りに呆れを覚えながらも先に進んでいく。



・・・キムラスカの軍人が不意の事故からやっと戻ってきた貴族を迎える中、当の事故を起こした張本人がその貴族を見下した発言をしてのけた。比古清十郎は元々から貴族やダアトの人間などの人間に対して一切媚びへつらう気などないため口調を改めようと思ってないが、ティアはルークが気安く接するのを許していると勝手に考え込みそれで公の場で考えなしにルークを見直しただとか言った。



(つくづく救えんな、ダアト所属の人間ということを除いても・・・)
しかしそれを一々指摘する気など比古清十郎には毛頭ない。ティアに対し少し鼻を鳴らし、不機嫌そうに視線を送るだけでさっさと視線を前にやる。






「・・・あれは・・・」
そしてバチカルの上層に上がる天空客車に乗り、上の一般市民が住む区域に来たルーク達。天空客車から降り左手側に比古清十郎はある姿を目撃する。
「おや、あちらの方々は暗闇の夢の皆様ではありませんか」
「でもなんかあいつら、神託の盾と一緒にいねぇか?」
そこにいたのは暗闇の夢もとい、漆黒の翼の面々と神託の盾の兵士。それを確認しジェイドを除く一同が疑問の目を向ける中、比古清十郎は一歩前に歩み出る。





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