時代と焔の守り手は龍の剣 第六話
「・・・これは一体、どういうことだ・・・?」
「っ・・・貴方は?」
「今は俺の事などどうでもいい・・・俺はこの惨状はどういった経緯で起こったのか、それを聞いているんだ」
後ろを向いていたヴァンに近寄った比古清十郎は声をかけるが、振り向いたヴァンの身元を問う声に比古清十郎は有無を言わさず先に話せと言う。
「・・・アリエッタが唐突にこの港を襲いました。私はすぐに応戦したのですが、魔物達から港を守れずこのざまです・・・」
「・・・総長、ごめんなさい。アッシュに頼まれて・・・」
「アッシュだと?」
その声にヴァンは丁寧にしつつも苦々しそうに返し、アリエッタはこの襲撃がアッシュの依頼であることを明かす。アッシュが依頼したことを知り眉を上げるヴァンだが、比古清十郎はアッシュがそうしろと言った事に固まってしまう。
・・・そして比古清十郎が固まったまま少し時間が経ち、アリエッタは港の船を整備できる整備隊長連れていきながら、ルークとイオンにコーラル城にて整備隊長と二人の身柄を交換だと言い魔物に捕まって飛び去っていった。
そしてルーク達はそんなアリエッタ改めアッシュの申し出に、どう対策を取るかを決める話し合いをした結果ヴァンが一人でコーラル城にアリエッタの討伐に行く事が決まった。
「・・・それがダアトの決定か?」
と、ここで比古清十郎はようやく言葉を発する。わかる者にはわかる、凄まじい威圧を静かに込めて。
「決定、とは?」
その声にイオンは何も気付かず、比古清十郎の発言の意味を問う。
「言ってみればこれはダアトが起こした不祥事に他ならない、それも戦争に繋がるきっかけになると言ってもいい大きな物だ。そんなことをダアトの人間がしているのに、何故ヴァン一人で行かせる?」
「戦争っ!?」
「ちょっとそれ、どういう意味ですか!?」
「・・・ふぅ」
比古清十郎はその訳を懇切丁寧に教えようとするが、戦争という単語にイオンが全く考えてなかったと言わんばかりに驚きティアがすかさず戦争に繋がるという訳を聞いてくる。その二人の様子に比古清十郎は溜息を口中で収めつつも、訳を説明しだす。
「・・・この港の有様を見てわからんのか?魔物もいるがそれ以上にキムラスカ兵士の屍がそこらに転がっていて、港を警備しているはずの兵士はそこらを見てもまともに両足で立っている者はいない・・・普通に考えればこの港は『ダアトの神託の盾に不当に武力で制圧された』と見ても全然おかしくない状況だ」
「「「!?」」」
比古清十郎の指摘に二人だけでなく、アニスも表情が一気に強張る。
「要塞や軍の駐屯地に限った事ではないが、国の所有地を他国の者が攻めるという行為はそれだけでも戦争の意志があると判断出来る行為だ。ましてやこの港の兵士があらかた殺されたとなれば、一層その意志が固いと見られる・・・戦争に踏み切ってもいいという意志がな」
「イオン様はそんなことは望んでいないわ!」
「そうですよぉ、これはアッシュの指示で・・・」
「そうだと示したいなら、何故ヴァン一人でコーラル城に行かせる?」
「「・・・っ!」」
順序よく説明していく比古清十郎の声にティアとアニスの二人は反論に出るが、今度は威圧感をハッキリ伴わされて返された返答にまだ続いただろう言葉を止める。
「この軍港の襲撃・・・これをダアトの本意でないと言いたいなら、ダアトの身内だけで物事を片付けるべきではないだろう。こう言った場合第三者を間に入れて、それがいかに本気なのかを見て判断してもらう必要がある」
「第三者・・・それは一体、誰なんですか?」
そして威圧感を消して尚続けていく比古清十郎の弁に、イオンはその中にあった第三者の事を問う
「キムラスカの人間、それもこの襲撃を客観的に見れる人間だ」
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「っ・・・貴方は?」
「今は俺の事などどうでもいい・・・俺はこの惨状はどういった経緯で起こったのか、それを聞いているんだ」
後ろを向いていたヴァンに近寄った比古清十郎は声をかけるが、振り向いたヴァンの身元を問う声に比古清十郎は有無を言わさず先に話せと言う。
「・・・アリエッタが唐突にこの港を襲いました。私はすぐに応戦したのですが、魔物達から港を守れずこのざまです・・・」
「・・・総長、ごめんなさい。アッシュに頼まれて・・・」
「アッシュだと?」
その声にヴァンは丁寧にしつつも苦々しそうに返し、アリエッタはこの襲撃がアッシュの依頼であることを明かす。アッシュが依頼したことを知り眉を上げるヴァンだが、比古清十郎はアッシュがそうしろと言った事に固まってしまう。
・・・そして比古清十郎が固まったまま少し時間が経ち、アリエッタは港の船を整備できる整備隊長連れていきながら、ルークとイオンにコーラル城にて整備隊長と二人の身柄を交換だと言い魔物に捕まって飛び去っていった。
そしてルーク達はそんなアリエッタ改めアッシュの申し出に、どう対策を取るかを決める話し合いをした結果ヴァンが一人でコーラル城にアリエッタの討伐に行く事が決まった。
「・・・それがダアトの決定か?」
と、ここで比古清十郎はようやく言葉を発する。わかる者にはわかる、凄まじい威圧を静かに込めて。
「決定、とは?」
その声にイオンは何も気付かず、比古清十郎の発言の意味を問う。
「言ってみればこれはダアトが起こした不祥事に他ならない、それも戦争に繋がるきっかけになると言ってもいい大きな物だ。そんなことをダアトの人間がしているのに、何故ヴァン一人で行かせる?」
「戦争っ!?」
「ちょっとそれ、どういう意味ですか!?」
「・・・ふぅ」
比古清十郎はその訳を懇切丁寧に教えようとするが、戦争という単語にイオンが全く考えてなかったと言わんばかりに驚きティアがすかさず戦争に繋がるという訳を聞いてくる。その二人の様子に比古清十郎は溜息を口中で収めつつも、訳を説明しだす。
「・・・この港の有様を見てわからんのか?魔物もいるがそれ以上にキムラスカ兵士の屍がそこらに転がっていて、港を警備しているはずの兵士はそこらを見てもまともに両足で立っている者はいない・・・普通に考えればこの港は『ダアトの神託の盾に不当に武力で制圧された』と見ても全然おかしくない状況だ」
「「「!?」」」
比古清十郎の指摘に二人だけでなく、アニスも表情が一気に強張る。
「要塞や軍の駐屯地に限った事ではないが、国の所有地を他国の者が攻めるという行為はそれだけでも戦争の意志があると判断出来る行為だ。ましてやこの港の兵士があらかた殺されたとなれば、一層その意志が固いと見られる・・・戦争に踏み切ってもいいという意志がな」
「イオン様はそんなことは望んでいないわ!」
「そうですよぉ、これはアッシュの指示で・・・」
「そうだと示したいなら、何故ヴァン一人でコーラル城に行かせる?」
「「・・・っ!」」
順序よく説明していく比古清十郎の声にティアとアニスの二人は反論に出るが、今度は威圧感をハッキリ伴わされて返された返答にまだ続いただろう言葉を止める。
「この軍港の襲撃・・・これをダアトの本意でないと言いたいなら、ダアトの身内だけで物事を片付けるべきではないだろう。こう言った場合第三者を間に入れて、それがいかに本気なのかを見て判断してもらう必要がある」
「第三者・・・それは一体、誰なんですか?」
そして威圧感を消して尚続けていく比古清十郎の弁に、イオンはその中にあった第三者の事を問う
「キムラスカの人間、それもこの襲撃を客観的に見れる人間だ」
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