時代と焔の守り手は龍の剣 第五話

・・・そしてルーク達から大分離れて声が聞こえなくなる所に来たセカン達。
「・・・これくらいでいいか」
そこで足を止める比古清十郎に倣い、セカンもジェイドも足を止める。
「さて、何から話すか」
「・・・でしたら先程言った私と私の幼なじみの件をどうして貴方が知っているのか、そこからお話をお願いします」
早速の比古清十郎の話の切り出しに、ジェイドは笑みを消して真剣に先程の発言の意味を言うように求める。
「・・・きっかけは俺がセカンを拾った時からだ」
「・・・え?」
だが予想外に自分の事が出て来た事に、セカンが目を丸くする。
「セカンを拾った・・・どういうことですか?」
「最初俺はセカンから謎の人物に捨てられたという話を聞いた時、どこかの人さらいが起こしたような事だと思っていた。だがそれは改めてその時の状況を調べていく内に、そのような瑣末な事ではないとわかった」
「・・・どのような事がわかったのですか?」
「セカンの話を思い出す内に暗くて埃が舞うような場所にいてそれから気を失ったと言っていた事から、何かしばらく使われてない建物の中にいたことが推測がついた。だから俺は使われてない建物をあたろうとここから南東程の位置にある、コーラル城に向かった。そしてそこを調べていく内に俺はある装置の前にたどり着いた・・・後で詳しくその装置を調べた時、それがフォミクリー装置だとわかった」
「!・・・フォミクリー装置・・・!?」
「?」
セカンの事から話題がどんどん進んでいく中でフォミクリー装置という言葉に珍しく感情を見せて驚くジェイドと、何の事か分からないセカン。
「そしてコーラル城を調べるにあたり、あまり公にはされていないがコーラル城である事件がセカンを見つけた時とほぼ同時に起きた事も俺は耳にした。それはさらわれた『ルーク・フォン・ファブレ』がコーラル城で見つかった、という物だ」
「!?ルーク、さんが・・・!?」
だがそのセカンの表情もルークがさらわれたという話を聞き、驚きに染まる。
「様々な推測を繋ぎ合わせ俺は仮定を立てていたが、その上で俺はセカンから送られて来た手紙でよりそれが正しいという物であると思い更にあのルークを見た事で推測を確信の物とした・・・ここまで話せばわかるだろう、俺の言いたい事が?」
「・・・はい」
言いたい事を言い終えたのだろう比古清十郎の問い掛けに、ジェイドは神妙に頷く。
「・・・あの、師匠。すいませんけど、色々ありすぎて私には何がなんだか・・・」
だが納得しているのはジェイドだけで、セカンは気まずそうに手を挙げ声を小さくわからないと告げる。
「・・・セカン、今からの話はお前にとっては避けられん話となる。ここで知らずにいたとしても、いずれはお前には降り懸かる問題だ。心して聞け」
「っ・・・はい」
すると先程からの不機嫌さはなりを潜めただ真剣にセカンを見据え、比古清十郎は言葉を強く投げ掛ける。セカンはその様子に息を呑み、覚悟を決めたように話を聞く事にする・・・比古清十郎を信頼しているが故にどれだけ重い事実だとしても、師匠の言葉が真実だから受け入れねばならぬと感じただけに。
「そうか・・・ならいいだろう。話を続けるぞ」
その覚悟を受け止め比古清十郎は一回首を軽く縦に振ると、話を続けていく。







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