時代と焔の守り手は龍の剣 第四話

「「「「!?」」」」
「えっ!?」
だが振り向いた先にあった光景は想像よりも、全員の度肝を抜く物だった。何故ならその声を出した存在のミュウがこちらに駆けて来るライガの頭に乗っているのだから。更に言うならライガの背に六神将のアリエッタまでもが乗っているのが、一同の驚きをより強くしていた。
「待ってくださいですの~~~!」
頭に乗るミュウは泣き声をあげながら近付いてくる。だが一同そのあまりにも異様な光景に、誰も動けず立ち尽くす。
・・・そして、ミュウとアリエッタを乗せたライガはセカン達の前に行き立ち止まる。
「よかったですの~、セカンさんに会えたですの~!」
「きゃっ、ミュウ!どうしてここに!?」
止まった瞬間ミュウは目に涙を溜めながらセカンの胸に飛び込み、驚きながらも抱いて受け止めたセカンはこの場に来た訳を問う。
「・・・アリエッタが連れて来た、です」
「・・・貴女が?」
だが質問に答えたのはミュウではなく、ライガから降りたアリエッタ。
「アリエッタ、この子に連れていかれてチーグルの森に行った、です。話を聞いたらママ達がチーグルの森から移るからって、それでチーグルの森に行ってママ達のお引越しを手伝ってたら、そのチーグルがアリエッタに貴女の所に連れていって欲しいって頼んできた、です」
「ママ?・・・もしかしてアリエッタ、貴女の母親はチーグルの森にいたライガなのですか?」
「はい、イオン様」
アリエッタの状況説明にイオンは反応しライガが母親なのかと問い、頷くアリエッタ。だが母親がライガと聞き、セカンは訳がわからなくなる。
「・・・どういうことなんですか、導師?」
「・・・彼女はライガに育てられていたんです」
「・・・マジかよ」
たまらずアリエッタの事を問うセカンの声にイオンは簡潔だがアリエッタの生い立ちの背景を理解させる一言で説明し、セカンもだがルークも絶句した様子になる。
「それでアリエッタ、そのチーグルを連れて来たのは、貴女に会うためでもある、です」
「・・・私に?」
そこからアリエッタはセカンに話を向け、どういうことかと首を傾げる。
「そのチーグルから話は聞いた、です。ママ達の食料を貴女が用意してくれた事に、ママ達の住家をチーグル達に探すようにしてくれた事にお礼を言いに来た、です」
「お礼って・・・私はそこまで言われるような事はしていないけど・・・」
「それでも、お礼をアリエッタは言いたかった、です・・・ありがとう」
アリエッタのモジモジとしながらの上目遣いの謝礼に、セカンは真実誰かに礼を言われる為にやったわけでないのでその視線に困ってしまう。ましてやライガの為、ではないからこそよりセカンは困った。
「ミュウ~・・・僕からもチーグルの皆を代表してセカンさんにお礼を言うですの。ありがとうですの~セカンさん!」
「ミュウ・・・」
だが更に腕の中のミュウから嬉しそうな笑顔で礼を言われ、純粋な笑みがセカンにこぼれる。
「・・・アリエッタ、もう戻るです。遅くなるとリグレット達に怒られます・・・ホントはイオン様を連れて行きたかったですけど、アリエッタ、セカンと戦いたくないです・・・」
その様子を見てアリエッタは表情を暗くし、ライガに搭乗する。
「また会う、です!イオン様、セカン!」
そこから明らかに空元気に近い声を上げライガを走らせ、セカン達の前からアリエッタは遠ざかる。
「・・・アリエッタ・・・」
その後ろ姿を見て、セカンは名残惜しそうにその名を呟く。
「・・・ちょっと、どういう事なの?今の話・・・ライガって何のこと?」
だが話を黙って聞いていたティアはのけ者が気に食わなかったのか、訳の説明を求めて来る。
「あっ・・・それは・・・」
「・・・そのことについては僕も関係しているので、僕が説明します」
セカンはその声で周りを見てちゃんと説明しようとするが、イオンが自身が関わっていた事もあるからとイオンが説明しだす・・・






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