時代と焔の守り手は龍の剣 第四話
・・・その後、宿に戻ったセカン。やはりティアはセカンを見て複雑そうに顔を歪めたが、何も言わず視線を逸らした。
だがそれ以外は特に二人のやり取りを皆は蒸し返す事もなく宿で一夜を過ごし、カイツールに行くためセントビナーを出立した。
・・・そしてセントビナーを出て、フーブラス河に差し掛かったセカン達。
「・・・そういえば聞きたい事があったんだが、セカン」
「はい、何ですか?」
そんな中ガイが唐突に位置を寄せ、声を小さくしてセカンに話し掛けてきた。
「セカンの父親ってカクノシン・ニーツだって聞いたんだけど、俺の記憶が正しいならカクノシン・ニーツの作品ってホド独特の作りだったと思うんだけど・・・ホド出身なのか、カクノシン・ニーツは?」
「あっ、それは確かそう言っていましたけど・・・どうしたんですか?」
「あっ、いやちょって屋敷でカクノシン作の陶器を見てそうじゃないかと思ってな・・・」
「・・・そうですか」
世間話、にしてはやけに何か慎重に探る言葉を搾るガイにセカンは若干腑に落ちない感情を覚える。
「・・・ただ今聞いて思ったんだが、セカンってホド出身じゃないのか?カクノシンの子ならそうだと思うんだが・・・」
「・・・いえ、私は師匠の本当の子供ではありませんのでそこまでは・・・」
「あっ・・・済まない、変なことを聞いて・・・」
更にセカンの出世を聞いてくるがセカンは申し訳なさそうに返すと、バツが悪そうになりガイは謝る。
「いえ、気にしないで下さい。でもどうしたんですか、いきなり師匠の事を聞いてくるなんて・・・」
「・・・いや、ホド出身の人間がいるとは思わなかったからさ・・・どうやって消えたホドから脱出したのかと思ってさ」
そんなガイに腑に落ちない物を感じたのもあり逆に質問をするセカンに、どこかガイは単なる好奇心とは思えないこだわりが見える声で答える。
「・・・師匠の話だとホドが消えるより大分前にホドを出て、今の場所に住んで陶器作りを始めたそうです。あまり人といる事を好まない人ですから、人目を避ける為にホドを出たんだと思います・・・それからしばらくして、師匠はホドの消滅を人づてに聞いたそうです」
「・・・そうか。済まなかったな、変なことを聞いてしまって」
「いえ」
その声にセカンは比古清十郎の話を聞いた時の事を思い出しながら話す。そこまで聞いてガイはようやく納得したように話を切り上げる。
(・・・ガイさんはホド関連で何かを隠してる、と思うな。世間話のように言ってたけど、中身はどちらかと言ったら探りを入れてる感じだったし・・・)
そこから会話が切れて歩き続けるセカンは考えをまとめていく、ガイに対する考察を。
(でもやっぱり、師匠の事を正直に言えないのはきついな・・・言ったら絶対どういうことだってなるけど、それを理解してもらうなんてまず無理だと思うし・・・)
だがその考察を深める反面、比古清十郎の事で嘘をガイに伝えた事を内心セカンは心苦しく思っていた。その内容を言ってしまえば批難されることもだが、信用されないだろうという相反する意見も出され、嘘をつく以外にそれを隠す事が出来ない事に・・・
・・・セカンが少し罪悪感を感じつつも一行は中腹を流れる河を越え、後は少し行けばフーブラス河を抜けるという所まで来た。
「ミュウゥゥゥゥゥゥ~ッ!」
「「「「!?」」」」
「えっ・・・この声って、まさか・・・!」
だがそんな一行の後ろからやけに甲高い声が届き、セカン以外の面々は何事かと反応しセカンは聞き覚えのあり過ぎる声にまさかと思い、ルーク達と共に後ろを振り向く。
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だがそれ以外は特に二人のやり取りを皆は蒸し返す事もなく宿で一夜を過ごし、カイツールに行くためセントビナーを出立した。
・・・そしてセントビナーを出て、フーブラス河に差し掛かったセカン達。
「・・・そういえば聞きたい事があったんだが、セカン」
「はい、何ですか?」
そんな中ガイが唐突に位置を寄せ、声を小さくしてセカンに話し掛けてきた。
「セカンの父親ってカクノシン・ニーツだって聞いたんだけど、俺の記憶が正しいならカクノシン・ニーツの作品ってホド独特の作りだったと思うんだけど・・・ホド出身なのか、カクノシン・ニーツは?」
「あっ、それは確かそう言っていましたけど・・・どうしたんですか?」
「あっ、いやちょって屋敷でカクノシン作の陶器を見てそうじゃないかと思ってな・・・」
「・・・そうですか」
世間話、にしてはやけに何か慎重に探る言葉を搾るガイにセカンは若干腑に落ちない感情を覚える。
「・・・ただ今聞いて思ったんだが、セカンってホド出身じゃないのか?カクノシンの子ならそうだと思うんだが・・・」
「・・・いえ、私は師匠の本当の子供ではありませんのでそこまでは・・・」
「あっ・・・済まない、変なことを聞いて・・・」
更にセカンの出世を聞いてくるがセカンは申し訳なさそうに返すと、バツが悪そうになりガイは謝る。
「いえ、気にしないで下さい。でもどうしたんですか、いきなり師匠の事を聞いてくるなんて・・・」
「・・・いや、ホド出身の人間がいるとは思わなかったからさ・・・どうやって消えたホドから脱出したのかと思ってさ」
そんなガイに腑に落ちない物を感じたのもあり逆に質問をするセカンに、どこかガイは単なる好奇心とは思えないこだわりが見える声で答える。
「・・・師匠の話だとホドが消えるより大分前にホドを出て、今の場所に住んで陶器作りを始めたそうです。あまり人といる事を好まない人ですから、人目を避ける為にホドを出たんだと思います・・・それからしばらくして、師匠はホドの消滅を人づてに聞いたそうです」
「・・・そうか。済まなかったな、変なことを聞いてしまって」
「いえ」
その声にセカンは比古清十郎の話を聞いた時の事を思い出しながら話す。そこまで聞いてガイはようやく納得したように話を切り上げる。
(・・・ガイさんはホド関連で何かを隠してる、と思うな。世間話のように言ってたけど、中身はどちらかと言ったら探りを入れてる感じだったし・・・)
そこから会話が切れて歩き続けるセカンは考えをまとめていく、ガイに対する考察を。
(でもやっぱり、師匠の事を正直に言えないのはきついな・・・言ったら絶対どういうことだってなるけど、それを理解してもらうなんてまず無理だと思うし・・・)
だがその考察を深める反面、比古清十郎の事で嘘をガイに伝えた事を内心セカンは心苦しく思っていた。その内容を言ってしまえば批難されることもだが、信用されないだろうという相反する意見も出され、嘘をつく以外にそれを隠す事が出来ない事に・・・
・・・セカンが少し罪悪感を感じつつも一行は中腹を流れる河を越え、後は少し行けばフーブラス河を抜けるという所まで来た。
「ミュウゥゥゥゥゥゥ~ッ!」
「「「「!?」」」」
「えっ・・・この声って、まさか・・・!」
だがそんな一行の後ろからやけに甲高い声が届き、セカン以外の面々は何事かと反応しセカンは聞き覚えのあり過ぎる声にまさかと思い、ルーク達と共に後ろを振り向く。
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