時代と焔の守り手は龍の剣 第四話
「・・・すみません、ガイさん。話の腰を折ってしまって・・・」
「え、あ、いや。別に、構わないけど・・・」
言いたいことは言い終わった。セカンはティアからガイに視線を向けて頭を下げると、どう対応しようかしどろもどろに言葉を濁らせガイは首を二人の間で行ったり来たりさせる。
「・・・すみません、私はしばらく外で時間を潰してきます。少しガイさんも私がいては話しにくいようですので・・・」
「あ、あぁ・・・」
そんなガイだけでなく周りを見渡してやけに静かな状況を見て、セカンは少しまずかったと気付いて立ち上がり退出を申し出る。ガイもハッキリと引き止める事が出来ず曖昧に返し、それを受けセカンは宿の外へと足を運ぶ・・・
「・・・はぁ」
セントビナーに悠然と佇みその姿を街のシンボルとするソイルの木の下、セカンは先程のやり取りに自分らしくなさを思い返し軽く自己嫌悪に陥りアンニュイに溜息を吐く。
「・・・ここにいたのか、セカン」
「あっ・・・ルークさん・・・」
そんなセカンの元にルークが現れ、セカンは複雑そうにルークを見つめる。対するルークもどこか複雑そうだ。
「ガイさんと話終わったんですか?」
「ん、あぁ・・・まぁな。色々話した結果、ガイも俺達と一緒に行く事になってな。それで飯まで時間あるから、ちょっとお前と話したいなって思ってさ・・・」
「私と・・・ですか?」
どう接していいものかと、複雑そうに会話を切り出すセカン。そんなルークは少し気恥ずかしそうに首筋を人差し指でかきながら話に来たと言い、なんなのかとセカンは眉を寄せる。
「なんか・・・ありがとな」
「えっ・・・?」
そして出て来たのは感謝の言葉。
「なんつーかその、セカンが言った事って俺がティアに言いたかった事だったんだよな。俺あんまうまく言えなくてさ・・・それでちょっとイライラしてたんだよな、ずっと」
「あぁ・・・」
言葉がスラスラ出て来ないながらも素直なルークの言葉を聞き、セカンはやっぱりそうだったんだと納得の声を上げる。
「それでセカンが俺だけじゃなくガイや屋敷の人達って、迷惑をかけた人達全員の分ティアに言ってくれただろ。なんかそれでセカンのその、思いやりっつーもん感じてちょっと嬉しくなったからさ・・・それを言いたかったんだよ」
「・・・っ・・・」
そして少し頬を赤く染めセカンから視線を逸らすルークに、それ程でもないと言おうとした言葉をセカンは飲み込む。
「・・・まぁとにかく!言いたかった事はそれだけだ!じゃ早く宿屋に戻って来いよ!」
そして恥ずかしさが段々と増してきて我慢がきかなかったのか、ルークは口早に後での合流を告げると走ってその場から去っていってしまう。
(・・・なんだろう、この胸が暖かくなる感じ・・・さっきまでの気持ちが嘘みたい・・・)
その後ろ姿を見ながらセカンは胸元に手を置き、柔らかい笑みを自然に浮かべる。自身と同じ事を考えてくれ、いっそ微笑ましい程に未熟な言葉で感謝を示す態度に先程までの複雑さが消え去った事を自覚しながら・・・
「くっそ、俺なんで逃げたように走り出したんだよ・・・」
・・・反対に、ルークは適当な物影に身を隠してセカンの前から走り出したことを後悔するよう独り言を呟いていた。その顔から赤さが抜け切れていないと知らず知らずの内に・・・
.
「え、あ、いや。別に、構わないけど・・・」
言いたいことは言い終わった。セカンはティアからガイに視線を向けて頭を下げると、どう対応しようかしどろもどろに言葉を濁らせガイは首を二人の間で行ったり来たりさせる。
「・・・すみません、私はしばらく外で時間を潰してきます。少しガイさんも私がいては話しにくいようですので・・・」
「あ、あぁ・・・」
そんなガイだけでなく周りを見渡してやけに静かな状況を見て、セカンは少しまずかったと気付いて立ち上がり退出を申し出る。ガイもハッキリと引き止める事が出来ず曖昧に返し、それを受けセカンは宿の外へと足を運ぶ・・・
「・・・はぁ」
セントビナーに悠然と佇みその姿を街のシンボルとするソイルの木の下、セカンは先程のやり取りに自分らしくなさを思い返し軽く自己嫌悪に陥りアンニュイに溜息を吐く。
「・・・ここにいたのか、セカン」
「あっ・・・ルークさん・・・」
そんなセカンの元にルークが現れ、セカンは複雑そうにルークを見つめる。対するルークもどこか複雑そうだ。
「ガイさんと話終わったんですか?」
「ん、あぁ・・・まぁな。色々話した結果、ガイも俺達と一緒に行く事になってな。それで飯まで時間あるから、ちょっとお前と話したいなって思ってさ・・・」
「私と・・・ですか?」
どう接していいものかと、複雑そうに会話を切り出すセカン。そんなルークは少し気恥ずかしそうに首筋を人差し指でかきながら話に来たと言い、なんなのかとセカンは眉を寄せる。
「なんか・・・ありがとな」
「えっ・・・?」
そして出て来たのは感謝の言葉。
「なんつーかその、セカンが言った事って俺がティアに言いたかった事だったんだよな。俺あんまうまく言えなくてさ・・・それでちょっとイライラしてたんだよな、ずっと」
「あぁ・・・」
言葉がスラスラ出て来ないながらも素直なルークの言葉を聞き、セカンはやっぱりそうだったんだと納得の声を上げる。
「それでセカンが俺だけじゃなくガイや屋敷の人達って、迷惑をかけた人達全員の分ティアに言ってくれただろ。なんかそれでセカンのその、思いやりっつーもん感じてちょっと嬉しくなったからさ・・・それを言いたかったんだよ」
「・・・っ・・・」
そして少し頬を赤く染めセカンから視線を逸らすルークに、それ程でもないと言おうとした言葉をセカンは飲み込む。
「・・・まぁとにかく!言いたかった事はそれだけだ!じゃ早く宿屋に戻って来いよ!」
そして恥ずかしさが段々と増してきて我慢がきかなかったのか、ルークは口早に後での合流を告げると走ってその場から去っていってしまう。
(・・・なんだろう、この胸が暖かくなる感じ・・・さっきまでの気持ちが嘘みたい・・・)
その後ろ姿を見ながらセカンは胸元に手を置き、柔らかい笑みを自然に浮かべる。自身と同じ事を考えてくれ、いっそ微笑ましい程に未熟な言葉で感謝を示す態度に先程までの複雑さが消え去った事を自覚しながら・・・
「くっそ、俺なんで逃げたように走り出したんだよ・・・」
・・・反対に、ルークは適当な物影に身を隠してセカンの前から走り出したことを後悔するよう独り言を呟いていた。その顔から赤さが抜け切れていないと知らず知らずの内に・・・
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