時代と焔の守り手は龍の剣 第四話

「えっ?」
「あっ、ルーク!良かった、お前ここにいたんだな!」
知り合いを見つけたらしいルークの声にガイと呼ばれた男性は嬉しそうに頬を緩ませる。
「・・・あのルークさん、お知り合いですか?」
だが本来それはいいことであるはずなのにセカンは微妙な物を感じ、どういう関係かをルークに向けて問う。
「ああ、ガイは俺ん家の使用人なんだ」
「!?・・・ルーク、このお前によく似た人は誰なんだ?」
ルークは使用人だと至って普通に答える。だがルークと明らかに似たセカンを見てガイは目を見開き、ルークにどう言った関係なのかを問う。
「・・・私の事は後で言いますのでとりあえず、ジェイドさん達も交えてお話をした方がよくないですか?見たところ使用人さんはルークさんと関係がありますし今夜の宿の事を話すのと、どうしてこちらにいらしたのかの経緯も聞きたいので・・・」
「ガイでいいよ。でもまぁ宿に関して是非とも俺もここに泊まりたいから、話は通しておきたいな」
「ならジェイド達のとこに行くか」
そんなガイにあえて即答はせずセカンはガイの宿と実質ルークが何故マルクトにいるのかの理由を探る為にジェイド達と話すべきだと言い、二人も同意するとルークが先頭に中のジェイド達の元に行く。






・・・それからガイを相部屋にすることをジェイド達から許可を取ると、ガイはセカン達に自己紹介を始める。
「さて、改めて自己紹介をさせてもらうが俺はガイ。ルークの家で使用人をやらせてもらっている」
注目を集めている中自信に満ち溢れたよう、使用人だと言い切るガイに一人密かにセカンは眉を歪める。
(なんだろう、貴族の屋敷の使用人ってこんな主の息子を呼び捨てで気安く呼んでいいものなのかな・・・?)
貴族の生活を見たこともないセカンはあくまでその生活を想像するしか出来ないが、それでも親しくしていて屋敷の中では敬語がないのではと伺える様子があるとは言え、こんな外の周りの目がある状況で寸分の迷いもなく呼び捨てはいかがかと感じていた。
「・・・あの、ガイさんはどうしてこちらに?それに今更ですけど私どうしてルークさんがこのマルクトにティアさんとたった二人で来たのか、詳しい理由を知らないんですが・・・どうしてこちらに二人はいるんですか?」
「・・・!」
だが貴族の使用人の躾方を併せて関係を詳しく問いたいところだが、セカンにはまだ気になる事があった。それがルークが明らかに主従関係とは見える訳がないティアと、このマルクトにいる訳。
先にガイにそれを聞こうとその経緯を有無を言わせない力を込めて問い、何故かティアは少し顔を引き攣らせる。その問いにガイはそのティアを見て、少し気まずげになる。
「・・・まぁちょっと長くなるんだがな」
しかし今更流れからセカンの前で口をつぐむのもティアの為だけに中途半端に都合のいいとこだけ話すのもと思ったのか、ガイはゆっくりと話し出す。ルークがここに来た訳を・・・






・・・ガイの話を要約するとこうだ。屋敷にいたルークは時折来るダアトのヴァン謡将の剣術訓練を受けていて、いつものように剣術訓練を受けていた。しかしそんな時ティアがヴァン謡将を襲う為、譜歌を用い屋敷に侵入して来たとのこと。それでヴァン謡将を襲うティアに対し、ルークはヴァン謡将を庇おうとティアの杖を受け止めたとのこと。その時偶然二人の間で発生した疑似超振動が発生し、マルクト領に二人が飛んで行った・・・とのことだった。
(・・・何、それ?)
「・・・」
事実を初めて聞いたセカンはただ呆然とし、ルークがここに来た原因のティアをチラリと見る。だがティアはその時の話をされたくなかったようで、眉間にシワを寄せ目を閉じガイから首を背けている。今にも溜息が吐かれかねない様子に、セカンはティアに対し本気でその神経を疑った。











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