禁忌とされた封印された過去との対峙
「まぁいいわ。こうして封印を解いたと言うことは私に会いに来たと言うことなのだから」
「会いに来た、は少々語弊がありますね・・・貴女を見定め、そして事と次第によっての決別を告げに来たのですよ。我々は」
「見定めに決別・・・面白い事を言うのね、ジェイド。貴方が望んで作ったのが私だと言うのに」
「・・・その事を後悔し、目を反らし続けた私が言うような事ではないのは重々承知していますよ」
そんな比古清十郎を横にネビリムは喜びを告げるが、厳めしい表情で意志を返すジェイドにおかしそうに返す。ジェイドは後悔こそ滲ませるが、まっすぐとネビリムを見据える。
「ですが今の貴女に向き合うことが私やサフィールにとって必要な事、そう思ったから私はここにいるのです。過去と向き合う事が必要と思い」
「向き合ってどうするというのかしら?失敗作の私を殺すの、ジェイド?」
「ちょっ、ちょっとジェイド・・・!」
「ディスト、貴方は黙っていなさい・・・もし貴女が過去にマルクトの師団を壊滅させたよう、今も尚意味もなくそうすると言うのなら」
「・・・っ!」
更に力を込めて向き合うと言ったジェイドにネビリムは確認を取りディストが焦りを見せるが、その声を黙らせ眼鏡を押さえながら戦いを始めんばかりに緊迫感を持った目をジェイドは向け、ディストはたまらず喉を鳴らした。下手に何かを言えば自身が痛い目に合う、そう錯覚させられる力があったために。
「・・・満たされないのよ」
「・・・満たされない?」
対してネビリムは笑みを浮かべたまま返すが、その声には例えるなら無邪気な殺意とでも言うべきか・・・それがこもっていると感じ取り、ジェイドはおうむ返しで問い返す。
「正確に言えば満たされなかった、と言うべきかしら。あの時は・・・体が叫んでたの、暴れたいって」
「っ・・・!」
「私の体を構成している音素のせいかしら?その時は止めようなんて気も止めたいなんて考えも起きなかった、モノを壊したいという気持ちを・・・でも今は違うわ」
「ち、違う!?で、では今はそのような気持ちにならないのですね!?」
「えぇ、サフィール」
「今はこの武器のおかげで足りない音素が体内に満ちたから、純粋にモノを壊したいという気持ちでいっぱいよ」
「!?」
・・・通常の状態でその満ち足りた笑みを見たなら男女関係無く見惚れるような笑みだが、純粋過ぎる故の想いに満ちた凶笑であった。
ネビリムの言葉にジェイドが苦い顔になりかける中ディストが希望を見つけたよう食い付くが、その笑みと返答に驚き愕然とした。変わってない、いや状況がより悪くなったと取れるネビリムの本音に。
「・・・では貴女はこれよりもし生きていくにしても、モノを壊すことなく人を殺すことなく生きるのは無理だとおっしゃるのですね?」
「えぇ、無理でしょうね。封印を解いてくれたお礼に特別に今は貴方達を殺さないでおこうとは思っても、遅いか早いか・・・その程度の違いにしか過ぎないわ」
「っ・・・そ、そんな・・・!」
「諦めろ、これが現実だ」
「あっ・・・」
危険きわまりないその本音にジェイドが最後の確認を取るよう声をかければ、ネビリムの返答はいずれジェイドもディストもと差別しない事を示すもの。ディストは表情を真っ青にして手を伸ばそうとするが、比古清十郎がその手を掴み体ごと後ろに追いやりながら自身は刀を抜きつつ前に出る。
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「会いに来た、は少々語弊がありますね・・・貴女を見定め、そして事と次第によっての決別を告げに来たのですよ。我々は」
「見定めに決別・・・面白い事を言うのね、ジェイド。貴方が望んで作ったのが私だと言うのに」
「・・・その事を後悔し、目を反らし続けた私が言うような事ではないのは重々承知していますよ」
そんな比古清十郎を横にネビリムは喜びを告げるが、厳めしい表情で意志を返すジェイドにおかしそうに返す。ジェイドは後悔こそ滲ませるが、まっすぐとネビリムを見据える。
「ですが今の貴女に向き合うことが私やサフィールにとって必要な事、そう思ったから私はここにいるのです。過去と向き合う事が必要と思い」
「向き合ってどうするというのかしら?失敗作の私を殺すの、ジェイド?」
「ちょっ、ちょっとジェイド・・・!」
「ディスト、貴方は黙っていなさい・・・もし貴女が過去にマルクトの師団を壊滅させたよう、今も尚意味もなくそうすると言うのなら」
「・・・っ!」
更に力を込めて向き合うと言ったジェイドにネビリムは確認を取りディストが焦りを見せるが、その声を黙らせ眼鏡を押さえながら戦いを始めんばかりに緊迫感を持った目をジェイドは向け、ディストはたまらず喉を鳴らした。下手に何かを言えば自身が痛い目に合う、そう錯覚させられる力があったために。
「・・・満たされないのよ」
「・・・満たされない?」
対してネビリムは笑みを浮かべたまま返すが、その声には例えるなら無邪気な殺意とでも言うべきか・・・それがこもっていると感じ取り、ジェイドはおうむ返しで問い返す。
「正確に言えば満たされなかった、と言うべきかしら。あの時は・・・体が叫んでたの、暴れたいって」
「っ・・・!」
「私の体を構成している音素のせいかしら?その時は止めようなんて気も止めたいなんて考えも起きなかった、モノを壊したいという気持ちを・・・でも今は違うわ」
「ち、違う!?で、では今はそのような気持ちにならないのですね!?」
「えぇ、サフィール」
「今はこの武器のおかげで足りない音素が体内に満ちたから、純粋にモノを壊したいという気持ちでいっぱいよ」
「!?」
・・・通常の状態でその満ち足りた笑みを見たなら男女関係無く見惚れるような笑みだが、純粋過ぎる故の想いに満ちた凶笑であった。
ネビリムの言葉にジェイドが苦い顔になりかける中ディストが希望を見つけたよう食い付くが、その笑みと返答に驚き愕然とした。変わってない、いや状況がより悪くなったと取れるネビリムの本音に。
「・・・では貴女はこれよりもし生きていくにしても、モノを壊すことなく人を殺すことなく生きるのは無理だとおっしゃるのですね?」
「えぇ、無理でしょうね。封印を解いてくれたお礼に特別に今は貴方達を殺さないでおこうとは思っても、遅いか早いか・・・その程度の違いにしか過ぎないわ」
「っ・・・そ、そんな・・・!」
「諦めろ、これが現実だ」
「あっ・・・」
危険きわまりないその本音にジェイドが最後の確認を取るよう声をかければ、ネビリムの返答はいずれジェイドもディストもと差別しない事を示すもの。ディストは表情を真っ青にして手を伸ばそうとするが、比古清十郎がその手を掴み体ごと後ろに追いやりながら自身は刀を抜きつつ前に出る。
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