禁忌とされた封印された過去との対峙

・・・そんなやり取りを終えた後、アルビオールはダアトに辿り着いた。それでディストの持つ触媒を得た後ダアトに元々ある触媒を多少時間はかかったが探し、これで全部の触媒を比古清十郎達は獲得した。

それで比古清十郎達は一路ロニール雪山のあるシルバーナ大陸へとアルビオールに向かう・・・






「・・・アルビオールではレプリカのネビリムの封印されている場所へと辿り着けんだと?」
「えぇ、おそらく。その場所は地形の関係もあって上空の空気の流れが早くて風が絶え間なく強く吹き、空からの封印された場所の侵入は機体が持たないでしょう。それで行くならかつてマルクト軍が使用したという秘密の陸路を使うのが妥当かと思われますが、同時にそこ以外に封印された場所には向かえないと思われます」
「となれば防寒具は必要になるか・・・」
・・・それでロニール雪山に向かうアルビオールの中の比古清十郎達だが、ディストから直接その場に向かうことの危険性を告げられ比古清十郎は厳めしく眉を寄せる。
「やむを得んな、その陸路を行く前にケテルブルクに寄り準備を整えるぞ。前のセフィロトまでの距離が近かったロニール雪山ならともかく、更に奥地にまで足を伸ばして退却もままならない状況で凍死など馬鹿らしくてかなわんからな」
「そうですね、わかりました」
それで流石に面倒ではあっても凍死など避けたいとケテルブルクでの準備をすると言えば、ジェイドもその発案に頷く。












・・・そんな決定の後、しばらくしてアルビオールはシルバーナ大陸へと辿り着いた。ただ雪原と言うことでまともにアルビオールを停めれる地形がなく前のセフィロトに来たようにケテルブルク近くの雪がたまっていない土地につけたが、その有り様に比古清十郎達は改めてどちらにしろ空路では無理だったのだと理解しながらケテルブルクへとノエルを残し向かった。






「・・・さて、ここまで来たわけだが今日は準備の時間を取るのもだが万全に体調を整える為にもここに留まるぞ。雪山に登るのには体力がいるからな」
「そうですね、わかりました。ディスト、貴方は特に体調には気を遣ってください。浮遊椅子がない今、貴方にも長時間歩いていただかなくてはいけませんから出来る限り体力は使ってほしくはありません」
「えぇ、わかりました」
それで三人はケテルブルクの入口に入った訳だが、比古清十郎から今日はここで休むと言われ二人もすんなりと受け入れる。
「では明日宿から出たらここに来い、それまでは俺は勝手にやるから気にするな」
「えぇ、では」
言いたいことも言い終わり比古清十郎はさっさと街中へと消えていく。
「ディスト、貴方は私達の分の宿を取って先に休んでおいてください。私は準備をしてきます」
「えぇ、それは構いませんが・・・少しネフリーに会ってきてもいいですか?久しぶりにケテルブルクに来たのですから、彼女の顔を見たくなりました」
「ネフリーに・・・」
二人残った事でジェイドはディストに指示を出すと了承と共にネフリーに会いたいと出てきた事に、少し考え込む様子を見せる。
「・・・まぁいいでしょう。しかしこれは約束してください、我々が何のためにこのケテルブルクに来たのかと言うのは黙っておく事を」
「・・・それは何故、ですか?」
少しして条件付きと真剣に返すが、ディストは再度何故と問い掛けてくる。
「彼女の立場と心を考えての事です。今彼女はこの街の代表と呼べる立場にいますが、対して我々はピオニー陛下の許可をいただいたとは言え公の立場としては動いていません。そんな状況であるのに変に彼女を巻き込んでは迷惑になるでしょう・・・そしてもっと言うなら彼女にそれらの事を言って下手に淡い希望を持たせて駄目だった場合、彼女をぬか喜びさせてしまうだけです。そのような事態、私は望んでいません」
「!・・・わかりました、あくまでここには帰郷したくらいにとどめておきます」
そんな声にジェイドは公人と私人、特に私人としての面を強く覗かせるよう首をゆっくり横に振ってネフリーの為と返す。その答えにディストは失念していたとハッとして、その要望に了承だと確かに頷いた。







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