禁忌とされた封印された過去との対峙

「いいから言え、この魔剣・・・いや、惑星譜術の触媒など何のために使う気でいる?」
「ひっ!わ、わかりました・・・言いますからその心臓に悪い殺気を収めてください・・・私がその触媒を必要とする理由は、かつて造られた私達の恩師であるネビリム先生のレプリカの封印を解きたいからなんです」
「「!」」
しかしさっさとしろと露骨に殺気混じりに言われてディストは怯えつつもその狙いを改めて口にし、ジェイドとピオニーの二人の表情を驚愕に変えさせた。ネビリムのレプリカという言葉に。
「ネビリムのレプリカ、それに封印・・・あまりいい予感のせん言葉が揃ったな」
「・・・その通りですよ、カクノシン氏。長く説明はせず簡単に言いますが、そのネビリム先生のレプリカと言うのは私達が初めて造った命あるレプリカであり、最悪の・・・失敗作です・・・ですがディスト、何故今そのような物をというのもですがどこに今あれはいるんですか・・・?」
「それは俺も聞かなきゃならんな。そんな存在の事をどこで聞いた・・・?」
「・・・保険にと思って調べておいたんですよ。もしネビリム先生のレプリカを万が一作れないような事態になったなら、あの時のレプリカをと思い・・・」
比古清十郎が微妙に眉をしかめる中でジェイドはその言葉を苦く肯定しつつもディストに何故と聞き、ピオニーも厳しい表情を向ける中話を始める。
「・・・そしてその結果そのネビリム先生のレプリカはマクガヴァン元帥の指揮の元捕らえられ、ロニール雪山に惑星譜術の触媒を持って封印されたということがわかりました。それで惑星譜術の触媒が世界の各地に散らばらされたと言うことも・・・」
「成程、それで前に魔剣ネビリムを見た時に動揺したわけか。何故俺達の手元にあるのかと」
「はい、まさか貴方が持っていると思っていませんでしたからそれ、で・・・どうにか、私の手元に置けないものかと・・・」
「フン、随分と甘く見られた物だな。あのような下手くそな芝居で俺を騙そうなどとは・・・だがこれで一つ明らかになったことがある。お前も惑星譜術の触媒の在処を全て知っているようだな」
「・・・っ!」
「・・・何故それがわかったんですか?」
それでネビリムのレプリカの末路及び触媒の行方に自身のついて語ったディストだが比古清十郎の指摘にビクッと体を震わせ、どういうことかとジェイドが問い掛ける。
「簡単な事だ。惑星譜術についての文献はダアトにあり、その中には惑星譜術の在処を指し示す手掛かりの言葉も書かれていた・・・それだけのことだ」
「・・・何故前にその事を言ってくださらなかったのですか?」
「何、それも簡単な事だ。みだりに情報をホイホイ明かして誰かに聞かれでもすれば、妙なことを考えかねん輩にとって絶大に武器になりかねんと思ってな。それであえて何も言わずにいたわけだが・・・まさかこのようなことになるとまでは俺も思ってはいなかったが、この様子ではまだ聞かねばならんことは残っているようだな」
「・・・っ!」
「・・・えぇ、私もそう思っていた所ですよ」
「あぁ、俺もそう思った」
比古清十郎は質問に悪びれもせず用心の為黙っていたと言いつつディストにまだ聞くことはあると視線を向けると、明らかにビクッと反応するその姿にジェイドもピオニーも納得して声を上げる。







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