禁忌とされた封印された過去との対峙

・・・プラネットストームの停止、預言を詠む事の廃止。こうする事が世界に決定したと伝わり、事実そうなってから数年・・・人々は様々な事柄と向き合いながらも、その時を過ごすようになっていった。

しかしほとんどの人々は知らない、そうなるに到った過程がいかに複雑であったかの真実を。そして更にその中でも本筋には関与のない、一つの存在との対峙があったことはなおのこと誰も知らなかった・・・















「・・・ジェイド、いるか?」
「おや、ルークにセカン。二人揃ってどうしたのですか?」
・・・時はルーク達がシェリダンに来て事故をしたアルビオールから浮遊機関とギンジを救いだした後日に戻る。宿の一室にて一人でいたジェイドの元に、ルークとセカンの二人が入室してきた。
「ジェイドさん、この前にメジオラ高原で私達が大きな恐竜のような魔物と戦ったと話したことは覚えていますか?」
「えぇ、覚えていますが?」
「その時その魔物からこの剣が落ちたんですが・・・これ、ただの剣だと思いますか?」
「・・・ふむ、これは・・・」
ルークから流れをセカンが受け取り話をしながらも件の剣を取り出すと、ジェイドは剣にしては禍々しい形状と空気を滲ませる剣を受け取り興味深そうに観察する。
「・・・お察しの通り、これはただの剣ではありませんね。何やら特殊な音素が込められているように感じます」
「やはり・・・そうですか」
「やはりということは、貴女もそう感じていたんですね?」
「えぇ・・・もう一度その特徴を述べるとその魔物は数多の武器を体に刺したまま動いていました。普通そのような状態なら例え武器を抜いたとて、その武器は血に錆びてまともに使えるとも思えません。ですがその武器はパッと見て切れ味が損なわれたような様子もないのに加えて見た目に反して切れ味がほぼないに等しいので、もしかしたらと思ったのですが・・・」
「成程・・・」
そして鑑定の結果特殊な音素を感じられると視線を向けて言われ予感はしてたと推測つきでセカンから返され、ジェイドは納得して頷く。
「なぁジェイド、それって持ってて大丈夫なものなのか?なんかセカンはもしかして妖刀じゃないのかって思ったらしいんだけど・・・」
「妖刀、ですか・・・いえ、それはないでしょう。この剣には音素以外に込められた物はないと思いますから、まず心配ないかと。ただこの剣がどのような物かを調べたいと思いますので、私にお預けいただいていいですか?お二人とも」
「・・・俺はいいけど・・・」
「はい、私も構いませんが・・・」
「ありがとうございます、ではお預かりします」
そこにルークが不安げに妖刀の可能性を聞いてきたので大丈夫だろうと言いつつも、ジェイドは剣を預かりたいと二人に切り出す。それで二人ともに了承を返したことで、ジェイドは礼を言いつつその剣をしまいこむ。
(・・・ルークの心配を受けてというわけではありませんが、正直あまりいい予感がしませんね。この剣には・・・後でカクノシンさんにもこの剣に関して聞いてみますか・・・)
ただ内心でジェイドはその剣に対して不安を覚えてもいた、決してそれを表に出さないようにしながら・・・












・・・そして数日後、シェリダンに到着した比古清十郎にジェイドは二人でその剣について話をしていた。







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