時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

「そっか、よかった・・・」
対するルークはそんな返答に心からホッとしたようで、肩を落とし笑みをこぼす。
「クスッ、大袈裟ですよルークさん」
「いや、大袈裟とかじゃねーって・・・まぁとにかくさ、どうするかって決めたら俺に知らせてくれよ。俺としちゃお前がどういう事を決めたのかってのは気になるからさ、手紙でもなんでもいいから。それにキムラスカに来てくれるって言うんなら尚更歓迎したいし」
「えぇ、わかりました。その時は是非よろしくお願いします」
そんな姿に軽く笑みを浮かべるセカンにルークは念を押すようこれからの事をそのままの笑顔で口にし、セカンもまたそのままの笑みで頭を下げる。















・・・それでその後は時間も遅いということとセカンの悩みも解決したことで宮殿に戻った二人だが、待っていた物は比古清十郎の驚異であった。

二人が戻ってきてセカンの顔が晴れやかになっていることを確認した比古清十郎は迷いが晴れたのかと何気無く聞いたが、その答えを聞いた瞬間一気に部屋は殺気に満ち満ちた空間へと早変わりした。主にその殺気はセカンにではなくルークに対して向けられた物である。

そんな殺伐とした空気にルークはただ恐怖をする以外になかったのだが、ここでセカンが果敢にもそう決めた自分にも責があると言ったことでなんとか事なきを得た。その言い方は比古清十郎が考えてた事を踏襲していた為に、変に反論するのも妙な事になると思ったことで。

・・・それで場は一応、本当に一応収まりを見せたわけだがその際に比古清十郎はルークに言ったのだ。「セカンに自分の所に来いと言ったんだ・・・もしセカンがそうすると決めたなら、勿論覚悟は出来ているんだろうな?俺の試験を受ける覚悟は」と・・・これは否定と思わしき言葉を言おうとした瞬間、即座に自分が斬って捨てられる映像が浮かんだ為ルークは一瞬でガクガクと何度も首を振って頷いた。生存本能に反射的に従う形で・・・












・・・それで少しして比古清十郎達が自分の住む小屋に帰りキムラスカに戻る時にルーク達はその小屋を訪れたのだが、その時はルークの成人までは比古清十郎の手伝いでここにいると決めたとセカンから聞かされ残念さが半分と安心が半分と言った気持ちをルークは覚えた。決めてくれたんじゃないのかという気持ちと、比古清十郎と相対しなくてもいいという気持ちに挟まれる形で(だからこそその時殺気が比較的抑えられていたのだと、後で事情を聞いて冷や汗をかいていたジェイドはルークに説明した。そしてルークは何故先に事情を説明してくれなかったのかと疲れた様子で言われた・・・やはりジェイドにとっても相当に比古清十郎の怒りは心臓に悪かったらしかった)。

ただそれもルークが成人を迎えて成人の儀をした上で決意をしたとセカンが言った・・・それが故にルークは決定したのだ、比古清十郎の試験を受ける事が。






‘ツ~~~’
「「「「・・・っ!」」」」
・・・3年前からの約束(一方的かつ、脅迫に恐怖を用いて以外の何物でもないが)、それが果たされる時が来た。ルークの姿に早速と言わんばかりに刀を抜く比古清十郎に、一同の表情が固く強ばる。
「・・・少々お待ちください、カクノシン殿。一体どのようにルーク様を試されるつもりでしょうか・・・?」
「フッ、安心しろ。流石に俺も実力差が明らかな者相手に俺を倒せなどという無理難題を出すつもりはない。これから俺がやるのは度胸試しだ・・・それに失敗すれば死ぬだろうがな」
「「「「・・・っ!」」」」
それでも一応止めなければと思ったのだろう。フリングスが何をといざというとき死を覚悟してでも止めると気迫を持って問えば、比古清十郎が全く笑ってない一笑と共に度胸試しと言うが周りはその答えに息を呑んだ・・・譲歩はしたんだから譲るつもりはない、死んでも知ったものかと誰も止めることは許さんとばかりの本気の声に。








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