時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

「・・・あー、くそっ・・・何言ってんだ、俺・・・いや、まぁ・・・何も間違っちゃいないんだけど、なんでこんなはずいんだよ・・・!」
だが途端に一人いきなり頭を掻き出したルークは弱く自分の言葉に羞恥心を感じてる事を漏らす。
「・・・ルークさん、それってどういう意味で・・・?」
「あ・・・なんつーか、その、さ・・・そう、そのまんまだよ!そんなに今後のことで迷うくらいなら俺のとこに来いって言ってるだけだって!そうしてくれた方が俺も嬉しいしさ!」
「えっ・・・嬉しいって・・・!?」
「あっ!?い、いや・・・それは、その・・・!」
そんな独り言に気をかけれずただその真意を動揺しながら問うセカン。だがルークが誤魔化そうとしながらも出てきた嬉しいとの単語にセカンは頬を赤く染めて反応し、ルークは失敗したとセカン以上に顔を赤くしながら口ごもる。
「・・・あーっ、もう!この際だから言うよ!俺はこれからもお前に会いたいんだよ、キムラスカに戻ってからもな!」
「!!・・・それは・・・本当の気持ちで言ってるんですか・・・!」
しかしとうとう観念して自分の本心を明かしたルークに、セカンはたまらず口を抑える・・・今度ははっきり告白と取れるルークなりの幼さが滲んだ、その言い回しに。
「・・・あぁ、だから言ってるじゃねーか・・・けど今のお前にそんな選択とか無理強いさせたくもなかったし、言い方考えてたら妙に意識しちまってさ・・・ついあんな風になっちまった・・・」
「ルークさん・・・」
「・・・でもさ、無理強い出来ねぇって思ってんのは本当なんだ。だからさ・・・今度はこうした方がいいって勧めるんじゃなくて、俺からの頼みになるんだけど・・・しばらくカクノシンの所でこれからのことについて、本当に色々と考えて欲しいんだ。それで俺の所に来てくれるっつーんなら、すげぇ俺は嬉しい・・・ただそれで俺の所に来ないって決めたんなら、それでいい。俺はお前に無理をしてほしくもないし、生き急いで欲しくもないからな・・・」
「え・・・生き急いでって、どういう意味ですか・・・?」
それでルークも本音を言ってしまったことで多少なりに落ち着き言葉を紡ぐが、最大限に気を遣った上で出た生き急ぐという言葉にセカンは恥ずかしさを忘れ首を傾げる。
「・・・前話した時お前が預言を詠むのを止めさせる事には自分の命も惜しまないみたいな事言ってたからな・・・だからこれからはお前にそんなに思い詰めて欲しくないんだよ、俺・・・」
「・・・っ!」
だがそう言った訳を聞いたセカンはたまらず息を呑んだ、前にユリアシティから戻る時に言った事を覚えていてルークがそう感じて苦々しく思っているのだということに。
「・・・セカン、俺はお前にこれからの時代を生きて見て欲しいんだ。だからさ、カクノシンに甘える形でしばらく自分がどうしたいかを考えてくれ。お前自身が後悔しない為にも・・・だから頼む、セカン」
「ルークさん・・・」
それでルークは更に言葉を続け最後には頭を下げ、セカンもその姿に悲し気な声を漏らす。
(・・・私はこんなにもルークさんを心配させてたんだな・・・私はルークさんを守ってた筈なのに、いつの間にかこんなに私や他の人の事を想って・・・)
同時にその心中では自身の行動の反省と共に、ルークの確かな成長を感じていた。
(・・・ルークさんは私の事を想ってくれた、その事はすごく嬉しかった・・・ならば私がやれることは・・・!)
「・・・わかりました、ルークさん。私もまだ未熟だったようです。ですから師匠の元でしばらく色々と考えてみようと思います」
「本当か、セカン!?」
「はい、そうしたい・・・そうするべきだと私は思いましたから」
・・・それらを受けたからこそ出す結論は、ルークの頼みを聞き入れる事。異を決してそうすると言ったセカンに、ルークも喜色を浮かべて頭を上げ確認を取ってくる。その姿にセカンに迷いはなく晴れやかな表情で頷いた、思い詰めるような事はしないと示すように。










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