時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

「確かに俺はお前よっか弱いから頼りがいがないかもしれない・・・それは否定出来ねぇ。けど俺でもお前の為に何か出来るはずだ・・・何があったか言ってくれないか?」
「ルークさん・・・ありがとうございます、気を遣っていただいて。でもこれは私自身の問題だから、それは・・・」
「いや、なんだよ・・・それじゃあ・・・!」
「え・・・っ!?」
そして弱さを認めつつ何があったのかと聞かれるセカンだが自分の事だからと首を横に向けかけるが、ルークから身を切るような痛みに耐える声が聞こえてきた事に視線を再び戻す・・・そこには苦しみに顔を歪めるルークがいた。
「俺は今までお前達に助けられてきた、このグランコクマじゃ直接命を狙われたのを助けてもらいまでした・・・だから俺も出来ればお前達の為に何かしたいんだ、俺は・・・!」
「・・・っ!」
更に続けて悲痛の叫びとも取れるような本心の吐露と共に自身をどこまでもまっすぐ見つめるルークの目に、セカンはビクッと反射的に身を震わせる。心なしか顔には赤みが浮かんでいる。
「・・・なぁ、俺に何を思ってるのか・・・せめて言うだけ言ってくれないか?何か言うだけでも気が楽になるかもしれないし、何も出来ないんなら誰にも言わないようにする。だから・・・」
「・・・わかりました、言います」
「っ!・・・セカン・・・」
またそこから懇願の声を向けられセカンも観念したという様子で話すと言い、ルークは顔を明るくする。












・・・それでセカンは自分の中にある悩みに迷いをルークに吐露していった。飛天御剣流がもうお役御免となる以上の自分のこれからの悩みを・・・



「・・・という訳なんです。今まで師匠とずっと一緒にいたから、私はこれからどうしていいかわからなくてそれで・・・」
「・・・悩んでたって訳か・・・」
「はい・・・」
それで悩みを言い切ったセカンはルークの声にしんみりと頷く。ルークもそのような悩みと思っていなかったのか、表情がなんとも言えない複雑な物になっている。
「・・・自分が情けなくなってきます。今まで自分は師匠にお世話になっていたのに、それを忘れて一人前になったつもりでいて・・・けどその実態は半人前どころか師匠の庇護から出ることもなかったただの子供でしかなかった・・・」
「・・・それに関しては俺も似たようなもんだよ。つーかレプリカって身の上以上にまだ俺らの歳が子供なことを考えたら、そうなるのはある意味当然だと思うけど・・・」
「・・・はい、確かにルークさんの言う通りだと私も思います。ですが今のままでは私はこれからどうしたらいいか、どうするべきかわからないままなんです・・・自分のやりたいことがもうなくなってしまったことに加えて、師匠に甘えるだけでは生きていけないと知ってしまったんですから・・・」
セカンは自身の勘違いを悔いるように言葉を吐き出しルークがフォローを入れるも、言葉に納得はするが自身は受け入れきれないとうなだれる形で次第に声を切らしてしまった・・・元々の性格として比古清十郎よりは断然人当たりのいいセカンではあるが、預言を覆すことが目的とあったために自身のことを秘匿する事は慣れていた。故にセカンは比古清十郎にも言えない程の悩みを抱えた為に苦心していた、自身が結論を出す以外に問題は解決しない。そう思うが故に。
「・・・師匠に甘えられない?」
・・・だがそんな心中を悟ってか悟らずか、ルークはセカンに対して静かに声を上げた。






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