時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

・・・さて、何故ジェイドがファブレ邸にいて執事服に身を包んでいるのか・・・それはジェイドがナタリアをバチカルまで送り、グランコクマに戻った時にまで遡る・・・















「・・・ただいま戻りました、陛下」
「あぁ、ご苦労だった。首尾は?」
「インゴベルト陛下以下の主だった貴族達からは言葉は歓迎こそはしていましたが、何とも言えない戸惑いが滲んでいるように思われました。そして殿下に関してもこのグランコクマにいるルークに合わせて考え直すように言って欲しいと道中に何度もおっしゃり、私がバチカルより出る時には愕然とした表情でした。おそらく殿下はそう遠くない内に何か処置を受けるのは間違いないものと思われます」
「そうか」
・・・謁見の間にて威厳を持って玉座に座るピオニーと隣にいるフリングス、それで兵士も周りを囲んでいる中に立つジェイド。帰還の挨拶もそこそこに報告と命じられキムラスカ側の反応と自身の予測を上げるジェイドに、ピオニーは一つ納得して体を玉座に預ける。
「・・・ジェイド=カーティス、お前の軍においての最後の任務は終わった。故にお前に与えていた猶予の期間はもうなくなり、今より罰を与える物とする・・・いいな?」
「・・・はい」
そしてピオニーが荘厳に告げるは自身が望む罰の瞬間の是非。その問いにジェイドは重く頷く。
「・・・ではお前に与える罪状を発表しよう。まず軍からジェイド=カーティスという名を除籍する、そしてカーティスの家には既に通達をしてありお前はもうカーティス家から縁を切るように処理はされてある。つまりもうお前はカーティスの者ではないと言うことになる」
「・・・」
それでつらつらと述べられていくのは軍属ではなくなり、カーティスですらなくなるという処置。それらを受けてジェイドは静かに目をつぶる、ただ覚悟をしたようにそっと。
「更に言うならここでお前自身で申し上げたように苛烈な処分を・・・と言うことに本来はなるはずだったが、カクノシンと会ってからのお前の変心に他の臣下の目から見て酌量の余地ありという声が上がった為、様々な協議をした。その上で最終的な結論として出たお前の処分は・・・国外追放だ」
「っ・・・国外、追放・・・?」
だが続いたピオニーの言葉からの結論に驚き戸惑いながらジェイドは目を開けた・・・本当は国外追放は重い罰だが、命を差し出そうと思っていた自身にとって軽いと言わざるを得ない処置に。
「何故・・・?」
「・・・何故も何もこれがお前に対して我らが出した結論だ、異論は認めん」
「っ・・・!?」
呆然と言葉を漏らすジェイドだがピオニーから覆らないことと言われ、一層戸惑いに目を揺らす。
「とは言え、だ。今すぐに国を出ろなどとは言わん。ナタリア殿下を送って戻って来たばかりでもあるから様々な後始末をせねばならんだろう。しばらく期間を設けるから色々と片付けてこい、そしてそれから国を出ろ・・・いいな?」
「それは・・・いえ、わかりました」
その上で問題を片付けてからと言われたことでジェイドは反論しかけたが、それを撤回してただ首を縦に振った・・・








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