時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

・・・かつてをピオニーと共に久しぶりに思い出したフリングス。その後出立の準備を整え、ピオニーからよろしく頼むとの言葉をもらいグランコクマを出た。ルークの成人の儀が行われるバチカルへと・・・















・・・そして数日後。特に航海の間異常が起こることなく、フリングスを始め何人かの供を乗せた船はバチカルへと到着した。



「・・・お待ちしていました、フリングス少将ですね?」
「はい、貴女はジョゼット=セシル少将ですね?」
「はい、そうです。この度は少将をお出迎えすると共に、貴殿方がバチカルにいる間の警護の命を受けました。以後よろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
船を出たフリングスを待ち受けていたのは幾人かの兵士を後ろにつけたセシル少将。互いの名前を確認しあい自分が担当と告げ手を差し出すセシル少将に、フリングスは微笑を浮かべながら同じように手を差し出し握手を交わす。
「では早速城にまで案内、と言いたいのですが少しよろしいでしょうか?」
「はい、なんでしょうか?」
「少将にはこのまま城に行っていただく事も出来るのですが、少将がマルクトの代表とお聞きしルーク様が貴方に会いたいとの事です。それで成人の儀も数日後にこそ控えていますが、今ならまだルーク様も自由に取れる時間があります。ですので少将がよろしければ今からルーク様に会っていただきたいのですが、いかがでしょうか?」
「・・・わかりました、お会いしましょう」
それで握手を交わした後は手を戻し早速城にとは言わずルークに今から会って欲しいとセシル少将は願い出、フリングスはすぐに首を縦に振る。
「ありがとうございます・・・では私に付いてきてください、ファブレ邸まで案内します」
「はい、よろしくお願いします」
セシル少将はその返答に礼を返し案内をすると言いフリングスが頷いた事で、兵士共々セシル少将の先導の元バチカルの上層部へと向かう・・・









・・・そしてセシル少将の案内で辿り着いたファブレ邸の前。
「・・・ではフリングス少将、中にお入りください。私は他の皆様を案内しましたら戻ってまいりますので」
「はい、ありがとうございます」
「では失礼します」
ファブレ邸の前にいる白光騎士団の兵士と話を終えたセシル少将は中に入るよう進めた後頭を下げ、共に来た人々と兵士を引き連れ城の方へ向かう。
「・・・では」
一人残されたフリングスは入口前の兵士に会釈を交わし、ファブレ邸の中へと入る。



「・・・あぁ、フリングス少将!久しぶりだな・・・!」
「えぇ、お久しぶりです。ルーク殿」
それで中に入って執事のラムダスから案内された庭に待っていたのは、フリングスを見てすぐに嬉しそうな笑顔を浮かべたルークだった。2年経ち青年と呼べる面持ちと空気を携え礼服に身を包んだルークに、フリングスも笑顔を浮かべる・・・が、そこでフリングスはふと辺りを見渡す。
「どうしたんだ、フリングス少将?」
「いえ、彼の姿が見えないと思いまして・・・」
「あぁ、あいつなら・・・ほら、来た」
「あぁ・・・」
ルークがどうしたと問うと彼と口にするフリングスに自身も首を動かし探そうとすると、フリングスが庭に入った扉とは逆の扉から現れた姿をすぐに見つけ指を指す。その先にいた人物を見てフリングスも表情を少し緩めるが、そこから現れたのは・・・
「お久しぶりですね、フリングス少将」
「えぇ、お久しぶりです。ジェイドさん」
・・・マルクトの左官であって敵であった頃はキムラスカで死霊使いと悪名の名高かった、ジェイドだった。それも軍服ではなく執事服に身を包んだ姿でだ。だが二人は特に気にしたようでもなく、至って普通に再会の挨拶を交わす。







13/41ページ
スキ