時代と焔の守り手は龍の剣 第三話

「・・・ここまで来れば大丈夫でしょう」
「・・・ふぅ」
タルタロスから大分離れた平野部にて、セカン達はジェイドの合図を皮切りに走っていた足を止める。
「・・・これから、どうするんですか?ジェイドさん」
「取りあえずアニスとの合流地点であるセントビナーへ向かいます。彼女とは離れ離れになったらセントビナーで落ち合う段取りになっていますので」
「・・・無事なんでしょうか」
「大丈夫ですよ。アニスが僕を助けようとしてタルタロスから落ちていく姿を見ましたが、彼女なら見たところあれくらいは平気だと思います」
落ち着いた事もあり次はどうするかと聞くセカン。そこからアニスのことがジェイドから出て来て、イオンがアニスは大丈夫だと笑顔を見せる。
「・・・そういえば導師はリグレットに連れ出されそうになってましたけど、どこに連れていかれそうになったかわかりますか?」
「あっ、それは・・・・・・セフィロトです」
「セフィロト?」
そんなイオンにセカンはタルタロスを出る前を思い出しどこに行こうとしていたのかを問い、イオンは途端に言葉を詰まらせるがセフィロトだと答えにくそうに答える。
「セフィロトには何をしに?」
「・・・連れていかれる前に皆さんが助けてくださったので目的ははっきりとはわかりません・・・多分ですが、教団の秘密に関わることかと・・・すみません、これ以上は・・・」
「そうですか・・・」
そこで代わりにジェイドがイオンに訳を問うが、理由に検討はつきながらもハッキリとせず更にその理由を話すことを気まずそうに拒否するイオンの様子に、ジェイドもそれ以上の追及をやめる。



(・・・多分みたいに言ってるけど、導師は確信を持ってる。そして教団の秘密に関わることって言ってたから、導師が必要になる事で心当たりがあるのは一つ・・・パッセージリングに繋がるダアト式封呪で閉じられた扉を開けることだけ・・・)
あくまで口をつぐむイオンの様子と出て来た発言から、セカンは秘密と言ったはずの存在をあっさり心の中で思い浮かべ神託の盾の目的と結び付ける。
(・・・神託の盾の目的は何・・・?パッセージリングの中に行けるようにしたところで、特にやれることなんて何もないはず・・・リングの操作盤にはまだユリア式封呪とアルバート式封呪があるから、リングの操作なんて出来ないはずなのに・・・)
そしてつらつらとセカンの脳内に浮かぶのはパッセージリングと出た単語に連なるだろう、関連語の数々・・・
(それにまだ、わからないこともある・・・あの、アッシュって人の事・・・)
神託の盾の目的がわからないこともある。だがそれと同時に神託の盾のことを思い出すと出て来る存在、アッシュの事もありセカンは更に疑問が渦巻いている・・・



「・・・まずはセントビナーに向かいましょう。アニスと合流することもですが、このままじっとしていたらいずれ神託の盾からの追っ手が来ます。追っ手を振り切り安全を確保するためにも、セントビナーに向かうことが必要です」
「・・・そうですね」
だがゆっくり考える事は現状は許してはくれない。安全の為と後の為にもと、ジェイドの言葉にセカンは同意する。
(今は安全を確保しないと・・・神託の盾と戦闘になったらルークさんには少し酷だと思うし・・・)
考えに没頭するよりまずは安全、後ろにいるルークの精神面を考えた上での意味も含め。セカンはそう考え周りを警戒しながらも、セントビナーに向かう事に意識を集中させ歩み出す。









存在の認識は龍の剣の使い手の意識に強く残る



そして罪の意識に揺れ動く焔



彼女達に降り懸かる問題の解決の鍵を握るのは、時間のみ・・・






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