時代と焔の守り手は龍の剣 epilogue

・・・外殻大地の降下、プラネットストームの停止、預言の役割の完結、そしてローレライの音譜帯への送り出し・・・オールドラントの歴史においてとても大きく、それでいて重要な分岐点になった年から3年が経った・・・












「・・・ふむ」
「どうされたのですか、陛下?」
「いや、この手紙の中身に頷いただけだ」
・・・グランコクマの謁見の間にて、玉座に座っていた歳を取ったように見えず若いままのピオニーと側で立っていたフリングス。
ピオニーが手の中にあった手紙に目を通し声を上げフリングスが声をかけるが、何でもないと告げる。
「して陛下、その手紙の中身とは?」
「あぁそれは要約すればルーク殿の成人の儀を執り行うから来てくれという中身だ」
「ルーク殿の、ですか・・・」
それで逆隣にいたゼーゼマンが中身を問えばルークの事と返されたことに、フリングスの表情がどこか昔を懐かしむような柔らかい物に変わる。
「早いものですね・・・ルーク殿がキムラスカに帰ってから、もう2年も経ちました」
「あぁ、2年か・・・長いようで短かったな、この時間は。それこそ色々あったからな・・・」
フリングスがルークの事を思い出すよう口にすれば、ピオニーも昔を懐かしむように柔らかい笑みを浮かべる。
「・・・まぁいい。ゼーゼマン、この招待を受ける。そして代表はアスランでいく、それで用意を進めろ。いいな?」
「はっ、かしこまりました」
だが瞬時に表情を引き締め指示を手早く出すピオニーに、ゼーゼマンも特に反発することなく敬礼を返しその場を後にしていく。
「では私も準備を・・・」
「待てアスラン・・・折角だ、少し話に付き合え。ルークと聞いて久しぶりに思い出に浸りたくなった、色々とな」
「・・・はっ、かしこまりました」
続いてフリングスも退出しようとしたが、ピオニーから最近では珍しくわがままに近い命令がかかったことに足を止め素直に頷く。
「・・・本当に早いものだな、ルークが帰ったのは2年前だが預言を詠まないようになってからは3年と言った所だが・・・今思えばよくダアトから大多数の神託の盾の処断を出来た物だな」
「えぇ、一昔前でしたら例え神託の盾が何かをしても余程でなければこちらで裁くなど出来なかったですからね・・・出来ても既に神託の盾から除籍してる者だと素知らぬ顔で終わらせていましたから」
まずはと3年前の神託の盾一斉処断の件をピオニーは切り出し、フリングスも同意しながら以前のダアトの対応についてしみじみ語る。



・・・今となっては違うが昔はセントビナーを堂々と包囲をした時のよう、他国に迷惑をかけることは神託の盾にダアトは半ば当然の物としていたのだ。それでも預言と預言を求める民の事を考えると余程でなければ抗議は出来なかったが、そんな余程の場合は徹底的に擁護するかトカゲの尻尾切りのように終わらせる事がほとんどだったのだ。そんな公平さも公明さもないダアトが例えイオンのおかげとはいえ神託の盾の幹部も含めて引き渡し、抗議をしないばかりか賛同してくれたのだ。これは相当な変化と言えた。



「・・・ですが正直、あまり見ていて気持ちのいい物ではありませんでしたね。彼らの処断の時は」
「あぁ、お前はその時現場にいたんだったな」
だがとフリングスが当時の事を振り返りながら苦い顔をする。











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