時代と焔の守り手は龍の剣 第二十二話

・・・その後、話すべき事は話終わったと言うことでルーク達は後はゆっくりしていいと言われ謁見の間を後にした。









「・・・ふぅ」
・・・場は変わり、ルーク達にあてがわれた部屋。そこでルークは一人机に向かい、紙に走らせていたペンを止めて一息つく。
「・・・失礼します」
「あっ、ジェイド」
そこに室内に入ってきたのはジェイドでルークはそちらに視線を向ける。
「そちらは・・・キムラスカに出す手紙ですか?」
「あぁ、まぁ・・・とりあえず書き終わった所だけど、何か用か?」
「えぇ、手紙が書けたのでしたらお預かりしようと思って来たのですがよろしいですか?」
「あぁ、んじゃ頼む」
「・・・お預かりしました、確かにインゴベルト陛下にお届けします」
ジェイドはそんなルークに手紙を預かりに来たと紙を見て言い、ルークがもう出来たからと手紙を渡すと丁寧に便箋に包み懐に入れる。
「・・・ジェイド、お前平気なのか?」
「何が、でしょうか?」
「いや、その・・・お前、明日ナタリアをバチカルに送り届けた後処罰を受けることになるんだろ?・・・怖くないのか?」
「・・・そう言うことですか」
ルークはふとそんな姿に疑問の声を向ける、平静に勤めるその心中を。ジェイドはその声に納得の声を上げる。
「・・・怖くはないですよ。むしろ今の私が怖いのは、贖罪の機会が失われることです」
「え・・・?」
「今までの自分の行動は今となって見れば恥ずべき物であるとハッキリ言えます。それにヴァン謡将達にディスト・・・彼らが行動を起こした一因には私がレプリカ技術を使えないように封印出来なかった事があります。それは私の罪と言えます・・・そして未だ私はその罪を償い終えていない。だからこそ私は結果死に至ることになっても、その償いが出来ぬ事の方が・・・怖い」
「っ・・・ジェイド・・・」
恐れるは死ではない、罪が裁かれないこと。ジェイドの滅多に見せない寂しくも悲しい決意の見える表情を見て、ルークもつられて悲し気に表情を歪める。
「・・・すみません、変な事を言ってしまって」
「・・・いや、別にいい。俺の方から質問したんだしな・・・でもどうにかならないのか?このままだとお前、もしかして・・・」
「そこから先は言わない方がいいですよ。想像してしまったり、言葉にしてしまったら余計に貴方が辛くなるだけだと思われますから」
「・・・っ・・・」
ジェイドはそんな顔を見て微笑を浮かべ謝るがそれでいいのかとルークはその先も言おうとしたが、すかさずやめておくようにと口を挟まれた事でたまらず口をつぐむ・・・ジェイドの言った事はルークも感じていたよう死を連想させてしまうと思った上で口にしようとし、確かに辛いものと思ったが為に。
「・・・重ね重ねすみません。これ以上は貴方の気分を害すると思いますので私はこれで失礼します、ゆっくりされてください」
「・・・あ・・・」
ジェイドも流石に色々言い過ぎたと思ったのだろう。変に会話を続けないようにと早々と出ると言って背を向け部屋を後にするジェイドにルークは声と手を出しかけるが、結局は強く引き留める事が出来ず部屋から出るその姿をただ見送る形になってしまった。








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