時代と焔の守り手は龍の剣 第二十二話
「飛天御剣流の元々の役目、それは預言を覆す事に人々を苦難から守ること・・・だが預言はもう意味を為さなくなる上に、これからは必要になるのは政治においての民との折り合いも含めた政での戦いだ。もし不当に目の前の人々が苦しめられていると言うのならともかく、これからの時代に飛天御剣流は必要ない」
「ですが・・・」
「剣は凶器、剣術は殺人術。どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実。俺は口酸っぱくお前に何度もそう言い聞かせてきたはずだ・・・歴代の俺も含めた『比古清十郎』が時代を変える為という信念に偽りはない、ただその手段は血にまみれた物になると知った上で飛天御剣流と言う剣術を使うと決めた。言葉だけ立派な薄甘い理想のままで終わらせんためにな・・・それともお前はその飛天御剣流を持って、何か覇を唱えるつもりでいるのか?預言なき世界の後に・・・!」
「「「「・・・っ!」」」」
比古清十郎は静かに語る、これよりの時代において飛天御剣流の不要性を。だがまだ食い下がらんとするセカンに比古清十郎が剣気を伴わせた威圧をぶつけて更に問いかけたことに、一同は一気に緊張感と共に身を強張らせた・・・その威圧が返答次第では斬ると、本気で思える程に強く寒気がするものだっただけに。
「わ・・・私は、そんなつもりで言ったんじゃありません・・・ただ私は師匠が簡単に飛天御剣流を棄てるようなことを言ったのが、衝撃だったと同時に嫌だったんです・・・私と師匠を繋いでくれている飛天御剣流をそんな風に師匠が言ったって事が・・・」
「・・・そう言うことか」
その威圧をぶつけられているセカンは何とか自身の中の気持ちを圧されながらもその発言が悲しかったと眉を歪めて返せば、比古清十郎はその剣呑とした空気を解く。
「お前は勘違いしている・・・俺は元々から飛天御剣流を俺の代で終わらせようとしようと考えていた」
「えっ・・・それって・・・?」
「・・・飛天御剣流に限らず言えることだが、本来なら殺人術を肯定するなどあってはならんことだ。そして飛天御剣流はその威力も相まって心無き者に伝われば、多くの悲劇を生み出しかねん・・・その点で預言を覆すという役目を終えた飛天御剣流が心無き次代の者に伝われば、その者が乱を生みかねん。信念なき剣などただ無為に人を傷付けるだけだ」
「・・・じゃあ師匠はそんな事態を避ける為にもう飛天御剣流を封印するつもりで・・・?」
「そうだ」
「・・・そう、なんですか・・・」
それで比古清十郎から後の事を考えた上での判断だと言い切ったことに、セカンは納得してホッとしたように声を漏らす。
「そういうわけだ・・・その逆刃刀はもういらん、遠慮なくもらっておけ」
「・・・セカン、いいのか?」
「・・・正直、まだ複雑な気持ちはあります。その逆刃刀には色々思いがありますから・・・でも飛天御剣流がその役目を終えるべきならその逆刃刀も役目を終える事になり、無用の長物になります。そうなるならせめて持つべき人が持つべきだと思います。そしてそれはルークさん以外にいないと、私も思います・・・だから、もらってください」
「・・・うん、わかった。逆刃刀、ありがたくもらわせてもらう」
比古清十郎はそこで視線をルークに向けてだからいいと逆刃刀をもらえと言うと、セカンに伺うように声をかける。それでセカンは自身の心の葛藤を明かしつつもルークにならと言い、そこまで聞いてルークは微笑を浮かべ頷いた。逆刃刀をもらうことを受け入れ。
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「ですが・・・」
「剣は凶器、剣術は殺人術。どんな綺麗事やお題目を口にしてもそれが真実。俺は口酸っぱくお前に何度もそう言い聞かせてきたはずだ・・・歴代の俺も含めた『比古清十郎』が時代を変える為という信念に偽りはない、ただその手段は血にまみれた物になると知った上で飛天御剣流と言う剣術を使うと決めた。言葉だけ立派な薄甘い理想のままで終わらせんためにな・・・それともお前はその飛天御剣流を持って、何か覇を唱えるつもりでいるのか?預言なき世界の後に・・・!」
「「「「・・・っ!」」」」
比古清十郎は静かに語る、これよりの時代において飛天御剣流の不要性を。だがまだ食い下がらんとするセカンに比古清十郎が剣気を伴わせた威圧をぶつけて更に問いかけたことに、一同は一気に緊張感と共に身を強張らせた・・・その威圧が返答次第では斬ると、本気で思える程に強く寒気がするものだっただけに。
「わ・・・私は、そんなつもりで言ったんじゃありません・・・ただ私は師匠が簡単に飛天御剣流を棄てるようなことを言ったのが、衝撃だったと同時に嫌だったんです・・・私と師匠を繋いでくれている飛天御剣流をそんな風に師匠が言ったって事が・・・」
「・・・そう言うことか」
その威圧をぶつけられているセカンは何とか自身の中の気持ちを圧されながらもその発言が悲しかったと眉を歪めて返せば、比古清十郎はその剣呑とした空気を解く。
「お前は勘違いしている・・・俺は元々から飛天御剣流を俺の代で終わらせようとしようと考えていた」
「えっ・・・それって・・・?」
「・・・飛天御剣流に限らず言えることだが、本来なら殺人術を肯定するなどあってはならんことだ。そして飛天御剣流はその威力も相まって心無き者に伝われば、多くの悲劇を生み出しかねん・・・その点で預言を覆すという役目を終えた飛天御剣流が心無き次代の者に伝われば、その者が乱を生みかねん。信念なき剣などただ無為に人を傷付けるだけだ」
「・・・じゃあ師匠はそんな事態を避ける為にもう飛天御剣流を封印するつもりで・・・?」
「そうだ」
「・・・そう、なんですか・・・」
それで比古清十郎から後の事を考えた上での判断だと言い切ったことに、セカンは納得してホッとしたように声を漏らす。
「そういうわけだ・・・その逆刃刀はもういらん、遠慮なくもらっておけ」
「・・・セカン、いいのか?」
「・・・正直、まだ複雑な気持ちはあります。その逆刃刀には色々思いがありますから・・・でも飛天御剣流がその役目を終えるべきならその逆刃刀も役目を終える事になり、無用の長物になります。そうなるならせめて持つべき人が持つべきだと思います。そしてそれはルークさん以外にいないと、私も思います・・・だから、もらってください」
「・・・うん、わかった。逆刃刀、ありがたくもらわせてもらう」
比古清十郎はそこで視線をルークに向けてだからいいと逆刃刀をもらえと言うと、セカンに伺うように声をかける。それでセカンは自身の心の葛藤を明かしつつもルークにならと言い、そこまで聞いてルークは微笑を浮かべ頷いた。逆刃刀をもらうことを受け入れ。
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