時代と焔の守り手は龍の剣 第二十二話

・・・ルークと比古清十郎の剣術稽古を見ながら、各々外郭大地降下を終えるまで待つ一同。



「・・・む、止まった・・・」
「・・・って事は、これで、外郭、大地の降下、が終わった・・・」
そのように稽古を続ける中で比古清十郎が涼しい顔で今まで続いた違和感が無くなったことに気付き、対面のルークはへばった様子でその意味を介する。
「ローレライ、ここで鍵を使えばプラネットストームを止めれるんですね?」
『あぁ、この中心部で鍵を使えばいいのだが・・・ルーク、少し休憩してからにするか?』
「いや、いい・・・皆、ちょっと、離れててくれ・・・」
ジェイドがそこにすかさず再度確認の声を上げればローレライがそうと言いつつ気遣いを向ければ、ルークは絶え絶えの息ながらローレライの鍵を取り出しつつ離れるように行ったことで一同は入口側へと戻っていく。
「・・・頼むぜ、ローレライ」
『あぁ、心配はいらん。我が主導するからな』
‘フッ’
それでルークが鍵を上に掲げ話しかければ、ローレライの自信に満ちた声と共に足元に譜陣の文字と共に光が広がる。
‘・・・フッ’
『・・・終わったぞ』
「はやっ!?」
だが数秒時間を取っただけで譜陣が光を失い終了を告げられた事で、ルークはたまらず驚いた。
「まぁ終わるのが早いに越したことはないだろう・・・これでプラネットストームは止まるのだな?」
『あぁ・・・ただ入口の弁を止めても出た分の音素の流れは止まらん。しばらくすればそれも無くなるだろうから気にするな』
「・・・そうか」
それに珍しくフォローを入れつつ比古清十郎がまた再度プラネットストームの停止の確認をすると、今出ている分で終わりと返されて納得する。
『後は我が音譜帯に昇ればそれでもう終わりだが・・・ただここで我も考えたのだが、音譜帯に昇っては我が完璧に消え失せたと認識してもらえんやもしれんからな。我はグランコクマでピオニー以下の臣民に見送られる形で音譜帯に昇ろうと思う、その方が角は立たないと思うが・・・』
「・・・確かに妥当ですね。ではここでお別れと言うのではなく、グランコクマでお見送りをしましょうか。盛大にお見送りされたとなれば、ローレライの存在を内密に独り占めしているのではないか等といった声も少なくなるでしょうからね」
ただそこで当初の予定と違う流れをローレライが神妙な様子で持ちかければ、ジェイドは納得してそうすると告げる。対外的に見せる為のいい手段として。
「そういう事ならさっさとグランコクマに戻るか、早く事は済ませた方がいい。それにアルビオールもいつまで動くか保証が出来んからな」
「そうですね。早くここを出ましょう」
比古清十郎はそれなら早く戻るべきとアルビオールの事も併せて持ち出し、セカンも出ようと言った後に皆は頷きラジエイトゲートを後にせんと動き出す・・・



・・・比古清十郎達はアルビオールに可能性があると考えていた、プラネットストームが停止し音素の流れが消えてしまえばアルビオールが飛べなくなるという可能性を。

今この世界にある譜業の大体が音素を燃料とし譜石を核としている物が多い、それはアルビオールも同じような原理である。例えそれが創成暦の遺物と言えどだ。

ただだからこそこのまま音素の恩恵が消えつつある世界でアルビオールが動き続ける可能性があるかを考えると、どうしてもそれは低いと言わざるを得ないのだ。何せプラネットストームが止まるのだから。

・・・そういった可能性をジェイドから指摘され比古清十郎達はラジエイトゲートに来る前に決めた、プラネットストームを止めたならグランコクマに戻った後にアルビオールをシェリダンに返すと。ただ勿論今まで自分達の為に足になってくれたノエルやシェリダンの者達に悪い為、それらの可能性を告げた上でノエルに帰ってもらうようにはした。故に話をされたノエルも驚きつつ納得し、グランコクマに戻った後にシェリダンに帰ることを了承してくれた。








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