時代と焔の守り手は龍の剣 第二十一話

・・・そこからピオニーより群衆の前で語られていった。会談の中で何が焦点に語られていたのか、今この世界で何が起きているのかと言うことを。

その中身を受け群衆は戸惑い、身分違いと知りながらも言葉をかけた。だがピオニーはその声をむげにはせず、ジェイドの説明を交えながらもどれだけの事態であるかを告げた。今が危険であると言うことを理解してもらうため、懇切丁寧に。

・・・結果として群衆は納得して次第に納得する形で静かになっていった。一つ目に理解してもらうこととして重要な、外郭大地の降下が必要だということを。









「・・・そして結果としてこの世界の存続の為には、プラネットストームを止めて音素の恩恵にあやかることを止めねばならぬという結論に至った」
‘・・・と言うことは第七音素が無くなるのだから、預言も詠まれなくなるのか・・・?’
‘でもそうしないといずれ復活するかもしれない障気に怯えることになるんだぞ・・・’
‘けど預言が詠まれなくなるなんて・・・’



・・・それで話題はプラネットストームを止めることへとピオニーは移した訳だが、群衆の中からその最大の懸念である預言が詠まれなくなる事への話題がチラホラ聞こえてきた。



だがそれも折り込み済みなのかピオニーはジェイドに視線を向け、ローレライの鍵をジェイドは自然に手渡す。
「・・・悪いな、出てきてくれ。ローレライ」
『承知した』
‘‘‘‘!?’’’’
至って自然な流れでそのままローレライを呼び出すピオニー。その声に応えてローレライは鍵よりその姿を現し、群衆はその姿に驚き目が釘付けになった。
「・・・さて、諸君らに話をしよう。ローレライが今この場にいる経緯もだが、預言という物の本当の意味にその功罪という物を・・・」
そこからゆっくりとピオニーは話を再び始めた、プラネットストームを止める為の最大限の障害の預言という物がいかに人々の人生を狂わせる物なのかを・・・












・・・それからのピオニーの話は群衆の預言への希望を打ち砕く、正に現実を見せた物だった。

まず始めに明かしたのはローレライがどこにいて見つけたのかということの流れ、そしてローレライからもたらされたという第七譜石の存在・・・始めはその第七譜石という存在に永遠の繁栄を夢見てた群衆は興奮気味だったが、イオンより再び詠まれたその中身に悲鳴すら上げる者が現れてしまった。余程理想とかけ離れた真逆の中身に絶望したのだろう。

しかしだからと言ってピオニーは話を止めることなどせず、むしろ戦争が詠まれた預言の譜石をモースが持っていて第七譜石の中身を知らなかったとは言え戦争を誘発しようとしていたことを明かした。その中身に群衆は驚きを覚えていたが、そこでピオニーがナタリアの入れ換えの事実を持ってインゴベルトを脅していたとインゴベルト自身にも証言を取らせた事でそれが真実なのだと群衆は衝撃を受けながらも理解したよう、静かになった。






「・・・話を聞いて分かっただろう、この第七譜石に詠まれた預言の中身は嘘ではない。そして預言を達成する為にモースが何をしていたのかと言うことも分かったはずだ」
‘‘‘‘・・・’’’’
それでピオニーは改めて分かるかと投げ掛けると、群衆はナタリアの事実にあまりの衝撃を受けたようで返す言葉も出てくる様子がない。








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