・・・イオンとピオニーの間にどういった未来があるか、その未来にはあまりに違いがある・・・そんなことをイオンは分からないまま時間は過ぎ、ケセドニアの夜は過ぎた。



・・・そして翌日、アスターの屋敷に再び集まった国の代表達。
「さて・・・昨日もう会ったから、堅苦しい挨拶はいらんだろう。そして長ったらしい前口上もな・・・さぁ聞こう、貴殿らは外殻大地降下にプラネットストームを止めるか・・・どうするべきだと考えた？」
「・・・う、む・・・」
それでピオニーは早速結論を聞かせてもらおうと両者に厳格に問い掛けると、どこか憔悴したようなインゴベルトが極めて答えにくそうに口を開く。
「・・・正直な所で言えば外殻地降下はこちらでもやった方がいいとすんなりと決まりはしたが、プラネットストームに関してはそれこそ夜遅くになるまで話し合った。どうするべきかと・・・・・・だがプラネットストームが動き続ける限り障気の復活は遅かれ早かれ避けられない上に、障気のみを取り除く事が出来んというのはやはりどうしようもない・・・だから私達キムラスカはどちらも賛同をする事に決めた」
「そうか・・・」
・・・憔悴した表情はどうするか悩んでいたのだろう、それこそ本気で音素の恩恵を取るか困難の先の安寧を取るかを皆で。その結果として重く口にされたインゴベルトの賛同との結論に、ピオニーはそれを受け入れ隣のトリトハイム達に視線を送る。
「それで・・・そちらは？」
「・・・我々も概ねインゴベルト陛下と同じく、外殻大地降下とプラネットストームの停止に賛同をするべき・・・そういう結論に至りました。ただこちらには問題が一つありまして・・・プラネットストームを止めるということは音素が無くなると同時に、預言が詠めなくなるという事に繋がります。ですので出来れば何か皆様方に協力していただき、そうしなければならないと理解していただけるような案を出していただきたいのです・・・」
「成程、そう言うことか・・・」
それで再度どうかと問い掛けるとこちらも同様だと言いつつ協力をしてほしいと気まずそうに言い出すトリトハイムに、ピオニーは納得する。



・・・ダアトとしてもプラネットストームを停止させるのは必須という結論に至ったのだろうが、やはり預言を詠む側としてすんなりと信者達が納得をするとは思わなかったのだろう。今まで預言に浸っていた者達がいきなり預言が無くなる、ということを・・・だから手を借りたいと思ったのだろうが、それはピオニーにアスターからしても都合がよかった。



「・・・そう言うことならこちらに案がある。とはいってもこれは今すぐにやらねば効果が薄いと思われる案だがな」
「えっ・・・それは、一体・・・？」
「何、簡単な事だ。今ケセドニアでこの首脳会談があっていることはこのケセドニアにいる人々はほとんど知っているだろう。だから今から急遽という形でになるが、人々の前でこの会談の決定事項及び預言の真実を伝えるんだ」
「えっ・・・そのような事をして大丈夫なのですか・・・？」
「むしろ今でなければ効果は低い。この会談がどういった狙いで開かれた物か、人々はまだほとんど知ってはいないだろう。それで各々が国に帰って各々で事実の発表をしたところで情報が広まるスピードもたかが知れてる上に、信憑性もないと考える者が多い可能性が高い。だからやった方がいいんだ。代表全員が揃っている内に預言が詠めなくなるのもやむなしという事情が本当であると知らしめる為にな」
「な、成程・・・」
それでピオニーから案があると聞いて最初はどうなのかとトリトハイムは疑わしげな視線を向けていたが、次第に納得をしていた。










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