時代と焔の守り手は龍の剣 第三話
「・・・骸狩り、発動せよ!」
‘ドゥンッ!’
「「「っ!」」」
だがじっくりとルークの変化を問う間もなく、ジェイドは通信機に合図となる声を送り込むと唐突にタルタロスは鈍い音と共に停止する。
「さあ、行きましょう。タルタロスを緊急停止させました、しばらく時間をかけて処置をしなければすぐには運行は出来ません。今のうちです」
「はい・・・行くわよ、ルーク」
「お、おい・・・一体何なんだよ・・・」
そこから振り返り脱出を促すジェイドにティアは同意するが、起きたばかりのルークは戸惑うばかり。
「・・・事情は歩きながら私が説明します。歩けますか?」
「あ、ああ。わかった・・・」
だが気遣った説明をしようという気がない前を見るだけの二人に、セカンは手を差し出しルークもその手を戸惑いながら取り立ち上がる。
「では、簡潔に・・・」
そこからセカンは二人の後をついていくよう、歩きだしながら話を始める・・・
「・・・それで、私達は今タルタロスを出ようとしてるんです」
「・・・そういうことか・・・」
そして甲板上に来た時には殆ど人がいない中説明が終わり、ルークは影を見せながらも納得した様子を見せる。
「・・・ルークさん、何かあったんですか?」
「・・・えっ?」
その様子に先程から気になっていたのもあり、セカンは暗い様子になった訳を問う。
「さっき起きた時からどこかあまり元気がないように見えるんですが・・・」
「っ・・・・・・なぁ、聞いていいか?」
「はい、どうぞ」
その問いにルークは途端にセカンから目を背けるが、少し間が空いて不安そうな声が届いて来てセカンはあえて気を使わせまいと普通の声で返す。
「セカンって・・・人を斬った事って、あるのか・・・?」
「っ!?・・・はい」
・・・だが返って来たルークの声とその内容に、セカンはルークが対面しただろう場面にたまらず驚き、同時にその心中を察し重く返す。
「俺・・・ブリッジの前の扉で見張りをしてたんだ。その時に気を失ってた神託の盾の兵士が起き上がってきて、それで俺、殺されそうになった時に・・・」
「いいです、ルークさん・・・それ以上言わなくて・・・」
そして不安に歯止めをかけることが出来なくなったのか、ルークはそうしてしまうに到った経緯を声を震わせながら話し出し、セカンはその場面を声に出させないよう首を振りながら制止する。
「・・・ルークさんの気持ちは、私もわかります・・・初めて人を斬った時は、私もすごく手が震えました・・・それが私の命を奪おうとした、敵だってわかっていても・・・」
「・・・」
そこからルークに話をさせないようセカンは自らの過去を振り返りつつ話し、ルークの顔を振り向かせる。そこでルークが見たのは、暗いとまでは行かずともけして明るいとは言えないセカンの横顔。
・・・セカンが初めて人を斬ったのは、比古清十郎とともに小屋から離れカイツールに向かう途中に出会った盗賊だった。
比古清十郎と出会ってからしばらく外に出る時は比古清十郎に守られながらいたセカン。そんなセカンは当然、盗賊などの物取りと戦いそれらの人達を斬る比古清十郎の姿を見てきてはいた。最初それらの光景を見て気分を悪くしていたセカンだったが、徐々に慣れていった。
・・・だが見るのと実際にやるのはでは話が違う、セカンは飛天御剣流を身につけ初めて人相手の実戦をした時にその手にかける命の重みを改めて知った・・・
「・・・人を斬って、平気でいれる人なんてそうそういないと思います。私の師匠も初めての時はそうだったと私に言ってくれました。多分師匠からしたら私を気遣ってくれたと思うんですけど・・・話は少しズレましたけど、ルークさんが感じている物は普通なら当然のことだと思います。だから気分が優れなくなるのもわかります」
「・・・だったら・・・どうすればこの気持ちを変える事が出来るんだよ・・・?どうすりゃいいのか俺、わかんねぇよ・・・」
そしてその感情は異質な物じゃないと言うセカンだったが、ルークは答えが欲しいと下を向き立ち止まる。そんなルークにセカンも立ち止まり、真剣な目でルークの両肩を掴む。
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‘ドゥンッ!’
「「「っ!」」」
だがじっくりとルークの変化を問う間もなく、ジェイドは通信機に合図となる声を送り込むと唐突にタルタロスは鈍い音と共に停止する。
「さあ、行きましょう。タルタロスを緊急停止させました、しばらく時間をかけて処置をしなければすぐには運行は出来ません。今のうちです」
「はい・・・行くわよ、ルーク」
「お、おい・・・一体何なんだよ・・・」
そこから振り返り脱出を促すジェイドにティアは同意するが、起きたばかりのルークは戸惑うばかり。
「・・・事情は歩きながら私が説明します。歩けますか?」
「あ、ああ。わかった・・・」
だが気遣った説明をしようという気がない前を見るだけの二人に、セカンは手を差し出しルークもその手を戸惑いながら取り立ち上がる。
「では、簡潔に・・・」
そこからセカンは二人の後をついていくよう、歩きだしながら話を始める・・・
「・・・それで、私達は今タルタロスを出ようとしてるんです」
「・・・そういうことか・・・」
そして甲板上に来た時には殆ど人がいない中説明が終わり、ルークは影を見せながらも納得した様子を見せる。
「・・・ルークさん、何かあったんですか?」
「・・・えっ?」
その様子に先程から気になっていたのもあり、セカンは暗い様子になった訳を問う。
「さっき起きた時からどこかあまり元気がないように見えるんですが・・・」
「っ・・・・・・なぁ、聞いていいか?」
「はい、どうぞ」
その問いにルークは途端にセカンから目を背けるが、少し間が空いて不安そうな声が届いて来てセカンはあえて気を使わせまいと普通の声で返す。
「セカンって・・・人を斬った事って、あるのか・・・?」
「っ!?・・・はい」
・・・だが返って来たルークの声とその内容に、セカンはルークが対面しただろう場面にたまらず驚き、同時にその心中を察し重く返す。
「俺・・・ブリッジの前の扉で見張りをしてたんだ。その時に気を失ってた神託の盾の兵士が起き上がってきて、それで俺、殺されそうになった時に・・・」
「いいです、ルークさん・・・それ以上言わなくて・・・」
そして不安に歯止めをかけることが出来なくなったのか、ルークはそうしてしまうに到った経緯を声を震わせながら話し出し、セカンはその場面を声に出させないよう首を振りながら制止する。
「・・・ルークさんの気持ちは、私もわかります・・・初めて人を斬った時は、私もすごく手が震えました・・・それが私の命を奪おうとした、敵だってわかっていても・・・」
「・・・」
そこからルークに話をさせないようセカンは自らの過去を振り返りつつ話し、ルークの顔を振り向かせる。そこでルークが見たのは、暗いとまでは行かずともけして明るいとは言えないセカンの横顔。
・・・セカンが初めて人を斬ったのは、比古清十郎とともに小屋から離れカイツールに向かう途中に出会った盗賊だった。
比古清十郎と出会ってからしばらく外に出る時は比古清十郎に守られながらいたセカン。そんなセカンは当然、盗賊などの物取りと戦いそれらの人達を斬る比古清十郎の姿を見てきてはいた。最初それらの光景を見て気分を悪くしていたセカンだったが、徐々に慣れていった。
・・・だが見るのと実際にやるのはでは話が違う、セカンは飛天御剣流を身につけ初めて人相手の実戦をした時にその手にかける命の重みを改めて知った・・・
「・・・人を斬って、平気でいれる人なんてそうそういないと思います。私の師匠も初めての時はそうだったと私に言ってくれました。多分師匠からしたら私を気遣ってくれたと思うんですけど・・・話は少しズレましたけど、ルークさんが感じている物は普通なら当然のことだと思います。だから気分が優れなくなるのもわかります」
「・・・だったら・・・どうすればこの気持ちを変える事が出来るんだよ・・・?どうすりゃいいのか俺、わかんねぇよ・・・」
そしてその感情は異質な物じゃないと言うセカンだったが、ルークは答えが欲しいと下を向き立ち止まる。そんなルークにセカンも立ち止まり、真剣な目でルークの両肩を掴む。
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