時代と焔の守り手は龍の剣 第二十一話

「そういう訳だ・・・いずれにせよ預言に対する体制を見直さねばならんのは貴殿らにとって、課題となるであろう。だがそれはこちらにとっても同じこと、何せ預言に詠まれたこちらの未来は滅亡なのだからな。もし貴殿らがプラネットストームの停止に賛成しないというのなら、マルクト全土から預言士は全員引き上げさせた上で預言の中身を公表し、預言を二度と詠まないように達しをする」
「っ・・・それは、滅びを避けるようにとのことですか・・・」
「そうだ」
その姿にピオニーはもしこちらに賛同しなかった場合の対応を告げると、トリトハイムはすぐにその意図に気付いて返せば重く頷きを入れる。
「何度も言うようだが、こちらは滅びを避けたいのでな。それにそちら側がどう思っているのかが分からんから、まずはこちらから対応を示した・・・という訳だ」
「・・・対応、ですか・・・正直、我々はこの話を聞いていかにするか・・・迷っています・・・恐らくそれは、インゴベルト陛下も同様かと思われますがどうでしょうか・・・?」
「う・・・うむ・・・私もどうするべきかと悩んでいる・・・正直、時間が欲しいと思っているところだ・・・」
それでピオニーがプラネットストーム停止をしない場合の対応を揺るぎなく譲る気はないと返すと、トリトハイムとインゴベルトは対称的に動揺を隠しきれずに顔を見合わせながら話し合う。
「イヒヒ・・・そう言うことでしたら一先ず話はここまでにして、明日に話を詰めて決めるというのはいかがでしょうか?」
「・・・何?それはどういうことだ?」
「いえいえ、このままでしたらインゴベルト陛下もトリトハイム詠師も納得出来ないまま話が平行線になって長引きそうですからね。ならばいっそ今日は時間を取り、明日に結論を出していただいてはどうかと思ったので口を出させていただいたのですが・・・いかがでしょうか?」
「・・・むぅ、やむを得んか。このままではどうすればいいか、判断しようもない・・・幸いにして余裕を持って帰国出来るよう、バチカルに戻るのは明後日という予定にしていたからな・・・我らはそれでもよいが、そなたらは大丈夫なのか?」
「え、えぇ・・・こちらも大丈夫です」
「こちらも大丈夫だ」
「決まりですね」
そんな中で話に独特の笑い声で入ってきたのはアスターで一同の視線が集まる中、このままでは話にならないと1日時間を取ることを提案すればインゴベルトは今後の予定を思い出しながらも賛同し、トリトハイムもピオニーも大丈夫と賛同する。その全員の賛同にアスターは満足そうに微笑み頷く。
「ではまた同じ時間にこちらにおいでいただいてよろしいでしょうか?その方が皆様にも分かりやすいでしょうし、こちらの準備の都合のいい時間にもなります。それで明日改めて話し合おうではありませんか、プラネットストーム停止をして預言を止めるかどうかを・・・」
「・・・承知した。ではまた明日同じ時間、お会いしよう。ピオニー陛下」
「あぁ、また明日」
それで場の流れを作り明日同じ時間に結論をと言うアスターにインゴベルトは頷いて立ち上がり会おうと言い、ピオニーも同じように立ち上がり頷く・・・これで明日に話が延びこそしたが、結論が出ることになる。そうなったことに少し複雑な表情にセカンはなりかけていた、ここで決めきれなかったことに。









24/36ページ
スキ