時代と焔の守り手は龍の剣 第三話
服装から見て一般の神託の盾とは明らかに違う、黒を基調とした神託の盾において上位にいることを示す服を着た紅くて長い髪を持った男・・・その男は倒れ込んだルークやティア達を見下ろしていてその顔は不機嫌そうに歪みながらも、ルークにセカンの二人と比べてみれば一目瞭然で瓜二つと言える。
その事実がセカンを最大限に混乱の境地に導いていた。
(あの人は何者なの・・・っ!?なんで私や、ルークさんになんであそこまで似てるの・・・!?どうして・・・!?)
ルーク達がピンチ、普段のセカンなら助けたいと思うはずが自分と似た人物がまた現れた事実がその考えに導かない。
「何をしているアッシュ、閣下の命を忘れたか」
「・・・チッ、適当な部屋に放り込んでおけ」
だがルーク達のピンチはアッシュと呼ばれた二人に似た男を制止した、場に現れた金髪の女によって救われた。アッシュは頭を抱えると不機嫌そうに近くに来た兵士にルーク達を適当な部屋へ運ぶよう命じ、兵士達はルークとティアを抱えて、ジェイドに武器を突き付け連行を始める。
(・・・あっ、あの人ブリッジの中に・・・そうだ、ルークさん達・・・ルークさん達を助けなきゃ・・・)
その様子を見てからアッシュとその金髪の女はブリッジに入り、アッシュを目で追えなくなったセカンはハッとしてルーク達を助けに行こうと急いで兵士達の後をつける・・・
・・・そして後をつけていくと、ルーク達が連行された先は貨物室の中の一室。連行してきた兵士達を物影に隠れてやり過ごしたセカンは、急いで簡易的に作られた檻の前に姿を現す。
「皆さん、ご無事ですか?」
「セカン!」
「えぇ、無事ですよ。ですが見張りはどうしたんですか?」
「多分私の行動からまだ多数の兵はこちらにいるとは思わず、私を探しているはずです。それでまだこちらに見張りを置くほどの余裕がないんじゃないかと・・・」
顔を出せば出迎えたのはティアとジェイド。ルークはまだ気を失っているようで、ベッドで寝せられている。その様子を確認しながらもジェイドに問われたここにアッサリと来られた訳を説明して、セカンは話題を変える。
「とりあえず、今なら見張りはまだ来ないと思いますので早くここから脱出しましょう。このままここにいてはすぐには殺されなくても、この後でどうされるかわかりません」
「・・・大佐・・・」
セカンが提案したのは今度こそのこのタルタロスからの脱出、そしてさりげない危険性を告げてのこれ以上の無謀への予防線張り。流石に意識を飛ばされ連行されただけあって、ティアは不安そうにジェイドに判断を仰ぐ。
「・・・やむを得ませんね。わかりました、確かにこれ以上ここにいてもタルタロスの奪還は出来そうにはありません。脱出しましょう」
そして流石にジェイドもタルタロス奪還はもう無理だと判断したようで、セカンの意に同調する。
「ただ・・・このままタルタロスを好きに使わせては神託の盾にすぐに追い付かれますし、導師も向こうに渡したままでは我々の目的も達成出来ません。ですので私がタルタロスを止めますので、可能な限り導師を捜索してから逃げ出しましょう」
「・・・タルタロスを、止める?」
だが一転して何か策のある様子を見せるジェイドに、失敗の前例があるのでセカンは訝しげな表情に自然と変わる。
「とりあえずタルタロスを止める前にルークを起こしますので、この牢を開けてくれませんか?セカン」
「あっ、はい」
だが牢を開けて欲しいと願うジェイドに、訝しむことを止め後ろの牢の開閉スイッチを押す。
‘ポンッ、プシュウ’
「起きて・・・起きて、ルーク」
光り輝く牢の格子が消え振り向くセカンの前で、ルークを起こそうとティアは体を揺り動かす。
「ん・・・ううん・・・・・・こ、ここは・・・っ!?」
「気が付いた、ルーク?」
「あ、あぁ・・・」
「・・・?」
その揺れに反応し、ルークは眠たそうに目を開け体を起こす。だがいきなり起きたにしてはカッと目を開き何か怯えたような様子を見せる。だがルークの変化に気付かないティアは特に変わった事を言う訳でもなく、ルークはただ生返事を返す。ただセカンはなんなのかまではわからなくとも、感じていた。そのルークの変化を・・・
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その事実がセカンを最大限に混乱の境地に導いていた。
(あの人は何者なの・・・っ!?なんで私や、ルークさんになんであそこまで似てるの・・・!?どうして・・・!?)
ルーク達がピンチ、普段のセカンなら助けたいと思うはずが自分と似た人物がまた現れた事実がその考えに導かない。
「何をしているアッシュ、閣下の命を忘れたか」
「・・・チッ、適当な部屋に放り込んでおけ」
だがルーク達のピンチはアッシュと呼ばれた二人に似た男を制止した、場に現れた金髪の女によって救われた。アッシュは頭を抱えると不機嫌そうに近くに来た兵士にルーク達を適当な部屋へ運ぶよう命じ、兵士達はルークとティアを抱えて、ジェイドに武器を突き付け連行を始める。
(・・・あっ、あの人ブリッジの中に・・・そうだ、ルークさん達・・・ルークさん達を助けなきゃ・・・)
その様子を見てからアッシュとその金髪の女はブリッジに入り、アッシュを目で追えなくなったセカンはハッとしてルーク達を助けに行こうと急いで兵士達の後をつける・・・
・・・そして後をつけていくと、ルーク達が連行された先は貨物室の中の一室。連行してきた兵士達を物影に隠れてやり過ごしたセカンは、急いで簡易的に作られた檻の前に姿を現す。
「皆さん、ご無事ですか?」
「セカン!」
「えぇ、無事ですよ。ですが見張りはどうしたんですか?」
「多分私の行動からまだ多数の兵はこちらにいるとは思わず、私を探しているはずです。それでまだこちらに見張りを置くほどの余裕がないんじゃないかと・・・」
顔を出せば出迎えたのはティアとジェイド。ルークはまだ気を失っているようで、ベッドで寝せられている。その様子を確認しながらもジェイドに問われたここにアッサリと来られた訳を説明して、セカンは話題を変える。
「とりあえず、今なら見張りはまだ来ないと思いますので早くここから脱出しましょう。このままここにいてはすぐには殺されなくても、この後でどうされるかわかりません」
「・・・大佐・・・」
セカンが提案したのは今度こそのこのタルタロスからの脱出、そしてさりげない危険性を告げてのこれ以上の無謀への予防線張り。流石に意識を飛ばされ連行されただけあって、ティアは不安そうにジェイドに判断を仰ぐ。
「・・・やむを得ませんね。わかりました、確かにこれ以上ここにいてもタルタロスの奪還は出来そうにはありません。脱出しましょう」
そして流石にジェイドもタルタロス奪還はもう無理だと判断したようで、セカンの意に同調する。
「ただ・・・このままタルタロスを好きに使わせては神託の盾にすぐに追い付かれますし、導師も向こうに渡したままでは我々の目的も達成出来ません。ですので私がタルタロスを止めますので、可能な限り導師を捜索してから逃げ出しましょう」
「・・・タルタロスを、止める?」
だが一転して何か策のある様子を見せるジェイドに、失敗の前例があるのでセカンは訝しげな表情に自然と変わる。
「とりあえずタルタロスを止める前にルークを起こしますので、この牢を開けてくれませんか?セカン」
「あっ、はい」
だが牢を開けて欲しいと願うジェイドに、訝しむことを止め後ろの牢の開閉スイッチを押す。
‘ポンッ、プシュウ’
「起きて・・・起きて、ルーク」
光り輝く牢の格子が消え振り向くセカンの前で、ルークを起こそうとティアは体を揺り動かす。
「ん・・・ううん・・・・・・こ、ここは・・・っ!?」
「気が付いた、ルーク?」
「あ、あぁ・・・」
「・・・?」
その揺れに反応し、ルークは眠たそうに目を開け体を起こす。だがいきなり起きたにしてはカッと目を開き何か怯えたような様子を見せる。だがルークの変化に気付かないティアは特に変わった事を言う訳でもなく、ルークはただ生返事を返す。ただセカンはなんなのかまではわからなくとも、感じていた。そのルークの変化を・・・
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