時代と焔の守り手は龍の剣 第二十一話

・・・そんな比古清十郎が一人で謁見の間を後にした後は特に誰も何も言うことなく、場は解散となりセカン達は用意された部屋へと戻った。



「・・・カクノシン氏はケセドニアに何をしに行くつもりなのでしょうか?」
「・・・多分漆黒の翼の人達にケセドニアになるかダアトになるかを調べさせて、どっちかになった後で色々下調べをするように頼むためだと思います」
「・・・漆黒の翼に?」
そんな中でジェイドがセカンに比古清十郎の行動の意味を問うが、漆黒の翼に会いに行くと返され首を傾げる。
「あの人達は独自のパイプを持ってますから、ケセドニアでもダアトでもあの人達独自の情報を掴むことは容易に出来ます。だからそれでその情報網を頼りに会談の間、師匠は動くんじゃないかって私は思っています」
「・・・情報網を、ですか・・・何をする気なのでしょうか、カクノシン氏は・・・」
「・・・それは聞かない方がいいものとだけ、言っておきます。少なくともマルクトの軍に属する貴方が知っていてはいけない話です・・・」
「・・・そうですか」
そんな姿に情報網を使わせてもらうためだとセカンが言うとハッキリと答えを聞きたいジェイドは何が狙いかと聞くが、そこで視線を向けて裏を匂わせ聞かない方がいいと返された事でさしものジェイドもそれ以上は何も言わなかった。















・・・そして数日が経った。その数日の内にアルビオールを使ってケセドニアに行った比古清十郎が戻ってきたが、他に特に特筆すべき出来事もなく時は過ぎた。尚、比古清十郎が戻ってきた時に満足そうな姿を見せていたが、その事を指摘することは誰にも出来なかった。



「・・・さて、皆揃ったな」
・・・そしてルーク達は再び集められた、キムラスカ以下の三つの地域から返事が来たと言われて謁見の間に。ピオニーは全員が揃った事に、自ら開始の声を上げる。
「まずはキムラスカにダアトにケセドニアに送った手紙だが、三つ共に会談をすることに賛成をしてケセドニアを場に使うことを了承してくれた。それでこちらで誰が行くかだが・・・ルーク殿はこのグランコクマで待っていてほしい」
「えっ・・・何故、ですか?」
そして淡々と話を始めるピオニーだが、ケセドニアに行かず待機をしてほしいと言われルークが戸惑い意外そうに目を見開く。
「こちらとしても第七譜石の事を理解してもらうつもりで場には望むしアクゼリュスがもうない今となっては心配は無用だろうが、キムラスカ側としては貴殿の姿があれば是が非でも手の内に戻そうと画策しかねんからな。一応の安全の為に加え首脳会議に不穏な空気を持ち込みたくないから、貴殿にはグランコクマにいてもらいたいのだ」
「あ・・・・・・はい、わかりました。このグランコクマで待ちたいと思います・・・」
そんな姿にピオニーは真剣な眼差しでまだ預言を諦めきれてない可能性があるから火種を持ち込まない為と言い、ルークもその考えに気付き素直にグランコクマで待つと頷いた。まだルークの安全は確定出来た訳ではない、そう理解出来た為に。











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