時代と焔の守り手は龍の剣 第二十一話
「お前さ・・・ピオニー陛下から色々言われて頭の中ぐちゃぐちゃになってんだろ?」
「はい・・・」
「・・・俺も気持ちは分かる気はする。レプリカの事言われた時、俺もどうすりゃいいかわかんなかったからな・・・」
「・・・でも貴方はカクノシンさん達と共に旅をしてきて、今こうやっている・・・どうして貴方は立ち直ったんですか・・・?」
まずはとその心中を察する言葉を向けるルークは続けて、自身も似たような物だったと思い返すよう遠い物を見るような目になる。その時の事を少なからず聞いたイオンはたまらず、どうやってそこから抜け出したのかと核心を問う。
「・・・立ち直ったっつーか、何ていうかな・・・俺はただ、後悔したくないから選択をしただけだ」
「・・・後悔したくないから選択・・・?」
だが問いかけた相手のルークから考えるように首をひねりながらハッキリしない返答をもらったことで、イオンは首を傾げた。意味がわからないと。
「まぁ詳しく説明すると・・・俺はアッシュの考えに行動の意味を直に会って聞いたんだよ、カクノシン達のおかげでな。それでアイツと直接会って話して俺は自分の中にあった考えを実行に移した、例えアッシュに更に恨まれる事になっても『ルーク』としての立場を捨ててたまるかってな・・・」
「それは、アッシュは・・・」
「・・・イオンからすりゃ不憫に思うだろうな、アイツの境遇は。言い訳をする気はない、アイツの居場所は俺が完璧に奪うことにした。それは変えようがない・・・けどそうでもしなければ俺は間違いなく後悔していた、アイツを被害者面にさせたまま罪を無いものにされてたならな」
「え・・・罪って・・・?」
それでアッシュと会った時の事を口にするルークにイオンは同情めかせた声を上げるが、続いた罪との言葉に疑問形の声をあげたことでルークの表情が苦みを加えた怒りに染まる。
「・・・お前は、タルタロスで六神将がしたことを忘れたってのか?カイツールの国境で誰が何をやって、軍港でアリエッタに指示を誰が出したのか忘れたってのか・・・!?」
「っ・・・!」
「・・・どうやら思い出したようだな、全部にアッシュが関わってる事を・・・!あれは全部、アッシュは償わなけりゃなんねーもんなんだ・・・けどアイツは償うどころか、俺に八つ当たりとしか言えねー怒りをぶつけるばかりでその事に後悔も懺悔も何もする事もなかった・・・まるでそうして当然って言わんばかりにな・・・!・・・なぁイオン、お前は俺の立場だったらアッシュを全て許せるか?そればかりか自分が悪いってアッシュの為に道を譲ろうなんて、お前なら思えるか?」
「っ・・・そんな、こと・・・出来る、訳ありません・・・」
・・・アッシュの犯した行動は逆恨みの末の事とは言え、起因する物がルークというのは紛れもない事実であった。
弱くも確かな力を持ってアッシュの行動を思い出させてかつ自分の立場になってみろと言ったルークに、さしものイオンも許せるわけがないと思い至ったようで力なく途切れ途切れに肯定の声を出す以外に出来なかった。
「・・・話が妙に暗いもんになっちまったな。でもこれでイオンも分かったんじゃねーのか?・・・後悔しないためにちゃんと考えてどうするのかを決めるって事を」
「・・・それは・・・でも僕にそんなことが出来るかどうか・・・」
「出来るかどうかじゃねぇ・・・やるかどうかを決めるんだ。偉そうな事を言っちゃいるけど、俺だってカクノシンやジェイド達には世話になってばかりいる。前の俺ならあいつらに付いてくなんてとっくに投げ出してたかもしんねぇ・・・それでも俺は選択したんだ、後悔しないために動くってな」
「・・・ルーク・・・」
そんな空気にしてしまったことで自らその空気を払拭しようと話を戻すルークに、イオンは不安そうにうつむく。だが自身の弱さまでもを吐露した上で自身で決めたことだと言うルークに、イオンの顔が少しだが生気を帯びた物へと変わっていた。
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「はい・・・」
「・・・俺も気持ちは分かる気はする。レプリカの事言われた時、俺もどうすりゃいいかわかんなかったからな・・・」
「・・・でも貴方はカクノシンさん達と共に旅をしてきて、今こうやっている・・・どうして貴方は立ち直ったんですか・・・?」
まずはとその心中を察する言葉を向けるルークは続けて、自身も似たような物だったと思い返すよう遠い物を見るような目になる。その時の事を少なからず聞いたイオンはたまらず、どうやってそこから抜け出したのかと核心を問う。
「・・・立ち直ったっつーか、何ていうかな・・・俺はただ、後悔したくないから選択をしただけだ」
「・・・後悔したくないから選択・・・?」
だが問いかけた相手のルークから考えるように首をひねりながらハッキリしない返答をもらったことで、イオンは首を傾げた。意味がわからないと。
「まぁ詳しく説明すると・・・俺はアッシュの考えに行動の意味を直に会って聞いたんだよ、カクノシン達のおかげでな。それでアイツと直接会って話して俺は自分の中にあった考えを実行に移した、例えアッシュに更に恨まれる事になっても『ルーク』としての立場を捨ててたまるかってな・・・」
「それは、アッシュは・・・」
「・・・イオンからすりゃ不憫に思うだろうな、アイツの境遇は。言い訳をする気はない、アイツの居場所は俺が完璧に奪うことにした。それは変えようがない・・・けどそうでもしなければ俺は間違いなく後悔していた、アイツを被害者面にさせたまま罪を無いものにされてたならな」
「え・・・罪って・・・?」
それでアッシュと会った時の事を口にするルークにイオンは同情めかせた声を上げるが、続いた罪との言葉に疑問形の声をあげたことでルークの表情が苦みを加えた怒りに染まる。
「・・・お前は、タルタロスで六神将がしたことを忘れたってのか?カイツールの国境で誰が何をやって、軍港でアリエッタに指示を誰が出したのか忘れたってのか・・・!?」
「っ・・・!」
「・・・どうやら思い出したようだな、全部にアッシュが関わってる事を・・・!あれは全部、アッシュは償わなけりゃなんねーもんなんだ・・・けどアイツは償うどころか、俺に八つ当たりとしか言えねー怒りをぶつけるばかりでその事に後悔も懺悔も何もする事もなかった・・・まるでそうして当然って言わんばかりにな・・・!・・・なぁイオン、お前は俺の立場だったらアッシュを全て許せるか?そればかりか自分が悪いってアッシュの為に道を譲ろうなんて、お前なら思えるか?」
「っ・・・そんな、こと・・・出来る、訳ありません・・・」
・・・アッシュの犯した行動は逆恨みの末の事とは言え、起因する物がルークというのは紛れもない事実であった。
弱くも確かな力を持ってアッシュの行動を思い出させてかつ自分の立場になってみろと言ったルークに、さしものイオンも許せるわけがないと思い至ったようで力なく途切れ途切れに肯定の声を出す以外に出来なかった。
「・・・話が妙に暗いもんになっちまったな。でもこれでイオンも分かったんじゃねーのか?・・・後悔しないためにちゃんと考えてどうするのかを決めるって事を」
「・・・それは・・・でも僕にそんなことが出来るかどうか・・・」
「出来るかどうかじゃねぇ・・・やるかどうかを決めるんだ。偉そうな事を言っちゃいるけど、俺だってカクノシンやジェイド達には世話になってばかりいる。前の俺ならあいつらに付いてくなんてとっくに投げ出してたかもしんねぇ・・・それでも俺は選択したんだ、後悔しないために動くってな」
「・・・ルーク・・・」
そんな空気にしてしまったことで自らその空気を払拭しようと話を戻すルークに、イオンは不安そうにうつむく。だが自身の弱さまでもを吐露した上で自身で決めたことだと言うルークに、イオンの顔が少しだが生気を帯びた物へと変わっていた。
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