時代と焔の守り手は龍の剣 第二十話
「何をそんな目をしている?そもそもの始まりは貴様がヴァンの企みを知って起こした行動の数々にある。そうさせたのは当人の資質もだろうが、お前の近くにいた兄が成長の点で責任の一端を担っているのは当然だろう。ヴァンはそれを理解しただけに過ぎん」
「・・・とは言え私はほぼティアに対し何もしてやれたことなどなかった、そう思ったからこそ責任があると思ったのだがな」
「・・・っ!」
そんな目をするティアにはっきりとそんな目をする資格はない、お門違いと告げる比古清十郎にヴァンも自身の失態と言い尚更に何をときつい目をティアは向ける。
「何を言っているの、ヴァン!そもそも貴方がダアトに反旗を翻したりパッセージリングを壊すような行動を取りさえしなかったら、私だってこんな事になってはいなかったわ!」
「・・・チッ」
そしてそこから出てきたのはあろうことか自分のやって来たことを全部棚にあげた上で、そもそも論でヴァンに全ての原因があるという極めて無責任極まりない答え。その答えに周りが全員呆れに凍り付く中、比古清十郎の舌打ちの音だけが鳴り響く。
「・・・お前がヴァンの何に期待していたかは知りたくもないが、少なくともお前はヴァンの何かを察していたのは前にも聞いた。その時点でお前はヴァンが何もしていなかったらなんて言う資格なんぞあるわけがない」
「そ、それは・・・」
「・・・それにだ。全てが兄のせいと言うのなら、それを糺せも出来なかったお前は一体何様の立場で物を言うと言うんだ?兄を誤りから引き戻すことも出来なかったと言うのに、その口で何を言う。答えてみろ、はっきりした答えを持っているというならな」
「・・・っ・・・」
その苛立ちのまま比古清十郎は口で責めていく、ティアの考えなしの発言を。そうすれば案の定答えを返せず終いには口を悔しそうに引き締め、下を向く姿を見せる。
「・・・ティア、最早私とお前の道は交わることはないだろう。だから言っておきたいことがある、聞いてほしい」
「・・・一体、何を・・・?」
そんな姿にヴァンが神妙な面持ちを浮かべ改まった様子を浮かべると、ティアは心底からの疑問の表情を浮かべヴァンを見る。
「確かに私がやろうとしていたことは一般的な道義にお前の目から見れば非難されるべき行動だ。二年前にお前が私を刺した時は大事にしたくないのもあったが、お前を巻き込みたくなかったからこそ穏便に事を済ませた。現にそこまでの事をされてもお前には異例とも呼べるような結果にしてもらった・・・だが本当はそこで私は兄として間違っていたのだと、お前に道を標すべきだったと今は後悔しているよ。お前と向き合わなかった事による結果を今見てな」
「私と、向き合わなかった・・・?」
「そうだ。いかに神託の盾の謡将の身にいるとは言え、お前と真剣に向き合っていればよかったと思っている・・・このような信念を持たず、ただ場の流れと勢いに乗って考えなしに発言するような子にならないようにするためにな」
「っ・・・!?」
それで自分も悪いと言いつつ向き合わなかったと言葉を用いたヴァンになんのことかと首を傾げたティアだったが、続けられた今までの兄にない自身に向けた嘆きと自らに向けられた侮辱に目を瞬時に大きく剥き驚きを露にした。
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「・・・とは言え私はほぼティアに対し何もしてやれたことなどなかった、そう思ったからこそ責任があると思ったのだがな」
「・・・っ!」
そんな目をするティアにはっきりとそんな目をする資格はない、お門違いと告げる比古清十郎にヴァンも自身の失態と言い尚更に何をときつい目をティアは向ける。
「何を言っているの、ヴァン!そもそも貴方がダアトに反旗を翻したりパッセージリングを壊すような行動を取りさえしなかったら、私だってこんな事になってはいなかったわ!」
「・・・チッ」
そしてそこから出てきたのはあろうことか自分のやって来たことを全部棚にあげた上で、そもそも論でヴァンに全ての原因があるという極めて無責任極まりない答え。その答えに周りが全員呆れに凍り付く中、比古清十郎の舌打ちの音だけが鳴り響く。
「・・・お前がヴァンの何に期待していたかは知りたくもないが、少なくともお前はヴァンの何かを察していたのは前にも聞いた。その時点でお前はヴァンが何もしていなかったらなんて言う資格なんぞあるわけがない」
「そ、それは・・・」
「・・・それにだ。全てが兄のせいと言うのなら、それを糺せも出来なかったお前は一体何様の立場で物を言うと言うんだ?兄を誤りから引き戻すことも出来なかったと言うのに、その口で何を言う。答えてみろ、はっきりした答えを持っているというならな」
「・・・っ・・・」
その苛立ちのまま比古清十郎は口で責めていく、ティアの考えなしの発言を。そうすれば案の定答えを返せず終いには口を悔しそうに引き締め、下を向く姿を見せる。
「・・・ティア、最早私とお前の道は交わることはないだろう。だから言っておきたいことがある、聞いてほしい」
「・・・一体、何を・・・?」
そんな姿にヴァンが神妙な面持ちを浮かべ改まった様子を浮かべると、ティアは心底からの疑問の表情を浮かべヴァンを見る。
「確かに私がやろうとしていたことは一般的な道義にお前の目から見れば非難されるべき行動だ。二年前にお前が私を刺した時は大事にしたくないのもあったが、お前を巻き込みたくなかったからこそ穏便に事を済ませた。現にそこまでの事をされてもお前には異例とも呼べるような結果にしてもらった・・・だが本当はそこで私は兄として間違っていたのだと、お前に道を標すべきだったと今は後悔しているよ。お前と向き合わなかった事による結果を今見てな」
「私と、向き合わなかった・・・?」
「そうだ。いかに神託の盾の謡将の身にいるとは言え、お前と真剣に向き合っていればよかったと思っている・・・このような信念を持たず、ただ場の流れと勢いに乗って考えなしに発言するような子にならないようにするためにな」
「っ・・・!?」
それで自分も悪いと言いつつ向き合わなかったと言葉を用いたヴァンになんのことかと首を傾げたティアだったが、続けられた今までの兄にない自身に向けた嘆きと自らに向けられた侮辱に目を瞬時に大きく剥き驚きを露にした。
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