時代と焔の守り手は龍の剣 第二十話
・・・それでジェイドは二人と会話する為に牢屋に入ろうとした訳だが、そこで二人が変にいがみ合わないようにと少し離した場所にある牢屋に入れていると聞いた為、牢屋の前の兵士に頼み二人を今いる場に連れてくるようにセッティングしてもらった。
「・・・兄さん・・・」
「・・・」
・・・そして二人とも縄で縛られた状態でジェイド達の前に連れてこられてきた訳だが、久し振りに見る兄の姿にティアは複雑そうな表情を浮かべている。最もヴァンはそんな声に反応などせず静かに目をつぶっている。
「さて、貴殿方にここに来ていただいた訳ですが・・・まずはそこから説明しましょう」
そんな二人にさっとジェイドは始める、外殻大地降下の為の手順及び負ってほしいその役割を。
「・・・という訳です。この後我々はセフィロトに向かう訳ですが、その時ユリア式封呪を解除するにはユリアの血族である貴殿方のその身が必要になるので我々はここに来たのです」
「「・・・」」
それでさりげに外殻大地降下以外の事を隠しつつも説明し終えたジェイドに、ヴァンは表情を変えないままいてティアはどこか目を輝かせて見ている。
「では大佐、私にその役目をくれるんですか・・・?」
「・・・そのつもり、と言いたい所ですが少々厄介な事があります」
「えっ・・・?」
それで期待のこもった声を向けられジェイドは不安を煽るような事を言い、ティアの表情をそのまま不安に崩させる。
「これは我々の調べでわかったことですが、ユリア式封呪の解除の際には通常では有り得ない程の障気を受けるとわかりました。どれほどかと言えば何ヵ所かユリア式封呪を解除すれば、死に至る可能性があるほどのレベルでです」
「えっ・・・!?」
「そしてそれほどの障気を身に受ければ、まず治療を受けても完治の見込みどころか症状の緩和すら見込めないレベルになります。手を尽くせば症状の進行を阻止し痛みを感じない程度の処置を施せは出来るでしょうが、どちらにせよそれだけの障気を身に受けることは覚悟していただかなくてはなりません・・・最も、ユリア式封呪の解除の最中に死ぬ可能性も否定出来ませんけどね」
「!」
そのままにジェイドがユリア式封呪の解除の際のリスクを明かせばティアはわかりやすく驚愕し、更にローレライのことを言わず治らないと言った上で途中で死ぬ可能性もあると言うと恐怖に震えたよう身を引いた。
「ですがそのような状態になると分かっていても、ユリアの血族である貴殿方以外に封呪を解除する事は出来ません。ですから我々は貴殿方に協力を願い出に来たんですよ」
「・・・っ!」
それで再度協力をしてもらうために来たと告げるジェイドに、既にティアには先程のような期待のこもった目は存在しておらず恐怖に震えたまま口をつぐむ。
(予想通りですね。これがいかにも貴女以外にいないと言った上で障気の事を言わなかったなら喜んで食いついたでしょうが、明らかに死を覚悟してやってもらうなんて強制で言われてティアが気持ちよく了承するわけないですからね。いかにもティアが悲劇的に見えるような状況で誰か味方がいたならその気になっていたでしょうが、味方もいませんし現実的に物を言われたら返しようもないでしょうし)
ジェイドは自身なりにティアの人となりから現実的な事を受け入れられないと感じていた、いかにも劇的な事・・・つまりは綺麗に見える事を好む癖があると。そんないわばシンデレラコンプレックスとも言える悪癖を持つティアにはリアルな危険に死は酷く受け入れがたい物と言えると、ジェイドは考えていた。
(まぁこれで謡将もダメだと言うなら無理にでも連れていくつもりですけどね、ティアの意志など関係無く)
そしてティアがいかに嫌がろうともこの後の結果次第では死を理解させた上で連れていく、そう考えつつジェイドはヴァンに視線を向ける。
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「・・・兄さん・・・」
「・・・」
・・・そして二人とも縄で縛られた状態でジェイド達の前に連れてこられてきた訳だが、久し振りに見る兄の姿にティアは複雑そうな表情を浮かべている。最もヴァンはそんな声に反応などせず静かに目をつぶっている。
「さて、貴殿方にここに来ていただいた訳ですが・・・まずはそこから説明しましょう」
そんな二人にさっとジェイドは始める、外殻大地降下の為の手順及び負ってほしいその役割を。
「・・・という訳です。この後我々はセフィロトに向かう訳ですが、その時ユリア式封呪を解除するにはユリアの血族である貴殿方のその身が必要になるので我々はここに来たのです」
「「・・・」」
それでさりげに外殻大地降下以外の事を隠しつつも説明し終えたジェイドに、ヴァンは表情を変えないままいてティアはどこか目を輝かせて見ている。
「では大佐、私にその役目をくれるんですか・・・?」
「・・・そのつもり、と言いたい所ですが少々厄介な事があります」
「えっ・・・?」
それで期待のこもった声を向けられジェイドは不安を煽るような事を言い、ティアの表情をそのまま不安に崩させる。
「これは我々の調べでわかったことですが、ユリア式封呪の解除の際には通常では有り得ない程の障気を受けるとわかりました。どれほどかと言えば何ヵ所かユリア式封呪を解除すれば、死に至る可能性があるほどのレベルでです」
「えっ・・・!?」
「そしてそれほどの障気を身に受ければ、まず治療を受けても完治の見込みどころか症状の緩和すら見込めないレベルになります。手を尽くせば症状の進行を阻止し痛みを感じない程度の処置を施せは出来るでしょうが、どちらにせよそれだけの障気を身に受けることは覚悟していただかなくてはなりません・・・最も、ユリア式封呪の解除の最中に死ぬ可能性も否定出来ませんけどね」
「!」
そのままにジェイドがユリア式封呪の解除の際のリスクを明かせばティアはわかりやすく驚愕し、更にローレライのことを言わず治らないと言った上で途中で死ぬ可能性もあると言うと恐怖に震えたよう身を引いた。
「ですがそのような状態になると分かっていても、ユリアの血族である貴殿方以外に封呪を解除する事は出来ません。ですから我々は貴殿方に協力を願い出に来たんですよ」
「・・・っ!」
それで再度協力をしてもらうために来たと告げるジェイドに、既にティアには先程のような期待のこもった目は存在しておらず恐怖に震えたまま口をつぐむ。
(予想通りですね。これがいかにも貴女以外にいないと言った上で障気の事を言わなかったなら喜んで食いついたでしょうが、明らかに死を覚悟してやってもらうなんて強制で言われてティアが気持ちよく了承するわけないですからね。いかにもティアが悲劇的に見えるような状況で誰か味方がいたならその気になっていたでしょうが、味方もいませんし現実的に物を言われたら返しようもないでしょうし)
ジェイドは自身なりにティアの人となりから現実的な事を受け入れられないと感じていた、いかにも劇的な事・・・つまりは綺麗に見える事を好む癖があると。そんないわばシンデレラコンプレックスとも言える悪癖を持つティアにはリアルな危険に死は酷く受け入れがたい物と言えると、ジェイドは考えていた。
(まぁこれで謡将もダメだと言うなら無理にでも連れていくつもりですけどね、ティアの意志など関係無く)
そしてティアがいかに嫌がろうともこの後の結果次第では死を理解させた上で連れていく、そう考えつつジェイドはヴァンに視線を向ける。
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