「・・・ならばやはり預言を詠むのを止めるには、第七音素を無くす事以外に無いようですね。今の世界の現状で預言を詠むのをやめると宣告して国がそう広めた所でまず納得するわけがない上、隠れて預言を詠むようにする集団などそれこそ山ほど出てくるでしょう。最悪ダアトとキムラスカとマルクトの預言肯定派が丸々と敵になりかねない。そう考えれば、預言を無くすには強制的に詠めないようにするしかないと言うことになります。となれば、プラネットストームを止める以外に選択肢はない・・・」
『・・・我もそれしかないと思っている。それにプラネットストームを止めねばいずれそなたらが障気の押し込みに使ったタルタロスはいずれ壊れることは免れられん。もうここで第七音素の恩恵を手放さねばいずれ人類どころか、このオールドラントすら滅びてしまうだろう』
「でしょうね・・・」
預言を止める手段はない。そう聞き預言を詠む者達の反逆という最悪の場合を想定したジェイドだがローレライから更にタルタロスの事も上げられ、重々しく頷く。
「・・・まずはグランコクマに戻りましょう。我々がローレライを解放したことをピオニー陛下に報告した上で、どういった対処を取るべきか協議するのがいいと思います。ただそうする場合少し、問題があります・・・」
『成程、我の事か』
それで少し間を空け一先ずグランコクマに戻るべきと考えをまとめたジェイドだが、問題と言い自身を見る目にローレライが納得の声を上げる。
「貴方が音譜帯に昇りたいのはわかります。ですが今のまま音譜帯に上がられてしまうと、色々問題があるんです。我々だけがローレライを解放し、音譜帯に昇るのを見送ったとなればね。恐らく一番問題として出てくるのは本当にローレライを解放したのか、という疑いが出ることですが・・・最もタチが悪いのは再び出てきたローレライという伝説の存在に貴方が何をしようとも、その存在に預言の象徴として担ぎ上げる可能性が出てくることです。そうなればプラネットストームを停止させて預言を止める事など、到底人々には受け入れられないと私は見ています」
「勝手にその意味を曲解して捉え、いいものとして伝え回るか・・・そうなったら確かに最悪な上に有り得る話だな」
『・・・むぅ』
その上でいかにその後が酷くなるのかと二つの事例を上げるジェイドに加え比古清十郎も太鼓判を押したことに、ローレライも理解出来てるようで苦そうな声を上げる。
「・・・すみませんがローレライ、貴方の行動を制限するようで申し訳ないのですが我々と共にグランコクマに来てはいただけないでしょうか？出来れば貴方のことを穏便に処置出来る形にした後、こちらは音譜帯に行っていただきたいのですが・・・」
『・・・いいだろう。我としてもそのような事態は避けたいのでな。そういうことならそなたらとしばし行動を共にしよう』
そこでジェイドが下手に出るようグランコクマへの同行を慎重に頼み込めば、ローレライはすぐに了承の声を返す。
『では我はルークの持つ鍵に宿っていこう・・・大丈夫か、ルーク？』
「・・・あぁ、話の間休憩してたからな。大丈夫だよ・・・なぁ、鍵に宿るっつってたけど宿るなら早くしてくれ。宿らねぇと上に戻れねぇんだろ？」
『あぁ、済まない。ではすぐに宿ろう』
それでローレライは鍵に宿るとルークを見て気遣うように声をかければ、地面に座って見上げ落ち着いた表情で頷きつつ早くやるならやれと言う。その言葉に従いローレライは鍵に近付き、吸い込まれるよう鍵の中に入る。
「・・・本当に入ったよ・・・」
『では行こうか』
「行きましょう、ルークさん」
「・・・あぁ」
その光景に少し呆然とした様子のルークだったが鍵の中からのローレライの声とセカンの声により、微妙な気持ちになりながらも鍵を手に取り立ち上がりながら先にアルビオールに戻る比古清十郎達の後を付いていく・・・











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