時代と焔の守り手は龍の剣 第十九話

「確か超振動を使うのには意識を鍵に集中させるんだよな・・・よし!」
‘カッ!’
「うわっ!?・・・なんだ、体が・・・勝手に・・・!?」
「「「「!!」」」」
それでルークがローレライの鍵を掲げながら使おうと決意を固めた瞬間鍵から第七音素の光が出てルークの全身を包み込み、ルークの動きが妙におぼつかなくなって鍵を持ち上げ出し勝手に動くと恐怖混じりに言ったことに周りの面々は驚きに満ちた表情になる。
「ルークさん!」
「止めるなセカン!」
「でも・・・!」
「黙って見ていろ、これがローレライの施した処置だろう。下手に止めればどうなるかわからん、もしまかり間違って超振動が暴走などすれば最悪な事態になりかねんぞ」
「・・・!」
そこにセカンが駆け寄ろうとするが比古清十郎の厳しい声での制止を受け立ち止まり、止める事の危険性を告げられ苦い表情で動きの鈍いルークを見つめる。
「ルーク、抵抗せずその音素に従って動いてください。変に抵抗すれば体に負担が来ますし、ローレライの言葉が正しければ貴方に害はないはずです」
「・・・わかった・・・!」
そんな苦しそうな姿にジェイドが逆らうなとアドバイスを送れば、苦しそうながらも了承の声を返す。と同時にルークの動きから多少鈍さが消え、すんなりとローレライの鍵を持ち上げきる。そしてそのローレライの鍵に第七音素が次第に集まっていく・・・
「・・・うっ!あぁぁぁぁぁぁっ!」
‘ザブッ!’
周りが緊迫感を持って静かに見守る中、唐突に叫び声を上げながらルークは勢いよくローレライの鍵を地面に突き刺す。
「「「「・・・っ!」」」」
・・・一同は言葉を発する事が出来ない、その初めての超振動を使うルークに誰も超振動を使えない為に何も言えず見守る以外に出来なかった。



‘フッ’
「っ!・・・ハァ、ハァ・・・」
「ルークさん!」
・・・時間にして数秒もした時、唐突に終わりは訪れた。ルークを覆う第七音素の光が無くなりそれと共に鍵を手放しルークは地面に膝を突き疲労困憊と言った様子で荒く息をし、セカンがすかさず駆け寄る。
『・・・すまなかったな、ルーク。お前のおかげで我は地核から出ることが出来た。礼を言おう』
‘カッ!’
「くっ・・・・・・そうか、お前がローレライか・・・」
『いかにも、我がローレライだ』
するとルークが超振動によって開けた穴から声がして光が一瞬にして辺りに広がった。その光に一同目がくらんだが腕でとっさに目をかばったため真っ先に視力を取り戻した比古清十郎が目の前に現れた光の球のような存在をローレライと言えば、その通りと肯定で返す。
「・・・貴方が、ローレライ・・・お会い出来て光栄、と言うのはまだ後に取っておきます。今は貴方が地核からの解放の後、何をしようとしているのか・・・聞かせてもらいましょうか?」
『・・・そう睨み付けないでほしい。誓って言うが我は良からぬ想いを抱いて地核からの解放を願ったのではない。ただ我は音譜帯に昇りたくて地核よりの解放を願ったのだ』
「・・・音譜帯に昇る・・・?」
そこに次はジェイドが丁寧な口調でその目的を早速聞きにかかるが、油断なく自身を見据えるその視線にローレライはすんなりとその目的を語る・・・音譜帯に昇る事だと。







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