時代と焔の守り手は龍の剣 第十九話
『我がここに来た理由・・・それはルークがここに来ることを知り、どうにか地核に閉じ込められた我をルークに解放してほしいと願ったが為だ』
「何・・・地核にお前がいるというなら今のお前はなんだ?」
『今の我はあくまで我の一部を飛ばした分身に過ぎん、少し時が経てばすぐに消えてなくなる』
「成程・・・ならルークが必要とはどういうことだ?」
「「「「・・・」」」」
ローレライの早速の本題に入る声に比古清十郎がそのまま引き継ぐよう一同の代表の形で答弁をするが、ルークという名で声に緊迫感が増したことで一同の表情が強張る。
『それは我が地核から出るには超振動が必要だからであり、今の我では超振動を使えないからだ』
「超振動が使えない?・・・第七音素の集合体であるお前が、第七音素の力の代表格である超振動を使えないだと?」
『・・・それはプラネットストームの循環により第七音素の流れが常に滞りなく動いていて、超振動を持ってその流れを貫こうと超振動に第七音素に変換しようとしても周りに流れる第七音素に妨害されてうまく超振動に変換することが出来んのだ』
「成程・・・要は河童の川流れとは少し違うかもしれんが、激流相手ではいかに泳ぎ上手でも泳ぐことは出来ん。そう言うことか・・・それでお前と同じ力を持つルークに例えるなら何とか川の外から縄を投げ入れてもらうよう、助力が欲しい。それも超振動というそれ以外では自分が助からない唯一無二の縄を・・・と言った所か」
『そうだ・・・だがいいえて妙だな、河童の川流れとは。第七音素の集合体である我が第七音素のせいで何も出来んとは・・・フフッ、こんな状況だが少し笑ってしまうな』
「「「「・・・」」」」
そこからローレライは何故ルークが必要なのかを超振動という単語を含めて説明するが、比古清十郎が例え話でその状況を変換したことにローレライは自嘲と寂寞が入り交じった笑い声を上げ一同はなんとも言えない表情になる。
「話を続けるぞ」
『・・・あぁ』
だが一人何も表情を変える事なくマイペースに先を進める比古清十郎に、否応なしにローレライはその空気を引き戻される。
「ルークがここに来るのを待っていたと言ったが、どうしてお前はそれを知った?」
『何、それは簡単な事だ。人間の言い方で言えば同調フォンスロットというものを開けば意識をルークとの間に繋げることは容易だからな。声を鮮明に繋げることは無理でも同位体であるルークの音素を感じ、どこにいるのかを知るのは容易い。故に我はそなたらがここに来ることを知ったのだ、ルークの存在を感じることでな』
「ちょっと待て!・・・まさかあの声って、お前だったのか・・・!?」
『そうだ。いつか我はこの声がそなたに届くことを願い、度々そなたに通信を試みてきた・・・だがそなたにまともに声が届いた事はなかったが、まさかこのような形で会うことになろうとはな』
「・・・俺もこんな形で正体知ることになるなんて思わなかったよ」
次の話題はいかにして来訪を知ったかだが自分の名前が上がり声と出た事にルークが慌てて反応すれば、ローレライがそれを肯定しながらもしみじみとした声を上げると微妙な表情で同意する。
・・・昔のルークだったなら「あの頭痛お前のせいだったのかよ!あんなこと何回もせずさっさと諦めろようぜぇ!」くらいは遠慮なく周りを気にせず言っていただろうが、今のルークは他者のことを重んじるくらいは出来るようになっている。その上、話の流れを理解することを難しいからと理解を放棄することもないくらいに理解力と根気が良くなっていた。これも1つの成長の形と言えるだろう。だがそれでもその成長の形はまだ一部に過ぎない。
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「何・・・地核にお前がいるというなら今のお前はなんだ?」
『今の我はあくまで我の一部を飛ばした分身に過ぎん、少し時が経てばすぐに消えてなくなる』
「成程・・・ならルークが必要とはどういうことだ?」
「「「「・・・」」」」
ローレライの早速の本題に入る声に比古清十郎がそのまま引き継ぐよう一同の代表の形で答弁をするが、ルークという名で声に緊迫感が増したことで一同の表情が強張る。
『それは我が地核から出るには超振動が必要だからであり、今の我では超振動を使えないからだ』
「超振動が使えない?・・・第七音素の集合体であるお前が、第七音素の力の代表格である超振動を使えないだと?」
『・・・それはプラネットストームの循環により第七音素の流れが常に滞りなく動いていて、超振動を持ってその流れを貫こうと超振動に第七音素に変換しようとしても周りに流れる第七音素に妨害されてうまく超振動に変換することが出来んのだ』
「成程・・・要は河童の川流れとは少し違うかもしれんが、激流相手ではいかに泳ぎ上手でも泳ぐことは出来ん。そう言うことか・・・それでお前と同じ力を持つルークに例えるなら何とか川の外から縄を投げ入れてもらうよう、助力が欲しい。それも超振動というそれ以外では自分が助からない唯一無二の縄を・・・と言った所か」
『そうだ・・・だがいいえて妙だな、河童の川流れとは。第七音素の集合体である我が第七音素のせいで何も出来んとは・・・フフッ、こんな状況だが少し笑ってしまうな』
「「「「・・・」」」」
そこからローレライは何故ルークが必要なのかを超振動という単語を含めて説明するが、比古清十郎が例え話でその状況を変換したことにローレライは自嘲と寂寞が入り交じった笑い声を上げ一同はなんとも言えない表情になる。
「話を続けるぞ」
『・・・あぁ』
だが一人何も表情を変える事なくマイペースに先を進める比古清十郎に、否応なしにローレライはその空気を引き戻される。
「ルークがここに来るのを待っていたと言ったが、どうしてお前はそれを知った?」
『何、それは簡単な事だ。人間の言い方で言えば同調フォンスロットというものを開けば意識をルークとの間に繋げることは容易だからな。声を鮮明に繋げることは無理でも同位体であるルークの音素を感じ、どこにいるのかを知るのは容易い。故に我はそなたらがここに来ることを知ったのだ、ルークの存在を感じることでな』
「ちょっと待て!・・・まさかあの声って、お前だったのか・・・!?」
『そうだ。いつか我はこの声がそなたに届くことを願い、度々そなたに通信を試みてきた・・・だがそなたにまともに声が届いた事はなかったが、まさかこのような形で会うことになろうとはな』
「・・・俺もこんな形で正体知ることになるなんて思わなかったよ」
次の話題はいかにして来訪を知ったかだが自分の名前が上がり声と出た事にルークが慌てて反応すれば、ローレライがそれを肯定しながらもしみじみとした声を上げると微妙な表情で同意する。
・・・昔のルークだったなら「あの頭痛お前のせいだったのかよ!あんなこと何回もせずさっさと諦めろようぜぇ!」くらいは遠慮なく周りを気にせず言っていただろうが、今のルークは他者のことを重んじるくらいは出来るようになっている。その上、話の流れを理解することを難しいからと理解を放棄することもないくらいに理解力と根気が良くなっていた。これも1つの成長の形と言えるだろう。だがそれでもその成長の形はまだ一部に過ぎない。
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