時代と焔の守り手は龍の剣 第十八話
「ここが元ホドの跡地になります。少しすれば反浮力の作用が発生してタルタロスが魔界に降りるようになるとのことですので、お待ちください」
ブリッジの中にて乗っている人員が全員集まる中、フリングスが装置の効果が出るまで時間がかかると切り出す。
「・・・ねぇ、あんたはホド出身なんだよね。それでいてその頃にはもう飛天御剣流を継承していたんだよね?」
「・・・そうだが、なんだ?」
そんな時間が少しある中でシンクが比古清十郎に思い立ったように話しかける、ホドの事について。
「その頃にはもう預言でホドが崩落する事は知っていたんだよね?・・・その時どうやってでも崩落を止めてやろうだとか、故郷を滅ぼした預言を殺したいほど憎んだりしなかったの?アンタは」
「・・・そんなことか」
そして本題はそれを止めたかったのか、それでいて預言を憎まなかったのかという物。何処か力の入った疑問に、比古清十郎はタメ息を吐かんばかりに軽く息を吐く。
「1つ目に関して言うなら現実的に見て無理だとハナからやる気も起きなかったな。ホド戦争においてのキムラスカとマルクトの主戦場はその名の通りホドで、戦争のきっかけとなったのはガルディオスだ。そうなれば地続きでなく諸島が領地のホドでは標的はガルディオスでありその所有地であるホドにしかなり得ず、マルクトの本土に飛び火することも難しく戦争がホドの諸島近辺のみで行われるだろうことも想像はついていた。そんな状況で火が付いてしまえばいかに俺が頑張った所で戦争は止められん、精々キムラスカの戦力を削るだけだ。そうなれば当然預言を擁するダアトは別の搦め手を使ってきて、パッセージリングに接触するのは目に見えていた・・・所詮1人の力でやれることなどたかが知れてる上に、当時は戦争に繋がる理由がガルディオスにあるとまでは知らなかったからな。俺は。理由が分からねばそれに繋がる経緯を潰しようがない」
「だから、ホド救出を諦めたと?」
「そういうことだ」
「成程ね」
まずはと1つ目の理由をかなり現実的な見方をした上で話す比古清十郎に、シンクは反論するでもなく納得する。
「2つ目についてだが預言を憎む以前に俺は前から預言が嫌いだったからな。別にホドが崩落したからと言って憎むなどと言った感情は特になかった」
「・・・前から気になってたんだけど、あんたの預言嫌いって筋金入りだよね。なんか嫌なことでもあったの?」
「大したことではない。ガキの時分の俺は預言でなんでも決めるという風潮に窮屈さを覚えて周りに反発していたが、周りはその窮屈な環境に馴染めと常にうざったく言ってきたからな。それでその押し付けがましくうざったい環境を次第に嫌いになり、自然と同じように預言を嫌うようになり1人でいるようになった・・・そんな時に俺のことを聞いて来た先代に会って、事実を知った。ホドの事については確かに驚愕ではあったが、何処かで納得している自分もいたな。規模は違うがダアトなら預言の為に犠牲にすることを厭わんだろうと」
「・・・確かにあんたなら預言に対して昔からイラつくくらいはありそうだし、周りに負けて預言を受け入れるなんてそれこそ有り得ないだろうしね。ただあんたの子供の姿なんてそれこそ想像出来ないけど・・・」
更にそこから2つ目の理由を語る様子に軽い会話を挟むシンクだが、子供時代からのことと聞き納得はするが微妙な口調になる。余程比古清十郎が子供の時のことを想像出来ないのだろう、していても恐らく今の姿のままで子供を蹴散らしてる姿だろう。
「・・・む・・・」
「・・・あ、タルタロスが反浮力の効力を発揮したのか・・・」
そんな微妙な想像に気持ちが下降するなか、皆がキョロキョロし出しそのタルタロスがどんどん下に行っているような初めての感覚にシンクも気を取り直して改めて今から地核に向かうのだと考える。
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ブリッジの中にて乗っている人員が全員集まる中、フリングスが装置の効果が出るまで時間がかかると切り出す。
「・・・ねぇ、あんたはホド出身なんだよね。それでいてその頃にはもう飛天御剣流を継承していたんだよね?」
「・・・そうだが、なんだ?」
そんな時間が少しある中でシンクが比古清十郎に思い立ったように話しかける、ホドの事について。
「その頃にはもう預言でホドが崩落する事は知っていたんだよね?・・・その時どうやってでも崩落を止めてやろうだとか、故郷を滅ぼした預言を殺したいほど憎んだりしなかったの?アンタは」
「・・・そんなことか」
そして本題はそれを止めたかったのか、それでいて預言を憎まなかったのかという物。何処か力の入った疑問に、比古清十郎はタメ息を吐かんばかりに軽く息を吐く。
「1つ目に関して言うなら現実的に見て無理だとハナからやる気も起きなかったな。ホド戦争においてのキムラスカとマルクトの主戦場はその名の通りホドで、戦争のきっかけとなったのはガルディオスだ。そうなれば地続きでなく諸島が領地のホドでは標的はガルディオスでありその所有地であるホドにしかなり得ず、マルクトの本土に飛び火することも難しく戦争がホドの諸島近辺のみで行われるだろうことも想像はついていた。そんな状況で火が付いてしまえばいかに俺が頑張った所で戦争は止められん、精々キムラスカの戦力を削るだけだ。そうなれば当然預言を擁するダアトは別の搦め手を使ってきて、パッセージリングに接触するのは目に見えていた・・・所詮1人の力でやれることなどたかが知れてる上に、当時は戦争に繋がる理由がガルディオスにあるとまでは知らなかったからな。俺は。理由が分からねばそれに繋がる経緯を潰しようがない」
「だから、ホド救出を諦めたと?」
「そういうことだ」
「成程ね」
まずはと1つ目の理由をかなり現実的な見方をした上で話す比古清十郎に、シンクは反論するでもなく納得する。
「2つ目についてだが預言を憎む以前に俺は前から預言が嫌いだったからな。別にホドが崩落したからと言って憎むなどと言った感情は特になかった」
「・・・前から気になってたんだけど、あんたの預言嫌いって筋金入りだよね。なんか嫌なことでもあったの?」
「大したことではない。ガキの時分の俺は預言でなんでも決めるという風潮に窮屈さを覚えて周りに反発していたが、周りはその窮屈な環境に馴染めと常にうざったく言ってきたからな。それでその押し付けがましくうざったい環境を次第に嫌いになり、自然と同じように預言を嫌うようになり1人でいるようになった・・・そんな時に俺のことを聞いて来た先代に会って、事実を知った。ホドの事については確かに驚愕ではあったが、何処かで納得している自分もいたな。規模は違うがダアトなら預言の為に犠牲にすることを厭わんだろうと」
「・・・確かにあんたなら預言に対して昔からイラつくくらいはありそうだし、周りに負けて預言を受け入れるなんてそれこそ有り得ないだろうしね。ただあんたの子供の姿なんてそれこそ想像出来ないけど・・・」
更にそこから2つ目の理由を語る様子に軽い会話を挟むシンクだが、子供時代からのことと聞き納得はするが微妙な口調になる。余程比古清十郎が子供の時のことを想像出来ないのだろう、していても恐らく今の姿のままで子供を蹴散らしてる姿だろう。
「・・・む・・・」
「・・・あ、タルタロスが反浮力の効力を発揮したのか・・・」
そんな微妙な想像に気持ちが下降するなか、皆がキョロキョロし出しそのタルタロスがどんどん下に行っているような初めての感覚にシンクも気を取り直して改めて今から地核に向かうのだと考える。
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