時代と焔の守り手は龍の剣 第十八話

「ただセフィロトツリーの浮力が不安定とは言えタルタロス1つが都合よく魔界にいくような展開があるとは思えんが・・・その辺りはどうなっている?」
「その点については問題ありません、セフィロトツリーの浮力に影響を受けずに魔界に行けるよう反浮力作用の処置を施しました。ただそれもタルタロスがホドの跡地にちゃんと行ければ、になりますが・・・」
「ならいい、別に寄り道する気はないからな」
しかしと科学的な見地で不安要素を上げる比古清十郎にイエモンが対処済みで時間をかけなければ大丈夫と返せば、すんなりと納得する。
「・・・今思ったけど、あんたって頭いいんだな。セフィロトの事まで知ってるって・・・」
「俺がセフィロトについてある程度知っているのは必要にかられてのことだ・・・まぁ俺の頭がいいのは事実だがな」
「・・・はは」
そのやり取りにルークが感心した声を上げるが、前半は真面目だったのに後半キメポーズで返され乾いた笑いを浮かべる以外に出来なかった。
「まぁそれはともかく、そのタルタロスはもう出港出来るのですか?」
「はい出来ますが、先程も言いましたようギリギリで着くように設計されていますのでその間タルタロスの中にずっといなければなりませんので準備をした上で出港してください。私達に言えばすぐに出港の準備を整えますので」
「成程、わかりました」
その姿を尻目にジェイドが出港がもう可能かを問えば、可能と言いつつ準備をした方がいいと返され頷き振り返る。
「という訳ですので、準備をしましょう。長丁場になりますので食料が必要になりますから、私は食料を用意してきます。皆さんはその間港に行ってください・・・ただルーク殿、よろしいですか?」
「・・・なんだ、ジェイド?」
「これから地核の突入に行くのですが、障気渦巻く地に行くので研究を重ねたとは言え全く危険がない訳ではありません・・・ですからここで我々が戻ってくるのを待っていただいてほしいのですが、いかがしますか?」
「・・・それって俺に行くかどうか選べって言うのか?」
「そうなります」
「だったら聞かれるまでもない・・・行くぞ俺は」
「・・・よろしいんですね?」
「・・・あぁ」
そこで準備と切り出しルークに話題を振ったジェイドはこれからは危険だと真剣に言えば、ルークはまっすぐジェイドを見据え迷いなく行くと強い意志で言う。その姿にジェイドは一つ重く頷く。
「では皆さんは先にタルタロスに向かってください、後で私も向かいます」
「あぁわかった・・・じゃあ行こうぜ」
特に反論するでもなく皆を先に送り出す言葉をかけるジェイドに、ルークも当然のように皆に声をかけその場を後にする。
「・・・いいんですか、ジェイドさん?」
「・・・絶対に引かないという意志を見ました。下手に説得をしても行かないと意見を翻す事はないでしょう。そんな彼にこれ以上何を言っても無駄だと思いましたから、私は何も言わない事にしたんです」
「っ・・・ルークさん・・・」
その流れにいいのかとジェイドにセカンが近寄り声をかければ、説得は不可能だったと首を横に振る様子にそれだけの物だったのだと出ていったルークの方を見る。その視線には複雑に絡み合った感情がこもっていた・・・







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