時代と焔の守り手は龍の剣 第十八話

・・・そんな緊迫した空気とい組とめ組の間に微妙な空気が流れる中で、ルーク達はアルビオールの状況を確認するべく役に立つ可能性のある道具を何点か取り揃えてからメジオラ高原へと向かった。



「・・・どうやらアルビオールは全壊はしていないようですね」
「ですがあのままではいずれ崖の上から落ちてしまいます、どうにかしてアルビオールを固定して一刻も早くギンジを救出しないと・・・!」
そして迷路のようにいりくんだメジオラ高原の入口に立ち入ったルーク達だが、墜落したアルビオールが崖付近で崖の底にどうにか落ちないように今は耐えている様子にイエモンの表情が焦りに揺れる。
「落ち着いてください・・・あのアルビオールの様子から見てアルビオール自体を動かすことは無理そうですから、あのアルビオールの機体は諦めていただいた方がいいでしょう」
「それはわしらもわかっております・・・ですがアルビオールに使われておる浮遊機関、あれだけは取って来てはいただけませんか?あれは創世歴よりの遺産でローレライ教団より譲渡されたもので現存しているのは予備も含め2つしかありません。あれがなくなることになればギンジだけでなく我々シェリダンの者全てがその責を取らされかねません・・・我々はまだいい、あのアルビオールにギンジを乗せた責任を取る必要があります。ですがそうなってしまえば、他の者があまりにも・・・」
「・・・いいでしょう、わかりました」
そんな姿にアルビオールを諦めてもらうことを了承させようとするジェイドだが、使われている浮遊機関は持って帰って来てほしいと切実に願うイエモンに重く頷く。
「ではすみませんがセカン、協力をしていただけませんか?あのアルビオールの様子から見て崖に落ちないよう、アルビオールをしっかりと二手から固定する必要があります。イエモンさん達が持ってきた道具にそう出来る道具はありますが、そうするにはこの高原の中を二手に分かれて進む以外にありません。時間をかければその分アルビオールが崖から墜落する可能性が増します」
「だから私が片側を担当して時間の消費を無くし、早くギンジさんを助けるんですね。わかりました、やります」
そこからセカンに振り返り協力を願い出るジェイドに、状況をしっかりと理解出来ているセカンはそう言うことならと即答で頷く。
「・・・ちょっと待ってくれ、俺も行く」
「ルークさん・・・?」
するとそこに真剣な面持ちのルークが一歩前に出て、自らもギンジ救出にと言ってきた。
「いいんですか、ルークさん・・・?」
「ここで黙って見てるだけなんて嫌だ、俺はお前達のやることを見届けたい。迷惑はかけないようにする・・・頼むセカン、ジェイド」
「・・・引かれる気は無いんですね?」
「・・・あぁ、悪いって思う。けどここでただ見てるだけなんて事したら、俺後悔するかもしれない。だから・・・」
「・・・わかりました」
「ジェイドさん・・・」
セカンの真意を疑う声にルークは全く揺るぎない様子で返す。その返答にはセカンではなくジェイドが了承を返し、何をとセカンは返答の主を見る。
「ですが貴方の身を出来る限りは危険に晒したくはありません。ですのですみませんがシンク、貴方はセカンとルーク殿に付いていってくれませんか?カクノシン氏がいればよかったのですが今の現状では手が足りません。代わりと言ってはなんですが減刑の件で予定していた分より罪がなくなるようにさせていただきますが・・・どうしますか?」
「・・・まぁいいよ。そう言うことなら僕に断る理由はないから」
しかしそうすればルークが危険なことは承知の上だとセカンを見ずシンクにも護衛をしてほしいと取引材料を持って言えば、あっさりと首を縦に振る。
「・・・よろしいですね、セカン?」
「そういうことなら・・・わかりました」
そうやって話が決まった所でジェイドから視線を向けられ、セカンが断れるはずもなかった。とは言えそこまで考えてなかった自身に対し、少し苦い顔にはなっていたが。







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