時代と焔の守り手は龍の剣 第十八話
「おい、今の話は誰にもするな。この話は元々秘匿にするべき物だったが、話の流れ上言わねば説明がつかんものだったからな。だがそれを周りに喧伝されても面倒なだけだ、もし話したらチーグル族共々斬って捨てるぞ」
「ミュッ!?ミュウゥゥゥ・・・わかったですの、言わないですの・・・」
しかしそんな内面をおくびも出さず話をするなと鋭い目付きで制止を命じれば、ミュウもその本気の迫力に怯えながらも素直にその命令に頷く。
「ならいい。さて、この刀の使い方は口伝によれば封呪に当てて念じるだったか・・・そうすればこの封呪は解除されるという話だが、果たして・・・」
その姿に満足しつつも比古清十郎は刀の使い方を確かめるよう呟きながら切っ先をダアト式封呪により封印された扉に向け、接触させる。
‘パキィィィン’
「・・・ふん、成程。こう言うことになるか」
その瞬間ダアト式封呪の扉は何かが割れるような甲高い音と共に砕け散った。その事に満足げに比古清十郎は笑む。
「さて、行くぞ。振動周波数の測定に向かわねばならんからな」
「はいですの!」
そのままに比古清十郎はミュウの頭を掴みながら先へと進んでいく。その元気よく返す返答には一切きつそうな様子はなく、掴む手には力が入ってないことを物語っていた。
・・・そしてセフィロトの中に入った比古清十郎は、真っ直ぐにパッセージリングの制御盤の元へと向かった。尚、創世歴の技術の粋を集めたこの場にいるのに全く感動を比古清十郎は覚えていないのだが、元々技術面に関して興味を持っていないのもあるがダアト式封呪で封じられていないセフィロトに行ったことがあるからだ。
「・・・着いたな」
一度中を見たからこそ造りもわかるし、何の感慨も湧かない。比古清十郎は目的の制御盤のある場所にまで辿り着いたが、一切テンションが上がる様子もなく測定器を取り出す。
「確かこれをパッセージリングに向ければいいんだったな・・・とは言えいつになればそれが完成するかイマイチわからんな、これでは・・・」
そこで測定器を持ちながらパッセージリングに向ける比古清十郎だったが、譜業の使い方自体普段から使わないからよくわからない上にいつになればそれが終わるのかが見分けがわからないと言うことから苦そうに顔をしかめる。
「・・・やむを得ん、念を入れて少し時間を取ってから戻るか。失敗して、二度手間になるのも面倒だからな」
その為余計な時間を取るのを嫌う比古清十郎だが確実な成功を取ることを選び、測定器を置き少しその場に留まることを選び地面に腰を下ろした。
(・・・口伝は本当だったか。ならやはり祖がユリアを殺したのも真実で、もうひとつの方も真実だったのだな・・・)
そして酒を煽り飲む中、比古清十郎はゆっくりと先程考えていたことの先をふと思い返す。
(・・・だが例えその事を誰かに伝えたとて信じる者はいないだろう。いたとてそれこそ逆恨みを買うだろうな。何しろ)
(ユリア自身が祖に殺されることを願った、と言うのだからな・・・)
・・・だがその中身は単なる思い出話というにはあまりに一般的には荒唐無稽な物であり、その事実が預言主体のこの世界にてあまりにも衝撃をもたらす物であった。
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「ミュッ!?ミュウゥゥゥ・・・わかったですの、言わないですの・・・」
しかしそんな内面をおくびも出さず話をするなと鋭い目付きで制止を命じれば、ミュウもその本気の迫力に怯えながらも素直にその命令に頷く。
「ならいい。さて、この刀の使い方は口伝によれば封呪に当てて念じるだったか・・・そうすればこの封呪は解除されるという話だが、果たして・・・」
その姿に満足しつつも比古清十郎は刀の使い方を確かめるよう呟きながら切っ先をダアト式封呪により封印された扉に向け、接触させる。
‘パキィィィン’
「・・・ふん、成程。こう言うことになるか」
その瞬間ダアト式封呪の扉は何かが割れるような甲高い音と共に砕け散った。その事に満足げに比古清十郎は笑む。
「さて、行くぞ。振動周波数の測定に向かわねばならんからな」
「はいですの!」
そのままに比古清十郎はミュウの頭を掴みながら先へと進んでいく。その元気よく返す返答には一切きつそうな様子はなく、掴む手には力が入ってないことを物語っていた。
・・・そしてセフィロトの中に入った比古清十郎は、真っ直ぐにパッセージリングの制御盤の元へと向かった。尚、創世歴の技術の粋を集めたこの場にいるのに全く感動を比古清十郎は覚えていないのだが、元々技術面に関して興味を持っていないのもあるがダアト式封呪で封じられていないセフィロトに行ったことがあるからだ。
「・・・着いたな」
一度中を見たからこそ造りもわかるし、何の感慨も湧かない。比古清十郎は目的の制御盤のある場所にまで辿り着いたが、一切テンションが上がる様子もなく測定器を取り出す。
「確かこれをパッセージリングに向ければいいんだったな・・・とは言えいつになればそれが完成するかイマイチわからんな、これでは・・・」
そこで測定器を持ちながらパッセージリングに向ける比古清十郎だったが、譜業の使い方自体普段から使わないからよくわからない上にいつになればそれが終わるのかが見分けがわからないと言うことから苦そうに顔をしかめる。
「・・・やむを得ん、念を入れて少し時間を取ってから戻るか。失敗して、二度手間になるのも面倒だからな」
その為余計な時間を取るのを嫌う比古清十郎だが確実な成功を取ることを選び、測定器を置き少しその場に留まることを選び地面に腰を下ろした。
(・・・口伝は本当だったか。ならやはり祖がユリアを殺したのも真実で、もうひとつの方も真実だったのだな・・・)
そして酒を煽り飲む中、比古清十郎はゆっくりと先程考えていたことの先をふと思い返す。
(・・・だが例えその事を誰かに伝えたとて信じる者はいないだろう。いたとてそれこそ逆恨みを買うだろうな。何しろ)
(ユリア自身が祖に殺されることを願った、と言うのだからな・・・)
・・・だがその中身は単なる思い出話というにはあまりに一般的には荒唐無稽な物であり、その事実が預言主体のこの世界にてあまりにも衝撃をもたらす物であった。
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