時代と焔の守り手は龍の剣 第十七話
「さて・・・我々はカーティス大佐の元に行きましょう。スピノザさん、貴方はかねてより話されていたお二人の仲間の方を説得されてシェリダンに向かうように言ってください。この際ですから貴殿方もシェリダンに向かった方が都合がいいですからね。ただその二人がどうしても駄目だと言うなら私達に話をしてください、こちらとしても是非成功させたい事柄ですから協力は惜しみません」
「っ・・・はい、わかりました」
「では行きましょう」
ルーク達二人もいなくなったことで自分達も行こうとフリングスは言いつつも、スピノザに仲間を説得するように言う。それにまだ仲間を説得してないスピノザは少し戸惑いつつも了承を返し、フリングスはその答えを受けスピノザを残し3人で立ち去っていった・・・
「・・・戻られたんですか、フリングス少将?」
「えぇ、話がまとまりましたので」
・・・そしてベルケンドの宿に戻ったフリングス達は、部屋の前にいたジェイドと再会する。
「そうですか・・・こちらはようやく殿下の状態も落ち着いて、少し休まれている所です」
「・・・相当時間がかかったようですね」
「えぇ、まぁ。とは言え一休みさせれば少しは落ち着くでしょう・・・それでお三方はどちらへ?」
「えぇ、実は・・・」
ただジェイドの顔はありありとナタリアの世話に疲れたと如実に書かれておりフリングスもそれに気付くが、詳しい中身を現さずに経緯を聞くその姿勢に先程のやり取りの経緯を話し出す・・・
「・・・という訳です」
「・・・成程、事情はよくわかりました」
そして話を聞き終わり、ジェイドは納得して深く頷く。
「・・・フリングス少将はどちらにしようとお考えですか?」
「・・・そうですね。私はナタリア殿下をグランコクマに送り届けたいと思っています」
「・・・少将が、ですか?」
そこでジェイドはシェリダン行きかグランコクマ行きのどちらを選ぶかを問うが、ナタリアを送ることを選んだ事に意外そうに目を瞬く・・・ジェイドからしてみれば今の自分の立場は相当に弱い物であり重要な任務は官位から言っても上官であるフリングスが担当するものだと思っていただけに、シェリダン行きというランクが上の任務に携われるとは思っていなかったのだ(尚本来なら王女殿下の護衛は任務のランクは高いのだが、今となっては偽者であるナタリアをそこまで重要視しなければならない理由もなく障気の方が重要な為必然的にナタリアの方が下となった)。
「はい。研究という分野に関しては私も門外漢ですから、大佐にお任せした方がよろしいかと思いました・・・それに、今の貴方なら貴方が思うような間違えは起こさないと思いましたので」
「っ・・・すみません、ありがとうございます」
だが返ってきた答えに明らかな信頼がこもっていた為、ジェイドは少し気まずげにうつむきながらも礼を言う。
(前の私でしたら自分が上位と疑わず、傲慢を態度に滲ませて振る舞っていたんでしょうね。それがどれだけ愚かしいことかも考えず・・・皮肉ですね、考え方を変えてから自分の事を嫌いになるほどに以前より冷静に物事を見れるようになるとは・・・)
そしてその心中には以前の自分を嫌う自己嫌悪の想いがあった。フリングスの信頼を得たという事が逆にその事をありありと自覚する形で。
(・・・いけませんね、このような気持ちのままでは。後悔なら後でいくらでも出来ます、今は気を取り直して話を進めましょう)
しかしそうも言ってられないとジェイドは気持ちを入れ換え、真剣な面持ちでフリングスの方を向く。
.
「っ・・・はい、わかりました」
「では行きましょう」
ルーク達二人もいなくなったことで自分達も行こうとフリングスは言いつつも、スピノザに仲間を説得するように言う。それにまだ仲間を説得してないスピノザは少し戸惑いつつも了承を返し、フリングスはその答えを受けスピノザを残し3人で立ち去っていった・・・
「・・・戻られたんですか、フリングス少将?」
「えぇ、話がまとまりましたので」
・・・そしてベルケンドの宿に戻ったフリングス達は、部屋の前にいたジェイドと再会する。
「そうですか・・・こちらはようやく殿下の状態も落ち着いて、少し休まれている所です」
「・・・相当時間がかかったようですね」
「えぇ、まぁ。とは言え一休みさせれば少しは落ち着くでしょう・・・それでお三方はどちらへ?」
「えぇ、実は・・・」
ただジェイドの顔はありありとナタリアの世話に疲れたと如実に書かれておりフリングスもそれに気付くが、詳しい中身を現さずに経緯を聞くその姿勢に先程のやり取りの経緯を話し出す・・・
「・・・という訳です」
「・・・成程、事情はよくわかりました」
そして話を聞き終わり、ジェイドは納得して深く頷く。
「・・・フリングス少将はどちらにしようとお考えですか?」
「・・・そうですね。私はナタリア殿下をグランコクマに送り届けたいと思っています」
「・・・少将が、ですか?」
そこでジェイドはシェリダン行きかグランコクマ行きのどちらを選ぶかを問うが、ナタリアを送ることを選んだ事に意外そうに目を瞬く・・・ジェイドからしてみれば今の自分の立場は相当に弱い物であり重要な任務は官位から言っても上官であるフリングスが担当するものだと思っていただけに、シェリダン行きというランクが上の任務に携われるとは思っていなかったのだ(尚本来なら王女殿下の護衛は任務のランクは高いのだが、今となっては偽者であるナタリアをそこまで重要視しなければならない理由もなく障気の方が重要な為必然的にナタリアの方が下となった)。
「はい。研究という分野に関しては私も門外漢ですから、大佐にお任せした方がよろしいかと思いました・・・それに、今の貴方なら貴方が思うような間違えは起こさないと思いましたので」
「っ・・・すみません、ありがとうございます」
だが返ってきた答えに明らかな信頼がこもっていた為、ジェイドは少し気まずげにうつむきながらも礼を言う。
(前の私でしたら自分が上位と疑わず、傲慢を態度に滲ませて振る舞っていたんでしょうね。それがどれだけ愚かしいことかも考えず・・・皮肉ですね、考え方を変えてから自分の事を嫌いになるほどに以前より冷静に物事を見れるようになるとは・・・)
そしてその心中には以前の自分を嫌う自己嫌悪の想いがあった。フリングスの信頼を得たという事が逆にその事をありありと自覚する形で。
(・・・いけませんね、このような気持ちのままでは。後悔なら後でいくらでも出来ます、今は気を取り直して話を進めましょう)
しかしそうも言ってられないとジェイドは気持ちを入れ換え、真剣な面持ちでフリングスの方を向く。
.