時代と焔の守り手は龍の剣 第十七話

「人頼りというのは気に入らんが、まぁ今は時間もかけられん。引き受けてやろう・・・と言いたいところだが、俺は振動周波数をセフィロトに測りに行かねばならん。セカン、その間にお前がシェリダンの者達の説得に向かえ。シェリダンの近くにあるメジオラ高原にもセフィロトはあるが、いりくんだ所に入口があり場所が分かりにくい為に時間がかかる。そちらで周波数を測るのは手間と時間がかかるから俺はタタル渓谷に向かう」
「あ・・・はい、わかりました」
気に入らないと言葉で言いつつも結局受け入れるが、比古清十郎はそれは自分の時間が無いからとセカンに顔を向けその役目を任命する。ちゃんとした理由で頼まれた事だけにセカンも一瞬戸惑った物の、首を振り了承する。
「・・・タタル渓谷にっつったけど、セフィロトってあったのか?つーかセフィロトの場所って全部知ってんのか?」
「一応一回は足を運んでいる、こういった時の為にな。その時メジオラ高原にも行ったが大型船では入れん程の狭隘な航路を船で行かねばならなかった。その船を手配する手間分の時間を考えればタタル渓谷に行った方が早い」
「そうなのか・・・」
そこにルークが自身の疑問を比古清十郎にぶつけると、確かな実感がこもった返しに納得する。
「そう言うわけだ。俺はさっさとケセドニアに向かう船に乗る。事が済めばシェリダンに向かうから後は任せた、あの阿呆姫の処置についてもな」
「はい、シェリダンでお待ちしています」
ルークに返答を返しつつも場を後にせんとする比古清十郎にセカンが礼をし、一同の視線を受けながら比古清十郎は退出する。
「・・・ルーク殿、セカンさん。何をやるかの方向性も決まったようですし取りあえずこの場はもう解散しませんか?それで出来ればこの後私は少しカーティス大佐と打ち合わせをしなければなりませんので、先にルーク殿とセカンさんはシェリダンに向かっていただきたいのですが・・・」
「っ・・・そうですね・・・」
そこに今度はフリングス少将がやることがあるからと場を終わらせようと言い出すが、その中身が中身なだけにセカンは少し息を呑むが考え込む声を上げる・・・とは言えそのフリングスのルークに向けた気遣いがわかるだけに、セカンの答えは決まっていた。
「わかりました、ルークさんもいいですか?」
「・・・あぁ、いいぜ」
了承しつつもルークにも確認を取るセカンに、どこか浮かないながらも同意する・・・ルーク自身気遣われている事に気付いていたのだろう、比古清十郎の言っていたナタリアのことで。だがその気遣いに反発する意味も気力も無かったルークは肯定以外返せなかった。
「・・・私かカーティス大佐のどちらかがディスト殿とシンク殿の二人を引き連れて、お二人の後にタルタロスでシェリダンに向かいます。もう片方は更に後でシェリダンに向かいますので、気になさらないでください」
「はい、わかりました・・・では後はよろしくお願いします。行きましょう、ルークさん」
「あぁ」
その雰囲気を察したフリングスも直接言わずとも間接的な表現で片方がナタリアをグランコクマに送るために遅れると告げれば、セカンもルークもそれ以上何も言うことなく了承してその場を後にしていった・・・






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