時代と焔の守り手は龍の剣 第十七話
「まぁこうやって結論が出たとは言え、すぐにバチカルに戻っていただかれてはインゴベルト陛下に不審を抱かれかねませんからね。殿下には申し訳ありませんが、このベルケンドで用を済ませましたらグランコクマにお送り致しますのでここでしばらくお休みください」
「カ、カーティス大佐・・・お願いです、お願いですからルークに取り成してくださいまし・・・」
「・・・諦めの悪いお方ですね」
そのままにナタリアに取ってもらう行動を事務的な声で伝えれば、ナタリアは尚もすがるように壊れたよう涙を溢れさせジェイドの軍服を掴んでくるがジェイドはその姿を冷やかな目で見つめる。
「貴女が取られた行動でルーク殿は貴女への気持ちを固めました、言わばこの結果は自業自得です。ここで自らの不手際を悔い改めてルーク殿と対していたなら結果も変わっていたでしょうが、それが出来なかったからこその結果なのです・・・その事実を受け入れてください、でなければ一層ルーク殿の失望が強くなるだけになりますよ。見苦しい姿をさらせばさらす程、ね」
「っ!・・・うっ、ひくっ・・・」
これ以上変に言い合っても馬耳東風になりかねないと考え、ジェイドはルークに嫌われたくないなら身を引けと告げる。その言葉にそれ以上自分本位な望みを弱味から言えなくなったナタリアは息を呑み、代わりに今度は本格的に声を上げ泣き出してきた。
「・・・すみません、フリングス少将。先にスピノザという人物の元に行ってもらってよろしいですか?少し私は殿下が落ち着くまで待たせていただきます」
「そう言ったことであれば先に行かせていただきましょう。よろしいですね、ルーク殿?」
「・・・あぁ、俺も言うべき事は言い終わったからな。行こうぜ、もう」
「・・・あっ・・・」
そんな状況に流石にそのままほっぽりだすのもと思ったのか、この場を納めるから先に行くようにと言うジェイドにフリングスは即断で頷きながらもルークに確認を取る。そのルークは同意しつつもナタリアを一瞥するとその横を通り抜け、ナタリアの涙混じりの視線も声も気にせず部屋を出ていく。
「・・・では後は頼みます、カーティス大佐」
「えぇ、わかりました」
先を行くルークの姿にフリングスはさっと頭を下げすぐにその後を追い、セカン達もすぐさまその後に続く。
「っく、ヒック・・・ルーク、考え直してくださいルーク・・・!」
「・・・」
そしてその場に残ったのは二人だけであるが、自らの身に起こったことを未だ自分の起こしたことであると全てを認めきれてないナタリアと同情を一切見せずにただその姿を見ているジェイドでは温度差がありすぎて、分厚いガラス一枚隔てた先に二人がいるような錯覚に陥る程の物がそこにはあった・・・
「・・・ルークさん、大丈夫ですか?」
「・・・正直、きちぃ」
・・・そんな二人の元から離れ研究所の中に行こうとしていたルーク達だが、宿から出た所で手で頭を押さえるルークにセカンは気遣って声をかける。そんな声に強気になれずルークは正直に、力なく答えた。
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「カ、カーティス大佐・・・お願いです、お願いですからルークに取り成してくださいまし・・・」
「・・・諦めの悪いお方ですね」
そのままにナタリアに取ってもらう行動を事務的な声で伝えれば、ナタリアは尚もすがるように壊れたよう涙を溢れさせジェイドの軍服を掴んでくるがジェイドはその姿を冷やかな目で見つめる。
「貴女が取られた行動でルーク殿は貴女への気持ちを固めました、言わばこの結果は自業自得です。ここで自らの不手際を悔い改めてルーク殿と対していたなら結果も変わっていたでしょうが、それが出来なかったからこその結果なのです・・・その事実を受け入れてください、でなければ一層ルーク殿の失望が強くなるだけになりますよ。見苦しい姿をさらせばさらす程、ね」
「っ!・・・うっ、ひくっ・・・」
これ以上変に言い合っても馬耳東風になりかねないと考え、ジェイドはルークに嫌われたくないなら身を引けと告げる。その言葉にそれ以上自分本位な望みを弱味から言えなくなったナタリアは息を呑み、代わりに今度は本格的に声を上げ泣き出してきた。
「・・・すみません、フリングス少将。先にスピノザという人物の元に行ってもらってよろしいですか?少し私は殿下が落ち着くまで待たせていただきます」
「そう言ったことであれば先に行かせていただきましょう。よろしいですね、ルーク殿?」
「・・・あぁ、俺も言うべき事は言い終わったからな。行こうぜ、もう」
「・・・あっ・・・」
そんな状況に流石にそのままほっぽりだすのもと思ったのか、この場を納めるから先に行くようにと言うジェイドにフリングスは即断で頷きながらもルークに確認を取る。そのルークは同意しつつもナタリアを一瞥するとその横を通り抜け、ナタリアの涙混じりの視線も声も気にせず部屋を出ていく。
「・・・では後は頼みます、カーティス大佐」
「えぇ、わかりました」
先を行くルークの姿にフリングスはさっと頭を下げすぐにその後を追い、セカン達もすぐさまその後に続く。
「っく、ヒック・・・ルーク、考え直してくださいルーク・・・!」
「・・・」
そしてその場に残ったのは二人だけであるが、自らの身に起こったことを未だ自分の起こしたことであると全てを認めきれてないナタリアと同情を一切見せずにただその姿を見ているジェイドでは温度差がありすぎて、分厚いガラス一枚隔てた先に二人がいるような錯覚に陥る程の物がそこにはあった・・・
「・・・ルークさん、大丈夫ですか?」
「・・・正直、きちぃ」
・・・そんな二人の元から離れ研究所の中に行こうとしていたルーク達だが、宿から出た所で手で頭を押さえるルークにセカンは気遣って声をかける。そんな声に強気になれずルークは正直に、力なく答えた。
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